のほほん素材日和 ~草原と森のんびり生活~

みなと劉

文字の大きさ
41 / 192
第一章: 「エルム村へようこそ」

第四十一話: 野草園での一日

しおりを挟む
 翌日、フィオはハンナからの招待を受け、再び野草園を訪れた。今日はハンナと一緒に野草を収穫し、それらの使い方を学ぶための特別な日だ。

 「フィオさん、今日は私の秘密のスポットを案内するわ。ここで育てている野草は、村の外ではなかなか見られないのよ。」
 ハンナの言葉に胸を躍らせながら、フィオは野草園の奥深くへと足を踏み入れた。そこには、朝露に濡れたキラキラと輝く野草たちが広がっていた。

 「これが『ムーンリーフ』。夜になると淡い光を放つの。風味が独特だから、ジャムに少し加えると特別な味わいになるわよ。」
 ハンナが優しく説明しながら、ムーンリーフを摘む手つきを見せてくれる。フィオもそれを真似しながら、一枚一枚丁寧に摘み取った。

 さらに進むと、小さな花をつけた植物が群生している場所に辿り着いた。
 「これは『スイートブリーズ』。甘い香りが特徴で、乾燥させてポプリやお茶に使えるの。」
 ハンナの説明にフィオは感心しながら、「これを使ったお菓子を作ってみたいです」と目を輝かせた。

 二人で野草を収穫し終える頃には、フィオのかごは鮮やかな葉や花でいっぱいになっていた。
 「今日は本当に素敵な体験をありがとうございます、ハンナさん!」
 「どういたしまして。フィオさんの熱心さを見ていると、私も嬉しくなるわ。これからも一緒に色々と挑戦しましょう。」

 帰り道、フィオは摘み取った野草の香りを感じながら、「これでどんなジャムが作れるだろう」と新たなアイデアを巡らせていた。

 家に戻ると、早速ジャム作りの準備を始めた。ムーンリーフを少し加えたリンゴジャムと、スイートブリーズをアクセントにしたハチミツジャムの二種類だ。
 「どんな味になるかな…」期待を込めて完成したジャムを味見すると、どちらも驚くほど香り豊かで、独特の美味しさが広がった。

 「これならきっと村の人たちにも喜んでもらえる!」フィオは思わず微笑んだ。
 野草園での体験が、新たな可能性をフィオに与えてくれたのだ。彼女の作るジャムは、エルム村の風景とともに、着実に広がり始めていた。

 次の市場が待ち遠しい。フィオの胸の中に、ワクワクした気持ちが広がっていく。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ
ファンタジー
主人公の沖 紫惠琉(おき しえる)は会社からの帰り道、不思議な店を訪れる。 その店でいくつかの品を持たされ、自宅への帰り道、異世界への穴に落ちる。 落ちた先で紫惠琉はいろいろな仲間と穏やかながらも時々刺激的な旅へと旅立つのだった。

処理中です...