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第一章: 「エルム村へようこそ」
第八十九話: スープ作りの冒険
しおりを挟む翌朝、フィオはロロとの約束を胸に、少し早起きをした。森の朝は静かで、ひんやりとした空気が心地よい。ポポも元気よくフィオの肩に乗り、楽しげに鳴いている。
「さて、今日はどんな素材が見つかるかな?」
フィオは胸を弾ませながら、ロロと待ち合わせた広場に向かった。ロロはすでに籠と小さなナイフを持って待っており、朝陽を浴びて輝く姿がまるで森の案内人のようだった。
「おはよう、フィオ。さあ、早速行こうか。朝のうちが採取には最適なんだよ。」
ロロの声に元気よく返事をし、二人と一匹は森の奥へと歩き始めた。
道すがら、ロロは採取のコツを教えてくれた。
「この葉っぱ、見てごらん。縁が少しギザギザしていて、触るとほんのり粘り気があるだろう?これが今日のスープにぴったりの『ミルクリーフ』だよ。」
フィオは目を輝かせながら、言われた通りの葉っぱを摘み取った。その隣でポポは器用に木の実を集めている。
さらに進むと、小さな小川が見えてきた。ロロはそこで立ち止まり、手を川に浸して何かを探し始めた。
「この小さな水草、『スイートウィード』はスープに甘みを加えるんだ。川の浅いところに生えているから、慎重に摘んでみて。」
フィオも慎重に川の中に手を伸ばし、小さな緑の葉を摘み取った。冷たい水の感触が心地よい。
「やった、取れたよ!」
フィオが笑顔で葉を見せると、ロロは満足げに頷いた。
「いいね、フィオ。だんだん採取に慣れてきたじゃないか。」
その後も二人と一匹は森を巡り、キノコや花のつぼみなど、さまざまな素材を集めた。ロロが教えてくれるたびにフィオは驚きと喜びを感じた。
「森にはこんなにたくさんの恵みがあるんだね。都会にいた頃には想像もできなかったよ。」
フィオの言葉にロロは優しく微笑んだ。
「自然はいつでも、必要なものを与えてくれるんだよ。大切なのは、それを感謝しながらいただくことさ。」
やがて籠がいっぱいになる頃、三人は村への帰路についた。今日集めた素材が、どんなスープに変わるのか、フィオは胸を躍らせていた。
森の中で過ごした一日は、フィオにとって新しい発見と学びの連続だった。この穏やかな時間が、エルム村での暮らしをますます豊かにしていくと感じた。
「さあ、これで美味しいスープを作ろう!」
フィオの声にポポが元気よく鳴き、ロロも笑顔で頷いた。森の恵みは、これから新たな物語を生み出していく。
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