のほほん素材日和 ~草原と森のんびり生活~

みなと劉

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第二章 ポポとのほほん旅立ち

第21話: ギルド証の受け取りと誤解からのナンパ

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 朝早く、フィオとイマーシュはリンダムのギルドに向かって歩いていた。ギルド証が準備できたとの連絡を受けたためだ。

 「ギルド証があれば、関所を通るのも楽になるね。」フィオが軽やかに話しかけると、イマーシュは腕を組みながら歩き、少し不機嫌そうな顔を見せた。「こんな手続き、面倒だと思ってたが、確かに必要みたいだな。」

 ギルドに到着すると、すぐに受付に案内され、二人はそれぞれのギルド証を受け取った。証は手のひらに収まるほどの小さな金属板で、名前や簡単な所属情報が魔力で刻まれている。

 「おお、これが噂のギルド証か!」フィオが嬉しそうに手に取って眺めると、イマーシュは面倒くさそうにそれをポケットにしまった。

 「次はどこに行くか決めようぜ。」イマーシュが話し始めたその時、近くのテーブルにいた冒険者たちが二人をじっと見ていることに気づいた。

 「おい、あの銀髪の美人、見たか?」ひそひそ声が漏れ聞こえてくる。

 「お前、ナンパしてこいよ。」別の冒険者がからかうように笑い、勢いづいた一人が立ち上がった。その男は派手な装飾の剣を腰に下げ、茶色の髪を振り乱しながら二人の元へ近づいてきた。

 「やあ、そこのお嬢さん。」冒険者はイマーシュに向かって声をかけた。「君みたいな人が一人で冒険なんて危険じゃないか?俺たちと一緒に行動しない?」

 「……お嬢さん?」イマーシュは一瞬で状況を理解したが、言葉を飲み込んで無表情を保つ。

 「いやいや、そんな美人が危ない目に遭うのは、俺たちも見過ごせなくてね。」男はさらに近づき、イマーシュの隣の椅子に腰掛けた。

 「おい。」イマーシュが低い声で一言発すると、男は「照れ隠しかな?」と笑い、まったく引き下がる気配がない。

 そんな様子を見ていたフィオはこらえきれずに吹き出した。「あははは!イマーシュ、まさか君が女性と間違われるとは!」

 「……笑ってないで助けろ。」イマーシュは呆れたようにため息をつき、ポポも「チチッ!」と鳴いて場を和らげる。

 「ごめんごめん!」フィオはようやく笑いを収め、ナンパしている男に向き直った。「その人、男だから。」

 「えっ?」男は驚いてイマーシュをまじまじと見つめる。

 「ま、まさか……冗談だろ?」

 「冗談じゃないさ。」イマーシュが苦々しく返すと、男は顔を赤らめて謝りながら逃げるように戻っていった。

 「……まったく。」イマーシュは深いため息をつき、ポポの頭をぽんと撫でる。

 フィオは肩をすくめて笑い、「でも、女性と間違われるほど美形なのは得かもよ?」と茶化した。

 「得じゃなくて迷惑だ。」イマーシュは再びため息をつきながら、ギルドの外へと向かう。

 そんなやり取りがありつつも、二人と一匹は笑顔を浮かべながら次の目的地を探し始めた。

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