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76話

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呂布奉先とは一体何者なのだろうか? 曹操孟徳は考える。
だが人間であることは変わらないという答えを導き出し共にあろうそして同盟を築こうと思っているのだという。
それを俺にも打ち明けてくれたのだ彼は。そして俺の身体が特殊なのは最初の契りの時に知ってるいるのでたまに彼とは身体を重ねた。そして今に至る。
呂布達は漢の都、洛陽に着いた。
「さてと、呂布よ。貴殿はどうしたい?」
と、曹操は言う。
「そうだな、まずは帝に会いたい」
と、呂布は言う。
「わかった。案内しよう」
と、曹操は言い始める。
曹操は呂布を連れて帝の元へ向かった。
「陛下、失礼致します」
「おお、曹操か。どうした?」
「呂布将軍をお連れしました」
「呂布だと!?それは真か!?」
俺は呼ばれたので
「あ、俺が呂布奉先です」
あ、という顔をするが
「たしかに呂布奉先であるな」
「はい」
「よく来られた」
「はい、ご無沙汰しておりました」
「して、なぜこの世界に来た?」
と、聞かれたので
「それはですね」
と、呂布は自分の力のことを全て話した。
「なるほどのう、そのような事が……」
「はい、それで俺はどうすれば良いでしょうか?」
「ふむ、この世界を救ってくれぬか?」
と、言われたので
「わかりました」
と、言った。
「ありがとう。では、そなたには董卓軍と戦ってもらう」
「はい」
帝からの申し出を了承したので準備をする。
曹操軍とともに漢の国を救う為に戦う。
呂布は漢の軍師である陳宮を呼んだ。
「どうされましたか?呂布将軍」
「ああ、実はな」
呂布は陳宮に説明をした。
「なるほど、承知いたしました。では、作戦を立てましょう」
「ああ、頼む」
「はっ!」
呂布は陳宮に任せることにした。
~~~曹操side~~~ 曹操は呂布が皇帝と謁見している間に呂布軍について考えていた。
呂布軍は異質だ。皇帝と簡単に謁見出来るなんてと思っている。呂布軍の戦力は凄まじく、呂布奉先は異常な強さを誇る。
呂布奉先の力は圧倒的だ。
呂布軍は異質の集団だ。
だがそこも魅力の一つなのだと納得する。
~~~呂布side~~~ 呂布は陳宮と話し合っていた。
「それでは呂布将軍の部隊から出陣させます」
「ああ、分かった」
「まずは夏侯惇将軍です」
「俺か」
「はい、続いて関羽将軍と張飛将軍」
「私達ですか?」
「そうだ」
「分かりました」
「そして、夏侯淵将軍と曹仁将軍」
「分かった」
「承った」
「最後に魏続将軍と侯成将軍」
「はい」
「了解」
「以上の五名にて出撃してください」
「分かった」
呂布達は出陣の準備を始めた。
呂布達は漢の都、洛陽を出て西涼へ進軍を開始した。
曹操軍と呂布軍が共闘する事になり、曹操と呂布は話し合いをしていた。
「呂布よ。お前はこの国をどう思う?」
「そうだな、この国はまだまだ発展の兆しを秘めている。商業革命でも起きれば一際賑わうとみている」
「そうか、お前らしい考えだ」
「まあ、まだ先のことだがな」
「その通りだ」
曹操と呂布は笑い合った。
それから数日後、ついに董卓軍と激突した。
呂布軍は曹操軍と呂布が率先して前に出た。
「曹操くん!ここは任せて先に行け!」
と、呂布は言う。
「わかった」
曹操は呂布を信じて先に進んだ。
呂布は無双していた。呂布軍は快進撃を続けていた。
「フハハ!雑魚共がいくら束になろうと無駄だー!」
と、叫びながら呂布は敵を蹴散らしていく。
その様子を見た曹操は
「呂布ってあんな奴だったか?」
と、呟いていた。
一方その頃、曹操は
「呂布将軍が戦っているんだ。我々も頑張らねば」
曹操は奮戦していた。
~~~sideend~~~
呂布は無双している。
「うわぁぁぁ!」
「助けてくれぇぇ!」
と、敵兵は叫んでいる。
「フッ、弱いな」
と、呂布は笑っていた。
そこに一人の男がやってきた。
「貴様が呂布奉先か?」
「誰だ?」
「我が名は李儒、董卓軍参謀にして軍師である」
「ほう、で?何の用かな?俺と戦うつもりか?」
「ああ、貴殿を始末するつもりだ」
「なら、やってみろよ」
「いいだろう」
こうして戦いが始まった。
呂布と李儒の戦いは激しかった。
しかし、呂布の強さは圧倒的で、呂布は苦戦した。
「貴殿強いな」
「貴殿こそ」
二人は語り合い、そして再び戦った。
だが、二人の実力はほぼ互角であった。
「やるな」
「そちらこそ」
と、言い合っている。
呂布は攻撃しては下がり、下がっては攻撃をするというヒットアンドアウェイ戦法で攻めた。
李儒はその呂布の攻撃を受け流しつつ、反撃をした。
「なかなかやるが、俺には勝てんぞ」
「それはどうかな?」
「どういう意味だ?」
「そのままの意味だ」
と、言うと呂布は攻撃をやめて下がった。
「どうしたのだ?」
「お前の攻撃は大振り過ぎる。そんなんじゃ俺に当てることは出来ないぜ?」
「なるほど、ならばこうしよう」
と言うと李儒は剣を構えた。
「なんだ?」
「これは俺の技で『八方斬』という」
「ほぉ、面白い」
「行くぞ」
と、言うと李儒は消えた。否、高速で動き回っているのである。
「どうした、来ないのか?」
「では、こちらから行かせてもらう」
呂布は超スピードで移動した。
「なに!?」
「遅いな」
と、言って呂布は手刀で李儒の腹を切り裂いた。
「ぐはっ!」
「終わりだ」
と、言って呂布は止めを刺そうとした。
「くっ!」
と、言って李儒は逃げようとした。
「逃がすわけないだろう?」
束縛魔法を使った。
「なん……だと……」
「これで終わりだ」
と言って呂布はトドメをさしに行った。
が、その時
「危なかった」
「なにっ!」
李儒は生きていた。
「俺は死ぬ訳にはいかないんでね」
「なぜだ?」
「俺は董卓様の為に尽くすと誓ったからだ」
「そうか、ならば死ね」
呂布は問答無用に殺そうとしてきた。
「くそ、ここまでか」
と、諦めかけた時、
「そこまでじゃ」
と、声が聞こえた。呂布は止まった。
「そのお方は皇帝陛下だ」
皇帝がやって来た。
「皇帝陛下、何故ここに?」
と、呂布が聞くと皇帝は
「話は後だ。まずは呂布よ、よくやった。下がって良いぞ」
「はい、陛下わかりました。」
呂布は皇帝に感謝しながら戻って行った。
「では、董卓よ。話を聞こうではないか」
「はい、私は漢の都を攻め滅ぼしました。ですが、まだこの国を滅ぼすことは出来ません」
「どうしてだ?」
「この国はまだまだ発展の余地があるのです。この国はまだまだ発展するでしょう。なので、漢を滅ぼさずこの国を私のものにしたいと思っています」
「なるほどのう、確かにこの国はまだまだ発展の兆しを秘めている。商業革命でも起きれば一際賑わうであろうな」
「はい、ですのでこの国を私に任せてもらえないでしょうか?」
「分かった。任せよう」
こうして漢は董卓によって滅ぼされず、漢は董卓により守られた。
~~~sideend~~~ 呂布は曹操軍と共に董卓軍と戦った。そして、戦いが終わり、呂布達は宴会をしていた。
「呂布将軍、あなたは本当に強かったですね」
と、曹操が言う。
「曹操くんもなかなか強かったじゃないか」
と、呂布が言う。
「そうですか?ありがとうございます」
と、曹操は照れながら言った。
「ところで曹操くん、君はこれからどうするんだ?」
と、呂布が言うと曹操は
「そうですね、僕は王になります。曹操ではなく曹操王に」
「おお!それはいい!君なら出来るよ!」
と、呂布が言うと曹操も嬉しそうな顔になった。
「はいっ!頑張ります!それで、呂布将軍はどうされるんですか?」
と、聞かれたので呂布は答えた。
「そうだなぁ、とりあえず今は天下統一を目指してみることにするよ」
「な、なにー!呂布将軍が天下統一を目指すのなら僕達も協力します!」
と、曹操が言うと他の者も賛同してくれた。
こうして呂布軍は天下統一を目指し、歩み始めた。
「それでは皆さん、今日からよろしくお願いします」
と、劉備は頭を下げて挨拶をした。
「こちらこそ、よろしく頼む」
と、関羽は返した。
「よろしくねー!」
と、張飛は元気良く返事をする。
「よろしく」
と、趙雲は素っ気なく答える。
「うむ、共に励もう」
と、馬騰が返す。
「ふん、せいぜい足を引っ張らないでくれよ」
と、魏続が言う。
「ふっ、楽しみだな」
と、侯成が言う。
と、まあこんな感じで皆自己紹介を終えた。
ちなみに劉備と関羽、張飛は義兄弟であり、趙雲は公孫讃の元部下である。また、魏続と侯成は袁紹の部下であった。馬騰は西涼軍の総大将であった。
「それじゃ、早速だけど仕事に取りかかってもらうわね」
と、桃香が言うとみんなは了解した。
「さて、まずは何をすればいい?」
と、魏続が聞くと
「今すぐにでも取り掛かってほしいことがあるの」
と、桃香が言うと
「なんだ?」
と、魏続は聞くと
「まずは荊州の民を救いに行って欲しいの」
「荊州の民を?」
と、魏続が聞き返すと
「ええ、まずは荊州の治安を回復させて、その後で荊州刺史の劉表を討伐して欲しいの」
と、桃香が言うと
「なるほど、確かに今の荊州は荒れ果てているからな。だが、荊州刺史の劉表をどうやって倒すのだ?」
と、魏続が質問すると
「実は私たちには協力者がいるの」
「なるほど、その者たちの力を借りるのか」
「そういうこと」
「わかった、ならばさっそく向かおう」
こうして劉備たちは出発した。
~~~一方その頃、荊州城にて~~~
「くそっ、なんなのだあの化け物は!」
と、一人の男が叫ぶ。
この男は荊州刺史の劉表の弟である。名は劉璋という。
「仕方がない、我々だけでも戦うぞ」
と、もう一人の男も言う。この二人は黄巾の乱の時に活躍した義勇軍の一人だった。
「行くぞ」
と、言って剣を構えようとした時、
「やめておけ、お前たちじゃ勝てん」
と、声が聞こえた。
「誰だ!?」
と、声の主に向かって叫んだ。
「俺の名は劉備玄徳」
と、劉備は名乗った。
「劉備だと?」
「ああ、そうだ。俺は今ある人を探していてな、そのついでにここに立ち寄っただけだ」
「なるほど、それで俺たちと戦うつもりか?」
俺は劉備に
「そんなこと言って本当に大丈夫か?」
「大丈夫だよ奉先」
と、劉備は言い返してきた。
「ほう、面白い。ではやってみるか?」
「望むところだ」
「ではいくぞ!」
と、言って劉備は斬りかかろうとした。
「甘い!」
と、言って劉備は攻撃をかわす。
「なかなかやるようだな」
「そちらこそ」
と、言うと劉備は蹴りを入れた。
「ぐはっ!」
「これで終わりかな?」
と、劉備は言った。
「まだ終わってないぜ?」
と、言って立ち上がった。
「へぇ、中々根性があるじゃないか」
「そりゃどうも」
「なら次はこちらから行かせてもらう」
と、言って攻撃を仕掛けてきた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「無駄だ」
と、言って攻撃をかわし、カウンターを仕掛けた。
「なっ……..ぐはっ……」
と、言って倒れてしまった。
「終わったな」
「まだだ!この程度で負けていられるか!」
と、立ち上がってきた。
「そうか、ならこい」
と、劉備は言った。
「言われなくてもそうするよ!」
と、言って切りかかって来た。
「遅い!」
と、言って攻撃を受け止めた。
「な、なに!?」
「喰らえ!鳳凰天翔脚!」
と、叫んで思いっきり蹴飛ばした。
「うわぁぁぁぁぁ!」
と、叫びながら飛んでいった。
「ふん、口だけか」
「くそ、まだまだ終わらんぞ!」
と、言って向かってくる。
「そうか、なら来い!」
「うぉりゃあ!」
と、振り下ろしてくる。
「甘い!」
と、受け止めて弾き飛ばす。
「うわぁぁ!」
と、飛ばされていった。
「どうした?もう終わりなのか?」「ま、まだだ!」
と、立ち上がる。
「では、こちらからも行くぞ」
と、言い、走り出す。そして飛び上がる。
「なっ、なんだと!?」
「落ちろ!」
と、踵落としをする。
「うわぁぁ!」
と、地面に叩きつけられる。
「もう終わりか?」
「ま、まだだ!」
と、起き上がり、こちらに向かって来る。
「ふっ、いいだろう。ならばこちらも本気で相手をしよう」
「望むところだ!」
と、言って向かって来る。
「ふん、やはり弱いな」
「くそっ……何故当たらぬのだ!」
「ふっ、お前が未熟なだけだ」
「なんだと!?」
「ふっ、そろそろ終わらせようか」
「くそっ……」
「はあぁぁ!」
と、言って殴りかかる。
「ふん、こんなもの効かん」
と、言うが劉備は笑みを浮かべる。
「かかったな」
「なに!?」
「はあぁぁぁぁぁ!!!」
と、言って思いっきり殴る。
「ぐはっ!」
「はあぁぁぁ!!」
と、続けて何度も拳を叩き込む。
「ぐはっ!」
「はあぁぁ!!!」
と、さらに強く打ち付ける。
「がはっ!」
「はあっ!」
と、最後に腹に一撃入れる。
「ぐはっ!」
「どうだ?」
「なかなかやるな」
「それはどうも」
「だが、俺はまだやれるぞ」
「そのようだな。ならば次で決めるぞ」
「望むところだ」
と、言ってまた向かってくる。
「はあぁぁ!」
「はあぁぁ!」
と、お互いの拳をぶつけ合う。
「うおおお!」
「はあぁぁ!」
「ぐっ……」
「くっ……」
と、お互いに倒れる。
「引き分けか」
「そのようだな」
と、言うと二人とも立ち上がり、構え直す。
「行くぞ」
「来い」
「はあぁぁ!」
「はあぁぁ!」
と、二人はぶつかり合い、しばらく拮抗していた。
「ぐぬっ……」
「くそっ……」
と、二人は同時に倒れた。
~~~一方その頃、荊州城にて~~~
「くそっ!なんなのだあの化け物は!?」
と、一人の男が叫ぶ。
この男は荊州刺史である劉表の弟である。名は劉璋という。
「仕方がない、我々だけでも戦うぞ」
と、もう一人の男が言う。この二人は黄巾の乱の時に活躍した義勇軍の一人だった。
「いくぞ」
と、言って剣を構えようとする。すると
「待て」
と、声が聞こえてきた。
「誰だ!?」
と、声の主に向かって叫んだ。
「俺の名は『欒波』」
と、名乗った。
「貴様は何者だ?」
「俺はある人を探している」
「なるほど、それで俺たちと戦うつもりか?」
「そんなことはしない」
「では何しに来た?」
「ただ戦いを止めに来た」
「なるほど、では止めてみるが良い!」
と、言って剣を振り下ろす。
「無駄だ」
と、言って攻撃をかわす。
「なっ、俺の攻撃をかわしたというのか!?」
「ああ、そうだ」
「ふざけるな!」
と、言って攻撃してくる。
「無駄だと言っているだろう?」
と、言って攻撃を捌き、カウンターを仕掛ける。
「ぐはっ!」
「まだ続けるか?」
「当たり前だ!」
と、立ち上がってきた。
「そうか、ならこい」
「言われなくてもそうするよ!」
と、言って切りかかって来た。
「遅い!」
と、言って攻撃を捌き、カウンター仕掛ける。
「ぐはっ!」
「まだやるのか?」
「当然だ!」
と、立ってこようとした時、突然倒れてしまった。
「な、なんだこれは……力が入らないだと!?」
「今だ!」
と言って斬りかかる。
「しまった!」
「終わりだ」
と、言ってトドメを刺した。
「うわぁぁぁ!!!」
と、叫びながら倒れた。
「終わったな」
と、言い残して去って行った。
~~~一方その頃、徐州城にて~~~
「くそっ、なんだあいつらは!?」
と、一人の男が叫んでいる。この男は『劉備玄徳』の兄である。名を『劉備正徳』と言う。
「落ち着け、今はとにかく戦って勝つしかないんだ」
と、もう一人の男が落ち着かせようとしている。この男は劉備の従兄弟であり、名を関羽雲長という。
「でも兄貴、このままじゃ……」
と、言いかけた時に扉が開く音が聞こえた。
「なんだ!?」
と、言って武器を構える。するとそこには二人の男女がいた。
「おい、お前たちは誰なんだ?どうしてここに来たんだ?」
と、劉備が尋ねる。
「俺は『呂布奉先』」
俺は自分の名前を名乗った。そして、この世界に来てからあったことを全て話した。
「なるほど、そういうことだったのか……」
と、言って納得してくれた。
「ところでお前たちに頼みがある」
と、言った。
「なにかな?」
と、尋ねられた。
「どうか俺たちも連れていってくれないか?」
と、お願いをした。
「もちろん良いぜ!」
と、快諾された。こうして仲間が増えたのであった。
「よし、みんな準備はいいな?」
と、確認をする。
「おう!」
と、皆返事をしてくれる。
「では出発だ!」
と、号令をかけて出発した。
~~~一時間後~~~
「もうすぐ着くぞ」
と、劉備に言われた。
「いよいよか……」
と、呟いた。
「ん?どうした?」
と、聞かれたので答えることにした。
「いや、なんでもない」
「そうか」
と、会話をしているうちに城が見えてきた。
「あれか?」
と、聞いてみた。
「ああ、そうだ」
と、返ってきた。
「大きいな……」
と、思ったままのことを口に出す。
「まあな」
と、返したきた。そのまま歩いていった。城まであともう少しというところだった。突如、轟音と共に城の上から火が上がった。それと同時に城の兵士が出てきた。
その兵士達の中には黄巾党の時と同じ姿形をした者達だった。
おそらくアレが董卓軍兵士だろう。その兵士がこちらに向かって襲い掛かってくる。
まず最初に一番近くにいた関羽が相手をする。俺もそれに合わせて動く。他の奴らには任せられなかったからだ。すると相手も同じことを考えていたようでお互いに同じことを考えていたようだった。
(ふっ、面白い)
そう思いつつ戦う。しばらく戦った後に向こうの方が早く倒れた。
その後ろで同じように戦い終えて立っていた。だがやはり、戦いなれている分強いのだと思った。
~~劉備side in荊州~~ 突然の事だったので最初は驚いた。なんの前触れもなくいきなり城の中から炎が上がりそこから出てきた兵の中に見たことのない鎧をまとっている人物を見た。その人は黒髪で顔つきが良く整っていた。どこかで見覚えがあった気がしたが思い出せなかった。そんなことをしている内に敵兵はどんどん増えて行っていた。その中にはあの人相の悪い将もいた。その人物が前に出て叫んだ。
「おい!劉備さんよお!そこに居るんだろう?ちょっとツラァ貸せよ!」
と、叫んでいる。
「くそっ、こんなタイミングできてしまうとは」
と、思わずこぼしてしまった。仕方がない。ここで行くしか無いか……
そう思うより前に関羽は動いていて呂布はその人を見つめたまま立ち止まっている。
「いくぞ、奉先」
そう言うと少し間を空けてからこっちへ振り向いた。そして
「了解だ」
と言って向かって来た敵を片っ端から薙ぎ倒していった。その様子を見て俺達は唖然とする他なかった。
~~~劉備の城~~~ 一方こちらは劉備たちとは違い慌ただしくなっていた。というのも敵の数が多すぎる上に呂布が予想以上の強さであったため、徐々に追い詰められつつあった。
その時だった。突如轟音が鳴り響き辺り一面が燃え上がり、呂布のところに行かせるための時間稼ぎができていた者たちが吹き飛ばされた。しかし呂布だけは傷一つ無く無傷でその場にいた。
~~劉備の城~~ また別の場所にて……
そこでは一人の少女を三人の男たちで囲んで戦おうとしていた。囲まれている方は『徐庶元直』。彼女は諸葛亮と同郷の幼馴染みでもあるのだが、今は曹操の元で文官として働いている。なぜ彼女が襲われたのかはわからない。ただ言えるのは、相手が彼女を捕まえようとした事だけだ。だから抵抗してここまで逃げて来た。しかしその道のりはかなり厳しかった為体力の限界を迎えてもう無理だと諦めかけていた。そこへ一人の女が現れた。その女の名は『許緒仲康』と言い徐州の孫策の元に仕えている武将だ。実は劉備たちとも面識があり劉備たちから徐州奪還の時に手伝って欲しいと頼まれていた。
その二人と一匹が現れてくれた。
「助かった!」
そう言って感謝の気持ちを述べた。
「当然のことよ!」
と、返してきた。続けて、
「この人数じゃさすがにキツイね」
と、呟いていた。
そこで許靖が名乗り出た。この子は徐州では名の知れた豪族の子であり文武に優れており将来性もあった子であった。しかし彼女の父は袁紹との戦いで敗れてしまった。その結果家ごと潰されてしまったのだ。その後すぐに母親に連れて行かれる形で引っ越したため劉備と出会えたわけである。その後しばらくしてから劉備たちが帰ってきた。劉備が帰ってきてから劉備軍に入り今に至る訳である。なのでそれなりに戦闘の経験はあるし実力もある。
さらにそこに現れた者がもう一人。それはこの世界では『鳳統仲景』と言う名で知られる人物で、三国志の中では蜀の天才軍師と呼ばれている人物である。その人物は男であったと伝わっているが実際は女の子でありその容姿はまるで小動物の様で守ってあげたくなる感じの可愛いらしい女性である。しかも頭脳も優秀で戦術などに関してもかなりのものを持っているので頼りになる存在だ。この二人の参戦によって形勢は一気に逆転した。まず、鳳統は兵を伏せさせておいていたためその兵の奇襲攻撃から始まり敵を次々と蹴散らしていきあっという間に殲滅した。それに続き徐栄を筆頭とした猛将達も出てきて次々と敵をなぎ倒していきその数を減らしていった。残るは敵将軍と雑魚兵が残りそれを鳳統が見事に指揮を取り追い詰めていく形になっていた。
その状況を眺めながら、
(大丈夫かな?)
と思っていた。その思いも届かずそのまま押し切り最後は徐栄にトドメを刺させたところで勝負がついた。
~~呂布&劉備の城前~~ 現在劉備軍の兵士たちが戦っている。相手はもちろんあの人相の悪い奴と周りの兵である。
(俺も行ったほうがいいよな)
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