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7話

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3つ目の『武』というのは、武術のことだと思われる。
4つ目の『覚醒』は、きっとあの謎の光のことを指しているのであろう。
5つ目の『迷宮』については、多分ダンジョンマスターを倒したことによる恩恵だと考えられる。
「それでは次は、魔法関係の称号やレベルなどの詳細をチェックしていこう」
《魔法》 火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 雷魔法 氷魔法 闇魔法 聖魔法 回復魔法 付与魔法 召喚魔法 結界魔法 時空魔法 古代魔法
「うん、やっぱり結構増えているね」
特に、一番下の『古代魔法』がすごいことになっている。
『魔法』
は、基本4系統の魔法が使えるようになっているみたいだ。
しかも、『古代魔法』の方は、今まで見たことがないくらい強力なものになっている。
ちなみに、他の魔法の方も軒並み強化されているみたいで、中には上位互換になっているものもあるみたい。
「これなら、サランにも対抗できるかもしれない!」
こうして、俺は新たなる可能性に向けて、決意を新たにするのであった。
—――
一方その頃……
「へぇ、あの子が例の」
「そうみたいですよ。なんでも、無の適性持ちなのに、無能と呼ばれているらしいです」
「それは面白いわね!ちょっと話を聞いてみようかしら?」
「それが良いかもしれませんねぇ」
「あの子の名前は確か……、シオン君だったかしら?」
「えっ?そうなんですか?私はてっきり、あの無能野郎の名前だとばかり思っていましたよ」
「私も最初は、同じことを思っていたんだけど、どうも違うみたいなのよね」
「ふぅん、そうなんだぁ」
「まあ、貴方も興味があるのならば話しかけてみると良いんじゃないかしら?」
「はい、わかりました」
「頑張ってね!」
「ありがとうございます!」
(フッ、無能か。どんな奴なんだろうなぁ?)
そんなことを考えながら、その男は部屋を出て行くのであった。
「うーん、今日は何をしようかな?」
現在、俺は自室でゴロ寝中。
最近は、ずっとサランとの修行ばかりで、あまり休めていなかったから、少しだけ疲れが残っているのだ。
なので、たまにはゆっくり休むことにしている。
コンッコン ドアがノックされる音が聞こえてきた。
誰だろうか? サランは今頃、仕事中のはずなので、この屋敷にいる人ではないと思うのだが。
まあ、とりあえず開けてみればわかるだろうと、思い、扉を開ける。
「どちら様でしょうか?」
「こんにちは。はじめまして、僕は、アデルと言います。よろしくお願いします!」
「はい、こちらこそ。それで、どのようなご用件ですか?」
「いえ、ただ単に挨拶をしに来ただけです。それと、一つ質問があるので、よろしいでしょうか?」
「は、はあ。別に構いませんけど……」
何なんだこの人は? いきなりやって来て、意味不明なことを言うなんて。
「では、早速。単刀直入に言いましょう。あなたは何者ですか?正直に答えてください」
「は?一体、急に何を言っているのかさっぱりわからないのですが……」
「惚けないでもらえますかね?僕は全て知っているんですよ。あなたの本当の実力についても、そして今置かれている状況についてだって。さあさあ、早く白状したらいかがでしょう?」
「…………」
こいつはヤバいな。
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