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15話
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昨晩、リルドの小さな家では、温かなスープと市場で買った新鮮な野菜を並べ、うさぎさんと一緒に食事を楽しんだ。食後、うさぎさんはリルドの胸の上で丸くなり、二人は心地よい静寂の中で深い眠りについた。
翌朝、うさぎさんは名残惜しそうにしながらも、窓からピョンと外へ飛び出し、森の方へと帰っていった。
「またね、うさぎさん」
リルドは手を振り、清々しい気持ちでギルドへと向かった。
ギルドに足を踏み入れると、昨日ムーン・ラビットを目撃した冒険者たちが一斉にリルドを取り囲んだ。
「おい、リルド! 昨日のあのムーン・ラビットはどうしたんだ!?」
「ああ、うさぎさんのこと? 今朝、森に帰っていったよ。昨日は一緒にご飯を食べて、一緒に寝たんだ。毛がふかふかで暖かかったよ」
リルドがのんびりと答えると、周囲の冒険者たちは絶句し、顔を見合わせた。
「い、一緒にご飯を食べて、寝ただと……!?」
「あの、近づく者すべてを魔力障壁で弾き飛ばすっていう霊獣を、ただのペットみたいに……う、嘘だろぅ……」
衝撃を受ける彼らをよそに、リルドはニコニコしながら掲示板へと歩み寄った。
「さて、今日は何にしようかな」
彼が見つけたのは、端っこに貼られた『みかん畑の様子を見る』というのどかな依頼札だ。リルドはそれを剥がし、受付へと持っていった。
「今日はこれを受けるね、受付さん」
「おはよう、リルドさん。みかん畑ね。あそこの農家のおじいさん、腰を痛めてるから様子を見てきてあげて。ついでに熟した実があったら収穫の手伝いもお願いね」
陽だまりの収穫
街外れの丘にあるみかん畑は、たわわに実ったオレンジ色の果実で埋め尽くされていた。
「おじいさん、こんにちは。ギルドから様子を見に来ました」
「おお、リルドか。悪いな、今年は豊作で手が足りんのじゃ」
リルドはおじいさんと世間話をしながら、丁寧にみかんを収穫していく。
彼が実に触れると、ほんの少しの魔力が通い、みかんの甘みがいっそう引き立つ。収穫の合間には、一番大きな実を一つ剥いて口に運んだ。
「うん、甘酸っぱくて美味しい」
丘を吹き抜ける風が心地よく、リルドは収穫した籠を背負い、満足げに村を後にした。
帰り道、リルドがのんびりと街道を歩いていると、前方の角から血相を変えた冒険者たちが全力で走ってきた。
「逃げろ! 出たぞ、森の奥にいたはずの『キラータイガー』だ!」
「あんなのDランクの手に負えるわけねぇだろ! 街まで走れ!」
彼らはリルドの横を猛スピードで通り過ぎ、一目散に街の方へと消えていった。
「おや、あんなに急いでどうしたんだろう」
リルドが角を曲がると、そこには黄金色の毛並みを持つ巨大な虎が、低い唸り声を上げて道を塞いでいた。獲物を狙う鋭い眼光がリルドを射抜く。
「……困ったなぁ。そんなところで怖い顔をしてると、せっかくのみかんが酸っぱくなっちゃうよ」
リルドは困ったように微笑むと、籠の中から小石を一つ拾い上げた。
夕暮れ時、リルドはギルドに戻り、お土産のみかんを受付嬢に手渡した。
「お疲れ様。あ、さっきDランクの人たちが青い顔で帰ってきたけど、何かあった?」
「さあ? でも、道に大きな猫が寝てたから、邪魔にならないように端っこに寄せておいたよ」
リルドは報酬の銅貨を受け取ると、今日のみかんの甘さを思い出しながら、穏やかな家路についた。
翌朝、うさぎさんは名残惜しそうにしながらも、窓からピョンと外へ飛び出し、森の方へと帰っていった。
「またね、うさぎさん」
リルドは手を振り、清々しい気持ちでギルドへと向かった。
ギルドに足を踏み入れると、昨日ムーン・ラビットを目撃した冒険者たちが一斉にリルドを取り囲んだ。
「おい、リルド! 昨日のあのムーン・ラビットはどうしたんだ!?」
「ああ、うさぎさんのこと? 今朝、森に帰っていったよ。昨日は一緒にご飯を食べて、一緒に寝たんだ。毛がふかふかで暖かかったよ」
リルドがのんびりと答えると、周囲の冒険者たちは絶句し、顔を見合わせた。
「い、一緒にご飯を食べて、寝ただと……!?」
「あの、近づく者すべてを魔力障壁で弾き飛ばすっていう霊獣を、ただのペットみたいに……う、嘘だろぅ……」
衝撃を受ける彼らをよそに、リルドはニコニコしながら掲示板へと歩み寄った。
「さて、今日は何にしようかな」
彼が見つけたのは、端っこに貼られた『みかん畑の様子を見る』というのどかな依頼札だ。リルドはそれを剥がし、受付へと持っていった。
「今日はこれを受けるね、受付さん」
「おはよう、リルドさん。みかん畑ね。あそこの農家のおじいさん、腰を痛めてるから様子を見てきてあげて。ついでに熟した実があったら収穫の手伝いもお願いね」
陽だまりの収穫
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「おじいさん、こんにちは。ギルドから様子を見に来ました」
「おお、リルドか。悪いな、今年は豊作で手が足りんのじゃ」
リルドはおじいさんと世間話をしながら、丁寧にみかんを収穫していく。
彼が実に触れると、ほんの少しの魔力が通い、みかんの甘みがいっそう引き立つ。収穫の合間には、一番大きな実を一つ剥いて口に運んだ。
「うん、甘酸っぱくて美味しい」
丘を吹き抜ける風が心地よく、リルドは収穫した籠を背負い、満足げに村を後にした。
帰り道、リルドがのんびりと街道を歩いていると、前方の角から血相を変えた冒険者たちが全力で走ってきた。
「逃げろ! 出たぞ、森の奥にいたはずの『キラータイガー』だ!」
「あんなのDランクの手に負えるわけねぇだろ! 街まで走れ!」
彼らはリルドの横を猛スピードで通り過ぎ、一目散に街の方へと消えていった。
「おや、あんなに急いでどうしたんだろう」
リルドが角を曲がると、そこには黄金色の毛並みを持つ巨大な虎が、低い唸り声を上げて道を塞いでいた。獲物を狙う鋭い眼光がリルドを射抜く。
「……困ったなぁ。そんなところで怖い顔をしてると、せっかくのみかんが酸っぱくなっちゃうよ」
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夕暮れ時、リルドはギルドに戻り、お土産のみかんを受付嬢に手渡した。
「お疲れ様。あ、さっきDランクの人たちが青い顔で帰ってきたけど、何かあった?」
「さあ? でも、道に大きな猫が寝てたから、邪魔にならないように端っこに寄せておいたよ」
リルドは報酬の銅貨を受け取ると、今日のみかんの甘さを思い出しながら、穏やかな家路についた。
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