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17話
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柔らかな日差しがカーテンの隙間から差し込み、リルドはゆっくりと目を覚ました。
「ふぁ……、いい朝だ」
庭に出ると、小さな青い小鳥が枝に止まっている。リルドが「おはよう」と声をかけると、小鳥は嬉しそうに羽を震わせて飛び立ち、彼の指先にちょこんと降り立った。
顔を近づけると、小鳥は羽を膨らませて、リルドの頬に「すりすり」と甘えるように頭を寄せる。
「あはは、くすぐったいよ。元気に行ってくるからね」
小鳥を見送ったリルドは、いつものようにのんびりとギルドへと向かった。
ギルドに着き、掲示板の前でどれにしようかと首を傾げていると、背後から「君、可愛いね」という声が聞こえた。
(誰か女の子でもいるのかな?)と気にせず依頼書を眺めていると、肩をポンと叩かれる。
「……? なんだ、僕のことだったのか」
振り向くと、そこにはナンパな様子の冒険者がいたが、リルドの顔を正面から見るなり「うわっ、なんだ男だったのかよ!」と吐き捨てるように言って、どこかへ行ってしまった。
「……失礼だなぁ。僕は最初から男だよ」
リルドは少しだけ唇を尖らせたが、すぐに新しい依頼に目を輝かせた。
『コボルト農園の畑を手伝ってほしい』。
「これ、面白そうな依頼だなぁ」
依頼書を剥がして受付へ持っていくと、受付嬢がにこやかに笑った。
「はい。コボルト農園のお手伝いね。彼らはとても真面目だし、そこで作られる野菜や果物は格別なのよ。リルドさんなら、きっと彼らとも仲良くなれるわ」
「へぇ、楽しみだ。いってきます」
街の北にある小高い丘。そこがコボルトたちの農園だった。
犬のような顔立ちをしたコボルトたちは、リルドが到着するなり尻尾をちぎれんばかりに振って出迎えてくれた。
「よろしくね、みんな。何から手伝えばいいかな?」
リルドはコボルトたちと一緒に、土を耕し、苗を植えていく。
彼が土に触れると、大地のエネルギーが整い、植物たちが生き生きと葉を伸ばす。陽だまりの中での作業は、リルドにとっても至福の時間だった。
作業が一段落したその時。
一匹の小さなコボルトが、リルドの側へトコトコと寄ってきた。
「くんくん……。人間、お日様のにおいするぅ!」
そう言うなり、コボルトはリルドの腰にしがみつき、あろうことか服の中に手を入れようとしてきた。
「こらあ! だめだよ、何してるの」
「だってぇ! すっごく安心するんだもん。お母さんみたいなんだもん!」
リルドは慌ててコボルトを引き離しながら、困ったように笑った。
「僕は男だよ! お母さんじゃないってば」
「えー! でも、お母さんみたいに温かいよぅ!」
コボルトたちは口々に「お母さん!」「お母さんだ!」とはしゃぎ出し、リルドはすっかり「農園の母(?)」として慕われてしまった。
夕暮れ時、リルドはコボルトたちから貰った瑞々しいトマトやナスを籠に入れ、ギルドへ戻った。
「おかえりなさい。どうだった? コボルトたちは」
「……うん、みんな良い子だったよ。でも、なんだか不思議な呼び方をされちゃった」
リルドは苦笑いしながら報酬を受け取ると、夕焼け空を見上げた。
服にはまだ、コボルトたちが言った「お日様のにおい」が残っているような気がした。
「今夜は、このトマトでスープを作ろう。きっと美味しいぞ」
万年Fランクの毎日は、今日も少しの騒がしさと、溢れるほどの温かさに包まれていた。
「ふぁ……、いい朝だ」
庭に出ると、小さな青い小鳥が枝に止まっている。リルドが「おはよう」と声をかけると、小鳥は嬉しそうに羽を震わせて飛び立ち、彼の指先にちょこんと降り立った。
顔を近づけると、小鳥は羽を膨らませて、リルドの頬に「すりすり」と甘えるように頭を寄せる。
「あはは、くすぐったいよ。元気に行ってくるからね」
小鳥を見送ったリルドは、いつものようにのんびりとギルドへと向かった。
ギルドに着き、掲示板の前でどれにしようかと首を傾げていると、背後から「君、可愛いね」という声が聞こえた。
(誰か女の子でもいるのかな?)と気にせず依頼書を眺めていると、肩をポンと叩かれる。
「……? なんだ、僕のことだったのか」
振り向くと、そこにはナンパな様子の冒険者がいたが、リルドの顔を正面から見るなり「うわっ、なんだ男だったのかよ!」と吐き捨てるように言って、どこかへ行ってしまった。
「……失礼だなぁ。僕は最初から男だよ」
リルドは少しだけ唇を尖らせたが、すぐに新しい依頼に目を輝かせた。
『コボルト農園の畑を手伝ってほしい』。
「これ、面白そうな依頼だなぁ」
依頼書を剥がして受付へ持っていくと、受付嬢がにこやかに笑った。
「はい。コボルト農園のお手伝いね。彼らはとても真面目だし、そこで作られる野菜や果物は格別なのよ。リルドさんなら、きっと彼らとも仲良くなれるわ」
「へぇ、楽しみだ。いってきます」
街の北にある小高い丘。そこがコボルトたちの農園だった。
犬のような顔立ちをしたコボルトたちは、リルドが到着するなり尻尾をちぎれんばかりに振って出迎えてくれた。
「よろしくね、みんな。何から手伝えばいいかな?」
リルドはコボルトたちと一緒に、土を耕し、苗を植えていく。
彼が土に触れると、大地のエネルギーが整い、植物たちが生き生きと葉を伸ばす。陽だまりの中での作業は、リルドにとっても至福の時間だった。
作業が一段落したその時。
一匹の小さなコボルトが、リルドの側へトコトコと寄ってきた。
「くんくん……。人間、お日様のにおいするぅ!」
そう言うなり、コボルトはリルドの腰にしがみつき、あろうことか服の中に手を入れようとしてきた。
「こらあ! だめだよ、何してるの」
「だってぇ! すっごく安心するんだもん。お母さんみたいなんだもん!」
リルドは慌ててコボルトを引き離しながら、困ったように笑った。
「僕は男だよ! お母さんじゃないってば」
「えー! でも、お母さんみたいに温かいよぅ!」
コボルトたちは口々に「お母さん!」「お母さんだ!」とはしゃぎ出し、リルドはすっかり「農園の母(?)」として慕われてしまった。
夕暮れ時、リルドはコボルトたちから貰った瑞々しいトマトやナスを籠に入れ、ギルドへ戻った。
「おかえりなさい。どうだった? コボルトたちは」
「……うん、みんな良い子だったよ。でも、なんだか不思議な呼び方をされちゃった」
リルドは苦笑いしながら報酬を受け取ると、夕焼け空を見上げた。
服にはまだ、コボルトたちが言った「お日様のにおい」が残っているような気がした。
「今夜は、このトマトでスープを作ろう。きっと美味しいぞ」
万年Fランクの毎日は、今日も少しの騒がしさと、溢れるほどの温かさに包まれていた。
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