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第二十九話:騎士リオネル、チョコまみれの大事件
しおりを挟むある晴れた昼下がり、コンビニのドアが勢いよく開いた。鈴の音がけたたましく鳴り響き、騎士リオネルが颯爽と店に入ってきた。しかし、その顔にはいつもの誇らしげな表情はなく、何かを必死に隠そうとするような落ち着きのなさが漂っていた。
「店主!チョコレートバーはどこだ!」
リオネルの鋭い声が店内に響く。後ろで並んでいた魔物たちが「騎士様がチョコレートバーだってよ」とクスクスと囁き合っている。
「リオネルさん、どうしたんですか?あんなに急いで…」
俺は不思議に思いながらも、棚の位置を指差す。リオネルはその場所へダッシュし、何本ものチョコレートバーを掴むとその場で開け始めた。
「おいおい、何してるんだよ!」
俺が声を上げると、リオネルは慌てて振り返り、口の周りにチョコレートをつけたまま言い訳を始める。
「実はさっき、王城で開かれたトレーディングカード大会で負けてしまったんだ。罰ゲームとして、チョコレートバーを一気に食べろって騒がれてな…!」
彼は深いため息をつきつつ、手に持ったチョコバーを一口かじる。
チョコレートバーの奇跡
その時、店内の角からゴブリンのグループが現れた。彼らはリオネルの噂を聞きつけてやってきたようだ。「チョコレートバーの騎士」として知られるリオネルの姿を見て、腹を抱えて笑い始めた。
「おい、リオネルがまたチョコ食ってるぜ!これで三度目じゃないか?」
ゴブリンのリーダーが声を上げると、店内は笑いに包まれた。だがその瞬間、予想外の展開が訪れる。
リオネルが食べていたチョコバーから、なんと魔法の光が放たれたのだ。光は眩しく、まるで店全体を包むかのようだった。魔物たちも騎士たちも、一瞬その場に立ち尽くした。
「おいおい、これは何だ…?!」
リオネルが驚いてチョコバーを見つめる。そこには小さな文字で「魔法効果:幸運」と書かれていた。どうやら、当店の仕入れ担当が特別に取り寄せたレアなチョコレートバーが混じっていたようだ。
魔物たちの反応とリオネルの涙
「すげえ、リオネルが光ってる!」
「さすがだな、チョコの勇者!」
魔物たちが口々に賞賛の声を上げると、リオネルは顔を真っ赤にして叫んだ。
「もういい!俺は二度とチョコレートバーは食べない!」
だが、誰も信じてはいなかった。店内は笑いに包まれ、騎士リオネルの新たな伝説が生まれた日となった。
俺はその光景を見て、思わず笑いを堪えきれず、静かに棚に新しいチョコレートバーを並べ直した。さて、この次はどんなお客様がやってくるのか——このコンビニ経営、やっぱり退屈する暇がない。
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