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第三十八話:脳筋騎士様、登場!
しおりを挟む朝の光が差し込む中、いつものようにコンビニは静かな始まりを迎えていた。常連のスライムやゴブリンたちが並んでおり、今日も賑やかな一日になりそうな予感がする。そんな中、店のドアが勢いよく開き、何やら重い足音と共に誰かが入ってきた。
「どこだ! 魔王討伐用のポーションはどこにある!」
目の前に現れたのは、筋肉隆々で鎧をピカピカに磨いた新顔の騎士。身長は店のドアにギリギリ届きそうなほどで、全身が筋肉の塊だった。彼は周りを見回し、店内を威圧的な声で響かせた。
「ようこそ、コンビニ・ファンタジーへ! ポーションなら奥の棚にありますけど、討伐用って特別なものですか?」
私は控えめに答えたが、騎士は話を聞かず、勢いよく棚の方へ突進していった。
「どれが一番強いんだ? 魔王を一撃で倒せるやつをくれ!」
棚の前で真剣な顔をしてポーションを物色する姿に、他の客たちは思わず距離を取った。見た目通り脳筋のようで、戦闘以外には頭が回らなそうだ。
「えーと…そんな即効性のあるものはないですけど、この『元気モリモリドリンク』は体力が回復するので人気ですよ。」
そう言って手渡したドリンクを見た騎士は、一瞬驚いた顔をし、次の瞬間には満面の笑みを浮かべた。
「おお!こんな便利なものがあるとは!これで魔王もイチコロだな!」
まるで子供のように嬉しそうに笑い、すぐさまカウンターに向かってきた。
「これを100本くれ!支払いは後でな!」
「いやいや、お代は先払いでお願いします!」
さすがに店を潰されかねないので、私は必死に抗議した。すると、彼は苦笑しながら鎧の隙間からコイン袋を取り出した。
「ふむ、冗談だ。持っているぞ!」
結局、騎士は誇らしげに袋を叩きつけて支払いを済ませると、ドリンクを抱えて大満足の様子で店を出て行った。その後ろ姿に、周囲の客たちが拍手を送るような奇妙な光景が広がる。
「脳筋にも常連ができるとは思わなかったな…」
私は呆れながらも、彼がまた来ることを想像して少し笑ってしまった。
その日、店は新たな風を迎え、また一歩賑やかさが増したのだった。
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