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第百三十五話:お客様は魔王様!?
しおりを挟むある晴れた日の午後、コンビニ「魔法堂」に、今まで見たこともないようなお客様がやってきた。その姿は、どこか威厳を感じさせる黒い鎧を身にまとった大きな人物。店内の空気が一気に張り詰める。
店長は気づくと、あまりにも威圧的なその人物に対して心臓が早鐘のように鳴っていたが、冷静を保ちつつ微笑んで応対する。
「いらっしゃいませ! 何かお探しでしょうか?」
その人物がゆっくりと声を発する。「ふむ、噂に聞いたこの店か…」
店長はその声にどこか耳馴染みがあったが、それがどこから聞いた声なのかはすぐには思い出せなかった。魔王でもいそうな風貌だが、まさか…?
「私は『魔王ルガ・デスティニー』だ。」とその人物は名乗った。
店長は思わず眉をひそめ、「…魔王様?」と確認する。
「そうだ。」魔王は堂々とした口調で言い放つ。「この店、非常に評判が良いと聞いて来たのだ。だが…どうにも気になることがある。」
店長は気まずそうに、「あの、何かお困りのことがあれば…」と尋ねる。
「お前の店に置いてある商品は…全て『魔物』仕様なのか?」と魔王はじっと店内の商品を見回しながら言う。
店長は少し考え、「ええ、基本的には魔物や騎士様向けの商品を取り揃えていますが…一部は人間様にも合う商品もございます。」
魔王は納得したように頷き、「それなら良い。」と、ついに本題に入る。「だが、私は他の店で『魔王専用アイテム』がないことに困っているのだ。」
店長はふむ、と唸りながら、「それなら、ちょうど『魔王専用グッズ』コーナーを新設しようと思っていたんですよ。」と、ちらりと目を輝かせる。
その後、魔王は店内を何度も見回しながら、「これだ!」とある商品に手を伸ばす。それは、魔王専用の「邪悪な雰囲気を放つイヤリング」だった。
「これだ、これが欲しかった!」と魔王が高笑いを上げると、店長は少し驚いた。「あの、魔王様、それはただの装飾品ですが…」
「良いではないか! 魔王にふさわしい逸品だ!」と魔王はイヤリングを手に取り、そのまま嬉しそうに店を出て行った。
その後、店長はしばらくぼんやりと店を見回し、呆然として言った。「魔王様が買い物に来るなんて…すごい時代になったなぁ。」
そして、店内の商品ラインナップに「魔王専用アイテム」コーナーが追加されたのであった。
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