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第百七十三話:騎士様、レジ袋に勝負を挑む
しおりを挟むとある日の夕方、コンビニ「ワンダー」はいつも通り賑わっていた。騎士様や魔物たちが行列を作って商品を手にしている。そんな中、常連の騎士ガイ・エルムスは、今日もレジ前で不機嫌な顔をしていた。
「店長!まただ、またこの忌々しいビニール袋だ!」ガイはレジ袋を手に取り、まるで戦うべき敵を見つけたかのような目をしている。
「いやいや、ガイさん。レジ袋は敵じゃなくて、商品を入れるための袋ですよ。そんなに難しいことじゃないですから」と店長はなだめようとするが、ガイは頑として聞かない。
「いや、この袋は勇者の試練だ!毎回この袋を開けるのに、全身全霊を込めねばならんのだ!」と大袈裟に構え始める。彼の隣で並んでいたオーガのおばさんは、呆れ顔で「またやってるのかい?」とつぶやく。
ガイは剣を持つように指先をレジ袋に当て、集中する。周りの客たちも「今度こそ袋を開けるのか?」と興味津々で見守る。ついにはドラゴンの顎のように鋭い爪を持つ魔物まで「ちょっと見せて」と近づいてくる始末。
「ふぅぅ…ここだっ!」ガイが指先を動かすと、ようやく袋が開く。「おおお!」店内が歓声に包まれた。
「やったか!」とガイが喜ぶと同時に、袋は反動で逆に閉じてしまった。
「くっ、レジ袋の二段構え…!」
結局、レジ袋との勝負はその日も引き分けに終わり、ガイは「次こそは勝つ!」と誓いながら去っていった。店内は笑いの渦に包まれたまま、営業は続くのだった。
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