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5話
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彼女は笑いそうになるのを抑えながらクレアの顔を見た。
「ねえクレア、今日はこれから予定とかあるの?」
「ううん、特に無いけど」
「じゃあさ、三人でお茶しない?」
「別にいいけど」
「よし決まり!」
ミリア達は近くの喫茶店に入った。そこでしばらく他愛のない会話をした。ハリスは終始無言であったが時折ミリアのことを見ながら険しい顔をしていた。それに気づいているミリアもあえて彼に話しかけたりはせず、静かに紅茶を飲み続けた。
すると突然、外から爆発音が聞こえてきた。店内にいた客達は慌てて外へ飛び出していった。
「何事だろ」
クレアが不安そうに呟くと、ミリアも立ち上がって窓の外を見ようとした。
「あれは何?」
彼女が目にしたのは、黒い戦闘服を着た集団が街のあちこちを破壊している姿であった。ミリアは咄嵯にクレアの手を握った。彼女もその手を握り返してきた。するとその時、ミリアはある異変に気付いた。
(どうしてこの子がこんなにも怯えてるの? 何か恐ろしいことでも思い出したのかしら)
だが、ミリアが心配することはなかった。なぜならそれは一瞬のことであったからだ。
(あぁ、またこれか。大丈夫。私は絶対に忘れないから)
するとミリア達の目の前から、突如として煙が立ち込めはじめた。
「ゴホッ、ゴホ……。ねぇミリア、私達、一体どうなったの?」
「わからない。だけどきっと私達はもうこの世界の人間ではないわ。ここは、私達が今までいた世界とは別の世界なのかもしれない」
するとその時、どこからか声が聞こえてきた。
「お前達は誰だ? 何故俺の世界にいる? どうやってこの場所を突き止めた?」
ミリアはその声の主を知っていた。そして、彼こそが自分たちをここへ連れてきた張本人であるということも同時に理解した。
***
その頃、聖騎士学園の生徒達は全員避難シェルターへと向かっていた。しかしそこへ辿り着くためには、あの巨大なロボットがいる方角を通らなければならない。
「なあみんな。あいつは本当に俺達を襲ってくるのか?」
「ああ。今はまだ俺たちに興味が無いみたいだからな。今の内に急いで……」
そう言いかけた男子生徒は言葉を詰まらせた。その男子生徒の足元に銃弾が撃ち込まれたからである。男子生徒は腰を抜かし、地面に座り込んでしまった。
「なんだよ……、おい!」
他の生徒たちが驚いてそちらの方を見ると、そこには銃を持った男が立っていた。その男はニヤリと笑って言った。
「お前らはここで死んどけ」
その瞬間、辺り一面に無数の光弾が飛び散った。人々は叫び声をあげながら逃げ惑ったが、すぐに追いつかれて次々と倒れていった。その中にはミリアの父もいた。彼は妻と娘を探すために必死に逃げ回った。しかしその努力虚しく、妻もろとも跡形もなく消し飛ばされてしまった。
(ちくしょう、どうしてこうなるんだ……!)
その光景を目の当たりにしたミリアは父のもとへ向かって走り出した。しかし次の瞬間、彼女の前に例の男が現れた。彼はミリアに向けて再び光弾を放った。そして彼女はそれを剣で受け止めた。激しい衝撃がミリアを襲ったが、なんとか堪えることができた。
「まだ生き残っていた奴がいたとはな。しかもなかなかの実力じゃないか」
「あんたの思い通りにはさせないわよ」
「ほう。お前が俺を止められると思っているのか?」
ミリアは力強く地面を踏みしめて男に斬りかかった。しかし、彼の纏っている鎧に触れた途端にミリアの体が後方に吹き飛んだ。
「ぐぅっ!」
ミリアが壁に叩きつけられると同時に男の拳が彼女を捕らえた。
「弱い、弱すぎるぞ! やはり人間は脆いな」
その一撃で気を失ってしまったミリアはその場に倒れた。そして、その様子を見たハリスは言った。
「なんでそんな女のために命を懸けるんですか!? そいつはただのお嬢様ですよ!?」
「そうだとしても、俺はこいつを信じることにした。お前も早く逃げた方がいいぜ」
「ねえクレア、今日はこれから予定とかあるの?」
「ううん、特に無いけど」
「じゃあさ、三人でお茶しない?」
「別にいいけど」
「よし決まり!」
ミリア達は近くの喫茶店に入った。そこでしばらく他愛のない会話をした。ハリスは終始無言であったが時折ミリアのことを見ながら険しい顔をしていた。それに気づいているミリアもあえて彼に話しかけたりはせず、静かに紅茶を飲み続けた。
すると突然、外から爆発音が聞こえてきた。店内にいた客達は慌てて外へ飛び出していった。
「何事だろ」
クレアが不安そうに呟くと、ミリアも立ち上がって窓の外を見ようとした。
「あれは何?」
彼女が目にしたのは、黒い戦闘服を着た集団が街のあちこちを破壊している姿であった。ミリアは咄嵯にクレアの手を握った。彼女もその手を握り返してきた。するとその時、ミリアはある異変に気付いた。
(どうしてこの子がこんなにも怯えてるの? 何か恐ろしいことでも思い出したのかしら)
だが、ミリアが心配することはなかった。なぜならそれは一瞬のことであったからだ。
(あぁ、またこれか。大丈夫。私は絶対に忘れないから)
するとミリア達の目の前から、突如として煙が立ち込めはじめた。
「ゴホッ、ゴホ……。ねぇミリア、私達、一体どうなったの?」
「わからない。だけどきっと私達はもうこの世界の人間ではないわ。ここは、私達が今までいた世界とは別の世界なのかもしれない」
するとその時、どこからか声が聞こえてきた。
「お前達は誰だ? 何故俺の世界にいる? どうやってこの場所を突き止めた?」
ミリアはその声の主を知っていた。そして、彼こそが自分たちをここへ連れてきた張本人であるということも同時に理解した。
***
その頃、聖騎士学園の生徒達は全員避難シェルターへと向かっていた。しかしそこへ辿り着くためには、あの巨大なロボットがいる方角を通らなければならない。
「なあみんな。あいつは本当に俺達を襲ってくるのか?」
「ああ。今はまだ俺たちに興味が無いみたいだからな。今の内に急いで……」
そう言いかけた男子生徒は言葉を詰まらせた。その男子生徒の足元に銃弾が撃ち込まれたからである。男子生徒は腰を抜かし、地面に座り込んでしまった。
「なんだよ……、おい!」
他の生徒たちが驚いてそちらの方を見ると、そこには銃を持った男が立っていた。その男はニヤリと笑って言った。
「お前らはここで死んどけ」
その瞬間、辺り一面に無数の光弾が飛び散った。人々は叫び声をあげながら逃げ惑ったが、すぐに追いつかれて次々と倒れていった。その中にはミリアの父もいた。彼は妻と娘を探すために必死に逃げ回った。しかしその努力虚しく、妻もろとも跡形もなく消し飛ばされてしまった。
(ちくしょう、どうしてこうなるんだ……!)
その光景を目の当たりにしたミリアは父のもとへ向かって走り出した。しかし次の瞬間、彼女の前に例の男が現れた。彼はミリアに向けて再び光弾を放った。そして彼女はそれを剣で受け止めた。激しい衝撃がミリアを襲ったが、なんとか堪えることができた。
「まだ生き残っていた奴がいたとはな。しかもなかなかの実力じゃないか」
「あんたの思い通りにはさせないわよ」
「ほう。お前が俺を止められると思っているのか?」
ミリアは力強く地面を踏みしめて男に斬りかかった。しかし、彼の纏っている鎧に触れた途端にミリアの体が後方に吹き飛んだ。
「ぐぅっ!」
ミリアが壁に叩きつけられると同時に男の拳が彼女を捕らえた。
「弱い、弱すぎるぞ! やはり人間は脆いな」
その一撃で気を失ってしまったミリアはその場に倒れた。そして、その様子を見たハリスは言った。
「なんでそんな女のために命を懸けるんですか!? そいつはただのお嬢様ですよ!?」
「そうだとしても、俺はこいつを信じることにした。お前も早く逃げた方がいいぜ」
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