異世界でラブコメしたりギルド登録したり別の人になったり!?

みなと劉

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9話

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それから二人は屋敷へ戻るとベッドに潜り込む。
お互いの距離は近かったものの、何とか落ち着くことができた。
そしてクレアはすぐに眠りについてしまった。だが、ミリアだけは眠ることができなかった。
なぜなら、今自分が見ている光景が現実なのか分からなかったからだ。そしてミリアは再び夢を見ているのではないかと思うようになっていた。
「ミリア……」
「ん……?」
すると彼女はゆっくりと目を開いて、こう呟く。
「大好きだよ……」
「私も……」
その言葉を聞いたミリアの目からは一筋の水滴が流れ落ちる。そして彼女の口から発せられた声はわずかに震えていた。
(これは、私が望んでいる夢の続き。この夢の中でだけ私は素直になることができる)
ミリアは心の底から湧き上がる感情を抑えられなかった。
その感情は抑えることが困難なほど大きくなっていた。
「私もクレアのこと、大好きだよ……」
ミリアの言葉は静かな部屋に響き渡る。
「私も、クレアのこと愛してる」
ミリアはさらに続ける。その言葉を聞いているうちにクレアの目に涙が浮かぶ。そしてその涙は静かに頬を伝う。
「ありがとう、嬉しいな」
そう言いながらクレアは涙を流す。その姿はとても美しかった。
「ねえ、キスしてもいい?」
ミリアはそう尋ねたが返事はなかった。しかし、代わりに彼女が顔を近づけてきて、やがて二人の唇が重なる。それは長い長い接吻だった。
やがて、お互いの唇が離れるとクレアは小さな声で囁く。
「ミリア、お願いがあるの」
「どうしたの?」
ミリアが聞き返すとクレアは照れくさそうな表情をしながら言った。
「これから先、私にはミリアが必要です。だからずっとそばにいて下さい」
ミリアは何も答えず、ただ黙って彼女のことを抱き締めた。
その答えに満足したのか、彼女もまたミリアのことを強く抱き返した。
「はい、喜んで」
ミリアは笑顔を浮かべてそう言った。
その笑顔を見てクレアの胸は高鳴っていた。
その日の夜、ミリアは不思議な夢を見た。そこはどこか懐かしさを感じる場所で自分は誰かを探している。しかし周りには人影はない。
(ここ、どこなんだろう?)
その時、どこかから自分を呼ぶ声が聞こえてきた。それは幼い女の子の声だった。しかしその姿はどこにもなかった。
(誰なの……?)
その疑問に対して返ってきたのはまたもや謎の少女からの言葉だった。
その言葉をミリアは頭の中で反すうする。そして、あることに気がついた。
その瞬間、ミリアの脳裏に様々な記憶が蘇ってくる。
(そうだ、私はあの時誓ったんだ。もう一度会えた時に名前を教えるって……。でもまさか、それがあなただったなんてね……)
そう思うと同時に彼女は理解していた。あの時の少女は、目の前にいるクレア・フローラルトという人間だということを……。そして、その正体が自分の最愛の人であるということを……
「おはよう、ミリア」
「おはよう……」
朝になり目を覚ました二人はすぐに朝の挨拶を交わした。昨晩の出来事のせいで寝不足だったためかミリアはあくびをする。そんな姿を見ていたクレアは苦笑いをしていた。そしてしばらく沈黙が続いた後、再びクレアの方を見るとそこには彼女の姿はなく、自分のことを抱きしめているクレアの姿があった。
「えっ、ちょっ、いきなり何を!?」
突然の状況に対応できなかったミリアが困惑する。
するとクレアは真剣な眼差しで見つめてくる。
「私ね、もう二度と大切なものを失いたくないの……」
「うん……」
「絶対に離さない……」
「わかったよ……」
それからしばらくの間、彼女は優しく自分のことを包み込んでいた。まるでその腕の中にミリアがいることを確かめるかのように。そして、その時間は幸せそのものに感じられた。
「ミリア……」
「ん……?」
クレアは少し間を開けてから、はっきりとした口調で告げる。
「大好きだよ」
「私も、大好き」
こうしてミリアとクレアは結ばれた。
その後、二人はお互いの気持ちを理解し合ったことで晴れて恋人同士になったのであった。
「ミリア~!」
クレアはそう言ってミリアに抱きつくと、頬をすり寄せる。
二人は朝食を取るために食堂に向かっていた。
するとそこへギルバートが現れた。
彼は二人に向かって軽く手を上げる。
「お、ミリアちゃんじゃないか。クレアとはうまくいったみたいだな」
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