異世界でラブコメしたりギルド登録したり別の人になったり!?

みなと劉

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24話

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ステラが了承したことで偽名が決まった。
それから二人は情報収集を再開した。
しかし結局のところ、これといった有力な手がかりは得られなかったのである。

***
翌日。
アルフレッドは再び学園に来ていた。今日も調査を行うため、昨日と同様に学園内を見て回ることにしたのだ。
「よし、まずは生徒会室に行ってみるか」
彼が生徒会室の前まで来ると、扉の前で立ち止まる。
なぜなら中には人がいる気配があったからだ。
アルフレッドは耳を澄ませ、中の様子を探ることにした。
「――ということなのでよろしくお願いいたします」
女性と思われる人物の言葉が聞こえた。
(誰かいるのか?)
アルフレッドは中を覗いてみようと思ったが、それは止めた。
なぜなら相手が誰なのか気になり、もし知っている人物であった場合、警戒されてしまう可能性があるからである。
「かしこまりました。それで例のものはいつまでに必要なのですか?」
「できれば明日の放課後までにお願いします」
「了解いたしました」
(ん、これはまさか……)
ここでアルフレッドは嫌な予感がしていた。
だがすぐに思い直す。
(いやいや、そんなことはないだろう。きっと人違いだ)
そして、すぐに別の場所へと向かうことにした。

***
その頃、ミリアは一人で教室へと向かっていた。そして歩いていると、廊下の向こう側からある人物を見つける。その相手とはアルフレットだった。彼はミリアを見つけると近寄ってくる。その顔はとても険しい。
ミリアは少し戸惑った表情をした。
(もしかして何か問題でもあったのかしら?……って今はそんなことを考えている暇はない。早く行かないと)
彼女は早足でその場を離れようとした。だが、その前に呼び止められてしまう。
「おい、待ってくれ!」
ミリアは振り返り、彼の方を見る。そして不思議そうに首を傾げた。
「私に何か用でしょうか?」
「お前、アルフレッドのことは知ってるのか?」
彼はいきなりそう尋ねてくる。
しかしミリアはそれに答えることができなかった。というのも、彼女の中ではアルフレッドという人物が何者なのか分かっていなかったからである。そのため彼女は黙り込むしかなかった。
すると、それを見かねたアルフレッドが口を開く。
「やっぱり知らないんだな」
「申し訳ございません」
ミリアは素直に謝った。
「それであいつは今どこにいるか分かるか?」
アルフレッドはミリアにそう尋ねた。
「確か今日もどこかへ行っていました」
「そうなのか。どこに行くとか言ってなかったか?」
「特には聞いておりません」
「そうか」
ミリアが正直に答えると、アルフレッドはすぐに諦める。
しかしすぐに気を取り直し、再び質問を始めた。
「そういえば、ミリアさん。昨日、君が言っていた事件について教えてくれないか?」
「それは……どうしてですか?」
ミリアは困惑した様子を見せる。そして聞き返した。しかしアルフレッドは彼女の問いには答えず話を続ける。
「俺達、生徒会は学園の治安を守る立場にある。だから犯人が捕まるまでは不安なのだ。それに事件が解決すれば安心して生活することができるようになる」
そこでアルフレッドはあることを思い出した。それは以前、彼女が話してくれた内容についてである。
『実はこの国にも悪い人達がいるのです』
彼女は確かにそう語っていた。そのことをアルフレッドは思い出したのだ。
するとミリアも彼の言いたいことが何となくわかった。彼女は軽くため息をつく。そして少しだけ話してあげることにした。
「分かりました。でも、本当に詳しいことは何も分かっていないのであまり期待しないでくださいね」
「それで構わない。話してくれ」
「はい。私が聞いた話では被害者達は学園の生徒に呼び出された後に行方不明になっているそうです」
「つまり生徒達が関わっている可能性が高いということだな」
「そうなりますね」
アルフレッドが言うと、ミリアは肯定する。
すると彼は考え込み始めた。どうしたら事件を解決できるのかと考えているようだ。しかしすぐに別の疑問を口に出す。
「それにしてもなぜこの国で事件が起こったんだろう?」
「この国は平和ですから、そういったことに飢えていたんでしょうね」
ミリアはあっさりと答えた。するとアルフレッドも納得する。
「なるほど、それで他国なら事件が起きやすいと思ってこの国にやって来たわけか」
「そういうことです」
「しかしどうしてこの国にきたのが分かったんだ?」
アルフレッドが聞く。すると、彼女は呆れた表情を浮かべた。
「それはあなた達が学園を乗っ取ろうとしているからですよ。そのためにこの国の学生になりすまそうと企んでいるからでしょう」
「そこまでお見通しというわけか。やはり凄いな君は」
アルフレッドは感心していた。そして、ミリアは苦笑いをすると、こう話す。
「いえ、そんなことはありませんよ。私は偶然気付いただけです」
「それでも普通なら気付かないだろう。ところでミリアさん、この国の学生のふりをするためにはどうすればいいと思う? 何か良い案があれば参考にしたい」
アルフレッドがそう尋ねると、ミリアは真剣な眼差しになる。
そして数秒後、答えた。
「それなら私達の学園に編入するのが一番だと思います。制服さえあれば簡単にできますし」
「分かった。ありがとう。これからすぐに生徒会のみんなと相談してみることにする。じゃあ、また今度話を聞かせてもらうかもしれない。その時はよろしく頼む」
アルフレッドは礼を言うと、ミリアと別れる。
(まさかこんな近くに手がかりがあったとはな。よし早速、戻ってこのことを報告するか)

***
その頃、アルフレッドは学園長室にいた。
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