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74話

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(まずい……これは流石にもし死んでたら、 絶対にアイツがキレ…….そうじゃなくても心配してくる……
そうなったらとてつもなくウザイだろうな……
だが今の俺でも、あの女神が言ってたことを信じられるか?
……そうだ なら……信じ……られねぇ……じゃあ……信じる……訳ないだ……ろ……それに……まだ……生きてたいしな……)
そこで真司が見たものは今まで真司にとって信じられなかった
ものばかりだったのかもしれない
自分が死を悟ってしまいそうになった時に
自分を助けようとしてくれている存在がいたということだけでも、彼にとっては凄くうれしかったことだから
この気持ちがあったからこそ彼(真司)は最後まで自分の力を使うことができたというのもあるが。
それを知る者は誰もいない。
なぜなら真司本人も知らないから、この先知ることもないであろう この力を知ってしまったことで起こる出来事や、彼の周りの環境の変化などを……。
~次の日の朝~
目が覚めた俺がベッドの上で考えていたことは一つ これから自分は何をすべきかだ そもそもこの世界にきた理由が、 妹を守ること
らしいのでその為にも俺は生きなければならない
(つまり生きるために必要なものは全て必要、ということか?)
と考え、ふとあることに気づく
「そういえば俺、昨日風呂に入らなかったような……うん、考えないようにしよう!だって俺18歳だし だからセフr……」
(お兄ちゃんキモっ!!何言いだすかと思えば18歳で変態とかどんだけ頭おかしいんだろう?)
などと妹の冷たい目線を受けながらもなんとかその場を取り繕うとしたところ(無理矢理だが仕方ないだろう?)
扉の方からもぞもぞと誰かが出て来る音が聞こえる
(誰だこんな朝っぱらからのんきに人の家の中に侵入しようとして来た野郎は。
よし殺す!今すぐにな!←お前は殺人鬼になるのか?)
などと考えているうちに音の主が姿を現す
現れたその姿は女神の姿だった
彼女は真奈ではない
なぜ彼女ではなく女神なの?
と思う方がいるかもしれないが今は気にしないでほしい
決して彼女の方が出番的に少なかったと嘆いている訳ではない
断じてない!
きっと。
ともかく真司はまだ状況を全く理解できていない
(どうなっているんだ?俺は確か異界に来ていたはず、そしてあの時助けてくれた人物の顔を見た時にある疑問を抱くはずだった筈なんだが何故か忘れちまった。)
(しかしここで一番問題なのはどうしてあそこからあの女が出て来たかということだ……あれ、なんか寒気がしてきたのだが気のせいだよ……ね?)
まあいいとりあえず質問するか。
よし言うぞ。
さぁいざ参る。
「おはようございます、天宮様 今日も1日目がいいお天気になりそうですよね。あっところでいきなりなんですけど、もしかしてなんだけど貴方の考えてること当てましょうか?」
と言って微笑む
(は?)
と真顔で言う
続けて彼女が喋りはじめる。
真「えー、もしかしてとは思いますが私が神様だということについてお疑いになっていませんかー?」
とまるで考えていることがわかっているかのような発言をする
そして更に続けてこう言った
「実は私 、 あなたのいた世界を管理している神の1人なのです!
因みに名前はミラと言いまして」
などと言ったのを聞き終わるよりも早く真司は
神に対して怒涛の反論を繰り広げていた それを遮りながらさらに続ける。
彼女の話を聞く限りでは、やはり真治の考えていることが正しいようだ。
どうやら彼は異世界に行ってしまったらしい。
それもどう見ても現代とは全く別物の世界へ。
そして彼が元いた世界の時間では、ちょうど彼が失踪してから5ヶ月が経過しようとしているらしい。
真『ってことは俺はもう既に死んでしまっているということになるのだろうか?そしてこいつは一体どうすれば俺のことを元の場所に戻せると言うのだろう?』
と思っていたその時。
真治の頭に突如激痛と眩しい光が訪れる。
真治が気絶しているうちにどうやらいつのまにやらのんびりと話を進めてしまっていたみたいで、 その証拠にほんの数秒前までいた場所には、誰も居なくなってしまっていた……
それからしばらくしてようやく目を覚ました彼はあることに気づいた
それは、なんとも不思議な感覚であった いつものように学校に登校しようとしてドアを開けた瞬間突然視界が歪み始めてしまったのだ 最初は何が起こったのかわからずパニックに陥っていたが落ち着いて冷静になった時にはもうすでに何も見えなくなっていた……
そうして次に気づいたときには真っ白な空間の中にいて真司が立っている所からは、かなり離れたところには見覚えのある人が立っていた。
(おい嘘だろ?まさか……そんな訳……)
と思いながらも少しずつ足を進めていく。すると向こうもこちらに気づいて走り寄ってくる。
(なんであいつがここに?そんなわけがない、だがもしそうなのだとしたら……?)
どんどん近づいてくる距離
だが、その距離は一向に縮まる気配はない なぜなら
相手は走っているからだ だが真悟はそれでも諦めることなく追いかけた そして遂に追いつき、手が届くところまで近づいた瞬間思わず声を上げてしまった
何故ならそこには彼が求めていたものがそこにあったからなのだ
(おいマジかよ……これじゃ俺がバカみたいじゃないか!それにしても相変わらずこいつはかなりの美少女だぜ でも、 これで少しはこの現実を受け入れることができそうだな、でも俺の頭がおかしい訳じゃないんだったら……まさか……)
と真悟が思っていた時にふと横を見ると先ほどまでは確かにいなかったはずの少女がいた
(まじですか!?)
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