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92話
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しばらくしてリリアが落ち着くと、僕たちは魔王城の最上階にいる魔王を倒す為に向かった。そこには1人の女の子がいた。
その子は無表情のままこっちに向かって歩いてきた。
(この子は魔王じゃないのか?)
すると、その少女が話しかけてきた。
「あなた達が勇者ね」
僕は戸惑いながらも言葉を返した。
「君は誰だい?」
「私の名前はルナ」
僕はその名を聞いてハッとした。その名前は魔族のトップの名だったからだ。
(まさか魔王なのか?)
僕はリリアの方を見ると、リリアも動揺しているように見えた。
僕は少しだけ後ろに下がると、ルナと名乗った魔王はこちらに向かって歩いてくる。僕たちが逃げようとすると僕の腕が掴まれた。振り返るとリリアの腕が僕を引き止めたのだ。
(これは戦うしかないってことだよね)
僕は覚悟を決めて剣を抜いた。そしてそのまま斬りかかったが、相手はそれを簡単に受け止めてしまった。
僕は力を込めて押し込もうとしたが、全く動く気配がなかった。そして逆に弾き飛ばされてしまう。
そして次の瞬間、僕は腹を殴られて気を失ってしまった。
「優斗!!」
僕の体は勝手に動き出す。僕はそれに抵抗することができずに身を任せることにした。
~~~~~~~
~零side~
「おい、お前は本当に魔王なのか?」
「はい。私は魔王ですよ」
「魔王ならなぜ俺達を攻撃するんだ?理由を教えてくれ」
「それは……あなたの力が欲しいからです。だから大人しくしてください」
「ふざけんな!」
「ふざけてませんよ。大真面目ですよ。でも大丈夫ですよ。あなたを傷つけることはありませんから。ただ一緒に来て頂くだけです。それに悪い話ではないと思いますが」
「それでも俺は行かないぞ!俺には大切な仲間がいるんだ!あいつらを置いて俺だけが幸せになるなんて出来ない!」
俺が怒鳴るように答えると、突然リリアの体が光に包まれた。そして光が収まるとそこにいたのは1人の女性だった。
~~~~~~~
~零side~
目の前の人物がリリアであるとすぐにわかったが、なぜかいつものリリアとは違っているように感じた。その姿は、美しいというより、可愛らしいといった方が適切なような容姿をしていた。
(一体なにが起きたんだ?それにこの感覚はなんなんだ?)
俺が考えている間に、いつの間にかリリアは目の前の少女と話をしていた。そして、その会話が終わると2人とも驚いた顔をしながら俺の方を向いて来た。
(あれ?これ俺のせいか?)
俺は嫌な予感しかしなかった。するとリリアは嬉しそうな顔をして近づいてきて抱きついてきた。そしてそのまま口を開いた。
「零!やった!成功だよ!私、人間になっちゃった!これでずっと一緒だね!嬉しい!大好き!もう離さないから!絶対に誰にも渡さない!零!私のものだ!零!愛してる!零!零!零!好き!好きだ!大好き!愛してる!零!零!れーい!零!れーい!零!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れい!れい!れい!れい」
リリアは壊れてしまった。
「やめろ……やめて……」
リリアは狂ったように俺の名前を繰り返しながら叫び続けている。すると今度は少女の体も光だした。そしてその光景を見ていたリリアの動きがピタッと止まった。その目は虚空を見つめており、完全に自我を失ったようだった。
やがてリリアの身体は再び変化していき、先程の女性のようになってしまった。
(これはどういう状況なんだ?……)
そう思っていると、女性が話しかけてきた。しかしその声はとても弱々しく今にも消えてしまいそうだった。
「あのね、零さん……私のこと覚えていますか?」
「い、いや、思い出せないんだ……」
「やっぱり……そうだと思ったんです……だって私の事忘れちゃってましたもんね。……ごめんなさい。私のせいでこんなことになってしまって……全部私がいけないんです……私の心が弱いばかりに……私……零さんと離れたくなくて……このままだと他の人に奪われると思って……それで……私の心と零さんの心の繋がりを強めて……それで……こんなことに……本当にすみませんでした。私のことを許さなくてもいいです。憎んでくれてもいいです。嫌いになっても構いません。それでも私は……あなたと一緒に過ごしたかった……それだけが願いでした。……こんな形で……零さんを縛って……こんなことしかできない自分が……大っ嫌い……零さん……ごめんなさい……愛しています……」
そう言い残して女性は息を引き取った。
俺の心に深い傷を残して……。
「あぁ……ああ……うわぁぁああ!!!」
俺はその場に崩れ落ちた。俺は何も守れなかった。その事が重く圧し掛かり胸の奥底から悲しみが込み上げてくる。俺はしばらくその場から動けずに泣き続けた。
~~~~~~~
「勇者殿。大丈夫ですか?」
「勇者様。お加減が悪いのですか?」
僕は目を覚ますと心配そうな表情をした兵士達が僕を取り囲んでいた。僕は周りを確認してから、自分の体が元に戻っていることに気づいた。そして僕が起き上がると兵士は皆安心していた。
僕はこの光景を見て違和感を覚えた。
そしてすぐに気がついた。僕の記憶はリリアとの別れのところで止まっていたのだ。
(まさか僕が寝ている間もリリアが戦ってくれていたのか?)
僕はすぐにリリアの方を見ると、そこには僕がよく知っているリリアの姿があった。そして僕を見つけるとこちらへ歩いてきた。そして僕が見ていることに気づくとニコッと微笑みかけてきた。僕はその笑顔に心を打たれてまた泣いてしまった。
「よかった……戻ってきてくれてありがとう。リリア」
「私こそ助けてくれてありがとね。優斗。大好き!」
僕はその言葉を聞くと、嬉しさのあまり涙を流してしまった。そして僕達は強く抱き締め合った。
(いや……おかしいだろ……僕はリリアとは接点もない……零くんが僕の恋人で伴侶だ)
「おかしいだろ!!!」
僕が叫ぶと空間が歪んだ。
そしてそこから現れたのは魔王だった。魔王はその姿を見てとても不機嫌な様子だった。
「おいおい、感動的な場面じゃねぇかよ。お前らも少しくらい空気読めよな……」
そして魔王は剣を抜き、一瞬のうちに僕の懐に入り込んだ。僕はすぐに対応しようとしたが全く体が動かなかった。そして腹部に強い衝撃を受けたあとに吹き飛ばされた。
そして、今度は零くんが
「優斗!大丈夫か?……立てるか?」
と手を差し伸べてくれたが、やはり体の自由がきかないようでその場で倒れた。すると魔王が零の体を持ち上げ、そのまま壁に投げつけた。そして零の体の上に馬乗りになり、何度も殴り始めた。零は抵抗しようとして腕を振り回したが、力が入らなかった。それどころか振り回した勢いで倒れ込んでしまい、より深くダメージを受けることになった。
「やめて!やめて!やめて!?零くんに何もしないで!」
光が出る。
(零くんを助けられるなら僕は何にでもなる!)
光が強くなる。
僕は神の力を再び手にした。
(小此木優斗……は……僕は!……神の力を……ゼクス様とエリシキル様の力を受け継いだ!)
「いまこそ!零くんを守る勇者になる!」
神々しい光が辺り一面を包み込む。
光から出てきたのは先程までとは明らかに違う姿になった少年だった。その姿はまさに勇者と呼ぶに相応しいものだった。しかし、そこに立っていたのは光ではなく闇だった。漆黒の髪は黒く輝きその瞳は血のような赤に染まり、纏っている服も禍々しく黒いオーラを纏ったようだった。
そして、その闇の中に一閃の光に満ちたその者は
「僕は、小此木優斗!……ゼクスとエリシキル様の力を受け継いだ……勇者シルエルティだ!」
そう名乗った瞬間。彼は既に行動を開始していた。
魔王は目の前に現れた男から異常な力を感じ取り距離をとった。
「お前が新しい勇者ってわけか……面白い。いいぜ!俺も本気を出すとするか……」
そして勇者小此木優斗(シルエルティ)と魔王クシャラドとの戦いが始まった。
~~~~~~~
シルエルティは光速に近い速度で移動し、魔剣を振るった。すると魔剣は魔王の肩を切り落とした。魔王の体から赤い液体が流れ出す。すると今度は魔王が攻撃を仕掛ける。すると、まるで時が止まったように全ての動きが停止した。そしてその止まった時間の中でシルエルティは魔剣で攻撃を放った。しかしその攻撃は全て空を切ることになった。その後すぐに時は進みだし、シルエルティの攻撃が再び魔王を襲う。だが魔王には効いていないように見えた。そこでシルエルティは考えた。
「もしかしたらこの世界の人達の感情を利用して自分の肉体に戻ろうとしているのか……ならば……それを利用するまでのこと……」
シルエルティは自分の体の中の2つの意識があることに気づく。
一つは自分の中にあるゼクスの意識であり、もう一つがエリシキルの意識であることに気づいた。
(僕はまだ完全に神様の力を取り戻した訳では無いみたいだ。だからまだ完全にコントロール出来てはいないようだ。だけどこれを使えばきっとできるはず!やってみる価値はある!)
「さあ!目覚めろ!我が心の片割れ達よ!」
すると自分の中にあった意識が強くなった気がした。そしてシルエルティが叫んだ。
「顕現せよ!我が同胞たちよ!」
すると突然、自分の心の中にいる何かの存在を強く感じた。そして、それと同時に体が熱くなり始めるのを感じた。自分の体を見てみると自分の体が淡く光を放ち始めていた。すると自分の中にいた存在が徐々に姿を現す。
まず最初に出てきたのがリリアの分身のようなものが出てきた。そして次に出てくるものは……。
「な、なんだこれは!う、嘘だろう……」
(な、なんということだ……僕の心の中にはもう一人僕がいるだと?……しかも、こいつは完全に覚醒してやがる……)
「おい……どういう事だ?」
「僕が聞きたいくらいだよ……でも今はこいつに勝つことが最優先だね。……君にも協力してもらうけど良いよね?」
「まぁいい。……あいつを倒すためだ。協力してやるよ」
「助かるよ。それじゃあ始めようか……」
僕は剣を構え直すと魔王目掛けて突進する。
「おい!シルエルティ!無闇に突進するもんじゃない!」
「優斗!大丈夫だ」
「ほんとか?」
その子は無表情のままこっちに向かって歩いてきた。
(この子は魔王じゃないのか?)
すると、その少女が話しかけてきた。
「あなた達が勇者ね」
僕は戸惑いながらも言葉を返した。
「君は誰だい?」
「私の名前はルナ」
僕はその名を聞いてハッとした。その名前は魔族のトップの名だったからだ。
(まさか魔王なのか?)
僕はリリアの方を見ると、リリアも動揺しているように見えた。
僕は少しだけ後ろに下がると、ルナと名乗った魔王はこちらに向かって歩いてくる。僕たちが逃げようとすると僕の腕が掴まれた。振り返るとリリアの腕が僕を引き止めたのだ。
(これは戦うしかないってことだよね)
僕は覚悟を決めて剣を抜いた。そしてそのまま斬りかかったが、相手はそれを簡単に受け止めてしまった。
僕は力を込めて押し込もうとしたが、全く動く気配がなかった。そして逆に弾き飛ばされてしまう。
そして次の瞬間、僕は腹を殴られて気を失ってしまった。
「優斗!!」
僕の体は勝手に動き出す。僕はそれに抵抗することができずに身を任せることにした。
~~~~~~~
~零side~
「おい、お前は本当に魔王なのか?」
「はい。私は魔王ですよ」
「魔王ならなぜ俺達を攻撃するんだ?理由を教えてくれ」
「それは……あなたの力が欲しいからです。だから大人しくしてください」
「ふざけんな!」
「ふざけてませんよ。大真面目ですよ。でも大丈夫ですよ。あなたを傷つけることはありませんから。ただ一緒に来て頂くだけです。それに悪い話ではないと思いますが」
「それでも俺は行かないぞ!俺には大切な仲間がいるんだ!あいつらを置いて俺だけが幸せになるなんて出来ない!」
俺が怒鳴るように答えると、突然リリアの体が光に包まれた。そして光が収まるとそこにいたのは1人の女性だった。
~~~~~~~
~零side~
目の前の人物がリリアであるとすぐにわかったが、なぜかいつものリリアとは違っているように感じた。その姿は、美しいというより、可愛らしいといった方が適切なような容姿をしていた。
(一体なにが起きたんだ?それにこの感覚はなんなんだ?)
俺が考えている間に、いつの間にかリリアは目の前の少女と話をしていた。そして、その会話が終わると2人とも驚いた顔をしながら俺の方を向いて来た。
(あれ?これ俺のせいか?)
俺は嫌な予感しかしなかった。するとリリアは嬉しそうな顔をして近づいてきて抱きついてきた。そしてそのまま口を開いた。
「零!やった!成功だよ!私、人間になっちゃった!これでずっと一緒だね!嬉しい!大好き!もう離さないから!絶対に誰にも渡さない!零!私のものだ!零!愛してる!零!零!零!好き!好きだ!大好き!愛してる!零!零!れーい!零!れーい!零!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れーい!れい!れい!れい!れい」
リリアは壊れてしまった。
「やめろ……やめて……」
リリアは狂ったように俺の名前を繰り返しながら叫び続けている。すると今度は少女の体も光だした。そしてその光景を見ていたリリアの動きがピタッと止まった。その目は虚空を見つめており、完全に自我を失ったようだった。
やがてリリアの身体は再び変化していき、先程の女性のようになってしまった。
(これはどういう状況なんだ?……)
そう思っていると、女性が話しかけてきた。しかしその声はとても弱々しく今にも消えてしまいそうだった。
「あのね、零さん……私のこと覚えていますか?」
「い、いや、思い出せないんだ……」
「やっぱり……そうだと思ったんです……だって私の事忘れちゃってましたもんね。……ごめんなさい。私のせいでこんなことになってしまって……全部私がいけないんです……私の心が弱いばかりに……私……零さんと離れたくなくて……このままだと他の人に奪われると思って……それで……私の心と零さんの心の繋がりを強めて……それで……こんなことに……本当にすみませんでした。私のことを許さなくてもいいです。憎んでくれてもいいです。嫌いになっても構いません。それでも私は……あなたと一緒に過ごしたかった……それだけが願いでした。……こんな形で……零さんを縛って……こんなことしかできない自分が……大っ嫌い……零さん……ごめんなさい……愛しています……」
そう言い残して女性は息を引き取った。
俺の心に深い傷を残して……。
「あぁ……ああ……うわぁぁああ!!!」
俺はその場に崩れ落ちた。俺は何も守れなかった。その事が重く圧し掛かり胸の奥底から悲しみが込み上げてくる。俺はしばらくその場から動けずに泣き続けた。
~~~~~~~
「勇者殿。大丈夫ですか?」
「勇者様。お加減が悪いのですか?」
僕は目を覚ますと心配そうな表情をした兵士達が僕を取り囲んでいた。僕は周りを確認してから、自分の体が元に戻っていることに気づいた。そして僕が起き上がると兵士は皆安心していた。
僕はこの光景を見て違和感を覚えた。
そしてすぐに気がついた。僕の記憶はリリアとの別れのところで止まっていたのだ。
(まさか僕が寝ている間もリリアが戦ってくれていたのか?)
僕はすぐにリリアの方を見ると、そこには僕がよく知っているリリアの姿があった。そして僕を見つけるとこちらへ歩いてきた。そして僕が見ていることに気づくとニコッと微笑みかけてきた。僕はその笑顔に心を打たれてまた泣いてしまった。
「よかった……戻ってきてくれてありがとう。リリア」
「私こそ助けてくれてありがとね。優斗。大好き!」
僕はその言葉を聞くと、嬉しさのあまり涙を流してしまった。そして僕達は強く抱き締め合った。
(いや……おかしいだろ……僕はリリアとは接点もない……零くんが僕の恋人で伴侶だ)
「おかしいだろ!!!」
僕が叫ぶと空間が歪んだ。
そしてそこから現れたのは魔王だった。魔王はその姿を見てとても不機嫌な様子だった。
「おいおい、感動的な場面じゃねぇかよ。お前らも少しくらい空気読めよな……」
そして魔王は剣を抜き、一瞬のうちに僕の懐に入り込んだ。僕はすぐに対応しようとしたが全く体が動かなかった。そして腹部に強い衝撃を受けたあとに吹き飛ばされた。
そして、今度は零くんが
「優斗!大丈夫か?……立てるか?」
と手を差し伸べてくれたが、やはり体の自由がきかないようでその場で倒れた。すると魔王が零の体を持ち上げ、そのまま壁に投げつけた。そして零の体の上に馬乗りになり、何度も殴り始めた。零は抵抗しようとして腕を振り回したが、力が入らなかった。それどころか振り回した勢いで倒れ込んでしまい、より深くダメージを受けることになった。
「やめて!やめて!やめて!?零くんに何もしないで!」
光が出る。
(零くんを助けられるなら僕は何にでもなる!)
光が強くなる。
僕は神の力を再び手にした。
(小此木優斗……は……僕は!……神の力を……ゼクス様とエリシキル様の力を受け継いだ!)
「いまこそ!零くんを守る勇者になる!」
神々しい光が辺り一面を包み込む。
光から出てきたのは先程までとは明らかに違う姿になった少年だった。その姿はまさに勇者と呼ぶに相応しいものだった。しかし、そこに立っていたのは光ではなく闇だった。漆黒の髪は黒く輝きその瞳は血のような赤に染まり、纏っている服も禍々しく黒いオーラを纏ったようだった。
そして、その闇の中に一閃の光に満ちたその者は
「僕は、小此木優斗!……ゼクスとエリシキル様の力を受け継いだ……勇者シルエルティだ!」
そう名乗った瞬間。彼は既に行動を開始していた。
魔王は目の前に現れた男から異常な力を感じ取り距離をとった。
「お前が新しい勇者ってわけか……面白い。いいぜ!俺も本気を出すとするか……」
そして勇者小此木優斗(シルエルティ)と魔王クシャラドとの戦いが始まった。
~~~~~~~
シルエルティは光速に近い速度で移動し、魔剣を振るった。すると魔剣は魔王の肩を切り落とした。魔王の体から赤い液体が流れ出す。すると今度は魔王が攻撃を仕掛ける。すると、まるで時が止まったように全ての動きが停止した。そしてその止まった時間の中でシルエルティは魔剣で攻撃を放った。しかしその攻撃は全て空を切ることになった。その後すぐに時は進みだし、シルエルティの攻撃が再び魔王を襲う。だが魔王には効いていないように見えた。そこでシルエルティは考えた。
「もしかしたらこの世界の人達の感情を利用して自分の肉体に戻ろうとしているのか……ならば……それを利用するまでのこと……」
シルエルティは自分の体の中の2つの意識があることに気づく。
一つは自分の中にあるゼクスの意識であり、もう一つがエリシキルの意識であることに気づいた。
(僕はまだ完全に神様の力を取り戻した訳では無いみたいだ。だからまだ完全にコントロール出来てはいないようだ。だけどこれを使えばきっとできるはず!やってみる価値はある!)
「さあ!目覚めろ!我が心の片割れ達よ!」
すると自分の中にあった意識が強くなった気がした。そしてシルエルティが叫んだ。
「顕現せよ!我が同胞たちよ!」
すると突然、自分の心の中にいる何かの存在を強く感じた。そして、それと同時に体が熱くなり始めるのを感じた。自分の体を見てみると自分の体が淡く光を放ち始めていた。すると自分の中にいた存在が徐々に姿を現す。
まず最初に出てきたのがリリアの分身のようなものが出てきた。そして次に出てくるものは……。
「な、なんだこれは!う、嘘だろう……」
(な、なんということだ……僕の心の中にはもう一人僕がいるだと?……しかも、こいつは完全に覚醒してやがる……)
「おい……どういう事だ?」
「僕が聞きたいくらいだよ……でも今はこいつに勝つことが最優先だね。……君にも協力してもらうけど良いよね?」
「まぁいい。……あいつを倒すためだ。協力してやるよ」
「助かるよ。それじゃあ始めようか……」
僕は剣を構え直すと魔王目掛けて突進する。
「おい!シルエルティ!無闇に突進するもんじゃない!」
「優斗!大丈夫だ」
「ほんとか?」
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アレ…だったりする程度です😁
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皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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