満月を見たら思い出せ

みなと劉

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「遅いぞ、ナオキ」
「悪い、待たせたか?」
「いや……俺も今来たところだ」
カドルはそう言うと、俺に向かって手を差し出してきた。
「ん?なんだこれ?」
「握手だよ。これから一緒に行動するんだから、仲良くしようってこと」
「ああ、そういうことか。わかった」
俺がカドルの手を握ると、彼は嬉しそうに笑った。そして俺たちはそのまま歩き出したのだった。
***
***
学校に着くと、俺は真っ先に自分の席へと向かった。そしてカバンを置くと、すぐにカドルの元へと向かうことにした。
「おい、カドル。ちょっといいか?」
「ん?なんだ?」
カドルは振り返ると、不思議そうな顔をした。だがすぐに笑顔に変わると、
「ああ、わかった。今行くよ」
と言って立ち上がった。俺たちはそのまま教室を出ると、屋上へと向かった。
「それで?話ってなんだ?」
屋上に着くと、すぐにカドルが切り出してきた。
「ああ、実はな……」
俺はそこで言葉を区切ると、大きく息を吸うと覚悟を決めた様子で口を開いた。
「俺……魔法使いになろうと思うんだ」
「……そうか」
カドルは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに笑顔になった。そして俺の肩をポンッと叩くと、
「頑張れよ」
と言った。その目には涙が浮かんでいたような気がしたが、それはきっと気のせいだろう。俺はカドルに別れを告げると、その場を後にしたのだった……。
「母さん、ただいま」
「おかえり。学校どうだった?」
「楽しかったよ」
俺が答えると、母さんは嬉しそうに微笑んだ。俺もつられて笑顔になる。しかしすぐに心配そうな表情に戻ると、俺に尋ねてきた。
「本当に大丈夫なの?無理してない?」
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」

「ならいいんだけど……」
母さんはまだ少し納得していない様子だったが、それ以上追及してくることはなかった。俺はそのことに安堵しつつ、自室へと向かうことにしたのだった……。
その日の夜、俺はベッドの中で考え事をしていた。カドルと友達になったこと、魔法使いを目指すことになったこと、そしてこれからの学校生活のこと……色々なことが頭に浮かぶ。
「まあでも、とりあえず明日だな」
そんなことを考えているうちに睡魔に襲われて意識が遠のいていく。そしてそのまま深い眠りについていったのだった……。
「おはよう、母さん」
「おはよう、今日は早いのね」
「うん。ちょっと用事があってね」
「そう。朝ごはんできてるから早く食べなさい」
「はーい」
俺は返事をすると、そのままリビングへと向かうことにした。テーブルの上には美味しそうな朝食が並べられていた。俺は席に着くと、早速食べ始めることにしたのだった……。
学校に着いた俺は、真っ先に自分の席へと向かった。
「おはよう、ナオキ」
「おはよう。今日は遅かったな?」
カドルはそう言うと、俺に向かって手を差し出してきた。俺は一瞬戸惑ったが、すぐに彼の手を握り返したのだった……。
「それで?話ってなんだ?」
教室に戻ってきた後、カドルはすぐに切り出した。おそらく朝の会話の続きが気になるのだろう。
「ああ、実はな……」
俺はそこで言葉を区切ると、大きく息を吸うと覚悟を決めた様子で口を開いた。
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