のほほん異世界暮らし

みなと劉

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369 生命の息吹を感じて

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秋の風がほんのりと涼しさを運んでくる頃、庭先のプランターでは小さな変化が訪れようとしていた。ハロウィーンソフィの種を植えてから二週間が経ち、毎日欠かさず水をやりながら様子を見守っていた僕の目に、ふと鮮やかな緑の小さな芽が飛び込んできたのだ。

「おお、出てきた!」と思わず声を上げると、傍らで見ていたシャズナとルシファンも興味深げにプランターに近づいてきた。シャズナは前足をプランターの縁にかけてじっと覗き込み、ルシファンは土の匂いを嗅ぎながら鼻をひくひくさせている。

「これがハロウィーンソフィだよ。君たちも覚えておいてね」と言うと、シャズナは満足げに尻尾をふり、ルシファンはちょこんとお座りして僕の顔を見上げた。その姿に思わず笑みがこぼれる。

一方で、隣のプランターに植え替えたクリスティピーナッツの苗も、茎から新しい芽を伸ばし始めていた。もともと丈夫だとは聞いていたけれど、こうして目に見えて成長する姿を見ると、植物を育てる楽しさと喜びがじんわりと湧いてくる。

「クリスティピーナッツも順調だな」と苗の茎を優しく撫でると、ルシファンがそれに続くように鼻先で茎をそっと押した。もちろんいたずらではなく、ただ植物の成長を喜んでいるように見える。シャズナも負けじと隣で「私も見たい!」と言わんばかりに体をぐっと伸ばして覗き込む。

「よし、今日も水をあげようか」と呟きながらジョウロを手に取ると、シャズナが足元にすり寄ってきて、ルシファンも背伸びをしてジョウロを覗き込む。まるでふたりがこの植物の世話役を買って出ているような、そんな健気さが微笑ましい。

夕方、風に揺れる小さな芽と、しっかりと根付いたクリスティピーナッツの苗を眺めながら、僕は静かな充実感を感じていた。シャズナとルシファンと一緒に育てるこの植物たちが、これからどんな風に成長していくのか。そして秋の終わりにはどんな実を結んでくれるのか。そんな期待に胸を膨らませながら、僕はふたりと庭でのんびりと過ごすひとときを楽しんだ。

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