のほほん異世界暮らし

370 僕の世界は暖かくそして優しい色彩

朝陽が窓から差し込み、ふんわりと温かな光が部屋を満たす。シャズナとルシファンはその柔らかな光に包まれながら、僕の周りでいつものように過ごしている。シャズナはソファの上で気持ちよさそうに伸びをし、ルシファンはテーブルの隅で小さな前足をせわしなく動かしながら、お気に入りのおやつの欠片を楽しんでいる。

「今日は穏やかな一日になりそうだね」と独り言を漏らすと、シャズナがすっと顔を上げて僕を見つめた。その瞳はまるで「そうだね」と言いたげで、思わず笑ってしまう。ルシファンもその声に反応し、ぴょんとテーブルから飛び降りて僕の足元へ駆け寄る。彼の小さな鼻が僕の膝をつつき、まるで何かを言いたそうにするその姿が微笑ましい。

シャズナは気まぐれな猫らしく一見そっけない態度をとることもあるけれど、実は僕が好きなことがよくわかる。例えば、僕がソファに座るとすぐにその隣に飛び乗り、そっと頭を寄せてくる。ルシファンもまた、シャズナの真似をするかのように僕の肩に乗り、小さな尻尾を揺らしながら甘えてくる。

こんなふたりとの日常は特別なイベントがなくても十分に賑やかだ。僕がキッチンに立つとシャズナは興味津々に足元を歩き回り、ルシファンもその動きを追いかける。「何を作っているの？」とでも言いたそうに、ふたりはそばを離れない。

今日は少し手の込んだスープを作るつもりだ。キッチンで野菜を刻みながらふと目をやると、シャズナがじっとその様子を見上げていて、ルシファンはどうやら足元でくるくる回りながら小さなダンスを踊っているように見える。「もう少しでできるから待っててね」と声をかけると、ふたりは少し落ち着きを取り戻し、シャズナはテーブルの上に乗り、ルシファンは僕の肩にぴょんと飛び乗る。

スープが完成し、リビングで食事をしている間もふたりはその周りを離れない。シャズナは僕の膝の上に乗り、ルシファンはテーブルの端で小さく丸まって眠そうな顔をしている。その姿を見ながらスプーンを口に運び、この何気ない瞬間こそが本当に大切だとしみじみ思う。

シャズナとルシファンとの生活は、ただ一緒に過ごしているだけでも幸せを感じられる。彼らの存在があるからこそ、日々の何気ない風景がこんなにも輝いて見えるのだ。ふたりがそこにいるだけで、僕の世界は温かく、優しい色彩で満たされる。