のほほん異世界暮らし

みなと劉

文字の大きさ
448 / 945

ルシファンが頭の上に乗る

しおりを挟む
ある穏やかな午後、暖炉の火が心地よく部屋を温めている中、シャズナとルシファンと一緒に過ごしていた。外では軽やかな雪が舞い、冷たい風が時折窓を揺らすが、室内はその冷気とは正反対に暖かく、まるで時がゆっくりと流れているような安らぎに包まれていた。

僕はゆっくりとソファに座り、手元の本を開く。シャズナは静かに足元で丸くなり、時折顔を上げて僕の動きを見つめている。ルシファンはちょっと不安げにソファの背もたれをぐるりと歩きながら、その視線が何度も僕に向けられている。

そして、ふとした瞬間、ルシファンが軽やかな足取りで僕の膝に飛び乗ってきたかと思うと、すぐに頭の上にちょこんと座った。まるで頭の上が「特等席」とでも言わんばかりに、得意げな顔をしている。

「ルシファン、ちょっと、そこは…」
僕は少し驚きながらも、微笑んでルシファンに話しかける。ルシファンは、まるで意に介さないように、頭を高く掲げてしっぽをピンと立てたまま、得意げにこちらを見下ろしている。まるで何かを誇らしげに見せるかのように、そのまま動こうとしない。

「いや、でも…そこは…」
僕が頭の上にいるルシファンをちょっと不安げに触ろうとすると、ルシファンはフンっと鼻を鳴らして、まるで「ここが僕の場所だ!」と言わんばかりに、ちょっとだけ体を押し付けてきた。

その姿に、僕は思わず笑ってしまう。ルシファンのちょっとした強気な態度と、シャズナの大人しさが対照的で、そのギャップがまた面白く、心を和ませてくれる。

「ふふ、いい場所見つけたね。」
僕はルシファンを撫でると、少しだけその体重を軽く支えながら、頭の上でくつろぐルシファンを見守った。シャズナは少し遠くからその様子を見ていて、あきれ顔をしているものの、まるで何も言わない。おそらく、ルシファンがまたやっていることだろう。

しばらくそのままで過ごしていると、ルシファンがちょっと小さな音を立てて頭を動かし、ついにはそのまま寝転がるように僕の頭の上でくつろぎ始めた。まるで「ここが一番快適だ!」と言わんばかりに。

そのままルシファンとシャズナが静かに寄り添っていると、室内に響くのは暖炉のパチパチという音と、時折ルシファンの軽い寝息だけ。外の雪は降り続け、静かな冬の午後が続いていく。

「本当に、君たちは…」
僕は小さく笑いながら、ルシファンを優しく撫でる。頭の上にこんなふうに乗られるのは少し困るが、こんなにも可愛らしい瞬間には、思わずほっこりと温かい気持ちになる。

シャズナはその光景を見守りながら、静かに僕の足元に近づき、丸くなって再び目を閉じる。二匹の存在が僕にとって、どれだけ大切で愛おしいものなのか、今のこの瞬間、心の中で確かめるように感じた。

そして、ルシファンが僕の頭からスリスリと顔を擦り寄せてくる。僕はその頭を優しく撫でながら、こうしてまた一日が静かに過ぎていくのだと、幸せな気持ちでいっぱいになるのだった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

処理中です...