のほほん異世界暮らし

午前の作業と昼と何気ない日常

午前の農作業は、いつも通り順調に進んだ。僕は畑の端から雑草を取り除き、土をほぐしながら新しい作物の苗を植えていく。三匹はというと、僕のすぐそばで各々の「仕事」に励んでいた。

シャズナは畑の見回りをしているつもりなのか、きょろきょろと周囲を見渡しながら歩き回っている。リッキーは足元で前足をひくひくさせながら土を掘っては、僕に「役に立った？」と言わんばかりの顔を向ける。ルシファンはというと、草むらの中に隠れて、時折ちょこちょこと顔を出しながらこちらの様子をうかがっていた。

「お前たち、それ仕事になってるのか？」

思わず苦笑しながら問いかけると、シャズナは「にゃーん」と返事をし、リッキーは得意げに鼻をひくひくさせる。ルシファンはしっぽをふりふりさせながら、ちちっと鳴いて僕の足元に寄ってきた。まるで「ちゃんとやってるよ」とでも言いたげだ。

午前の作業を終え、ちょうどお昼時になった。僕は木陰にレジャーシートを広げ、朝作ったお弁当を取り出した。三匹も昼食の時間が分かっているのか、それぞれの定位置に座り、期待に満ちた目で僕を見つめている。

「はいはい、今出すからな。」

僕が包みを開くと、シャズナはくんくんと鼻を鳴らしながら「にゃーん」と喜びの声を上げた。リッキーは小さく「ぴっ」と鼻を鳴らしながら前足を揃えて座り、ルシファンは「ちちっ」と鳴いてくるくると回る。彼らのこうした仕草を見ていると、こっちまで幸せな気分になる。

それぞれの皿にご飯とおかずを分け、僕もお弁当を広げた。畑のそよ風を感じながら食べるご飯は、やはり格別に美味しい。三匹も満足そうに食事を楽しんでいる。

「こういう時間が一番幸せかもしれないな。」

ぽつりと呟くと、シャズナがこちらを見上げ、「にゃあ」と優しく鳴いた。それを聞いたリッキーとルシファンも、それぞれ嬉しそうに鳴いて応えてくれる。

何気ない日常だけれど、このひとときが何よりも大切なものだと、改めて思った。