のほほん異世界暮らし

朝、朝食とお弁当そして農場へ

朝の光が部屋に差し込み、三匹の小さな体が少しずつ目を覚まし始める。シャズナは伸びをしながら、丸い体をぐーっと背伸びさせてから、顔を僕に向けて「にゃーん」と甘える。その声が、なんとも愛らしくて、僕は思わず微笑みがこぼれる。リッキーはいつものように、おっとりとした様子で目を覚まし、ふわりと体を伸ばしてから、僕を見上げる。その顔にはいつも通り、優しさと安心感が溢れている。ルシファンはじっと僕を見つめ、まるで何かを語りかけるように小さな目を輝かせている。どれもこれも、僕にとってはかけがえのない存在だ。

「おはよう、みんな。」

声をかけると、三匹は一斉に寄ってきて、僕の足元に集まる。シャズナは足元をぐるぐると回りながらスリスリとすり寄り、リッキーは横でじっと僕の顔を見上げている。ルシファンは、しっぽをピンと立てて僕の周りを一周した後、そっと膝に頭を乗せてきた。その仕草に、思わず僕は笑ってしまう。

「今日は何をしようか？」

一日の始まりに、いつもならその日の予定を考えるのが常だが、今日は少し違う。昨日、三匹と一緒に過ごした穏やかな時間がまだ心に残っていて、何か特別なことをしなくても、これで十分だと思える気持ちが湧いている。だからこそ、今日は無理に予定を詰め込まず、ただ三匹と一緒に過ごすことにしようと思った。

朝食の支度を始めると、三匹はそれぞれ僕の足元でおとなしく待っている。シャズナは時折、「にゃーん」と小さな声をあげて僕に注意を向け、リッキーは温かな空気を感じ取って、心地よさそうに目を細めている。ルシファンは僕の動きをじっと見守りながら、何もかもをチェックするような顔をしている。その様子が、どこか心を和ませてくれる。

「さて、お弁当も作らなきゃな。」

今日は農場に持っていくお弁当を準備するつもりだった。三匹はそれを聞いて、目を輝かせる。シャズナはお弁当箱に飛びつこうとするが、僕が手を振るとおとなしく待つようにしている。リッキーはにこっと笑うように見え、ルシファンは静かに寄り添って、何かを期待している様子だ。

「待っててね。おいしいお弁当を作るから。」

その言葉に、三匹は安心した様子でじっと僕を見守っている。普段の生活の中で、三匹のことを考えながら料理をする時間は、僕にとってとても大切なひとときだ。忙しい日々の中でも、こうして彼らとの時間を大切にすることで、心が落ち着く。そして、そんな時間が一番幸せだと感じる瞬間だ。

朝食を済ませ、少し時間をとってから、三匹と一緒に魔力式トラックに乗り込む。今日は農場に行くのだが、いつもと同じように三匹は僕の横にぴったり寄り添って座っている。シャズナは膝の上で丸まって、リッキーは助手席に座り、ルシファンは後ろの座席でじっと外を見つめている。その姿を見ると、どこか心が温かくなり、今日も良い一日になる予感がする。

「農場に着いたら、少しゆっくりしようか。」

そうつぶやきながら運転席に座ると、三匹がそれぞれ反応する。リッキーがうれしそうにしっぽを振り、シャズナが小さな声で「にゃー」と鳴く。ルシファンはしばらく黙っていたが、突然僕の方を見て、まるで「今日はどんな一日になるんだろう？」とでも言いたげにじっと見つめてきた。

農場に着くと、三匹はすぐに外へ出て行き、それぞれ自分の好きな場所に向かって走っていく。シャズナは草むらの中に、リッキーは広い畑を走り回り、ルシファンは僕の足元でおとなしく待っている。その姿を見ると、どんなに忙しい日でも、この時間だけは大切にしなければならないと感じる。

「さあ、今日も一日が始まる。」

僕は三匹を見守りながら、ゆっくりと仕事に取りかかる。そのとき、三匹と過ごすこの時間こそが、何よりも大切で幸せなものであることを再確認した。