チート転生者の異世界無双

みなと劉

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3話

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「そうかな?」
「はい!!」
「ありがとう」
「ユウキさん、またその姿になってください」
「えぇ~恥ずかしいからいやだよ」
「お願いします!!」
「はぁーしょうがないな」
「ありがとうございます」
「ソフィア、もういいだろ?」
「まだです」
「はぁー」
結局、俺はしばらくの間ソフィアさんに色々なポーズを取らされた 俺は、疲れ果ててしまった
「ふぅー」
リリアナさんに渡された服を着たまま俺は、ベッドに横になった しばらくして、部屋の扉がノックされる音が聞こえた
「ユウキさん、入ってもいいでしょうか?」と、エルウィンさん!?
えと、はい!いいですよ
これ着たままだけどいいか。俺は、起き上がり
「どうぞ」と、返事をした
「失礼するよ」と、言いながらエルウィンさんが入ってきた
「おはようございます。エルウィンさん」
「おはよう。ユウキさん…………」
「どうかしましたか?」
「いや……可愛い格好だなと」
「そうですか?あまり、嬉しくはありませんね」
「そうか」
「はい」
「ユウキさん、今日の予定は?」
「特に決めていません」
「そうか、なら今日は僕と一緒に街を散策しないかい?」
「はい、いいですよ」
「では、早速行こうか」
「はい」
俺は、エルウィンさんの案内で王都の街を見て回った
「ここが武器屋だ」
へー、色々あるな
「ユウキさん、好きなものを選んでいいよ」
「いえ、俺は剣を使いますから大丈夫です」
「遠慮はいらないよ」
「いえ、本当に大丈夫です」
「ユウキさんは、魔法も使えるだろう?だから、杖を持っていても問題はないと思うよ」
「はぁー分かりました。それじゃー短めの杖を下さい」
「うん、わかったよ」
俺は、リリアナさんが使っていたような短いタイプの杖を購入した
「ユウキさん、次はこれに行ってみよう」
「はい」
それから、俺はエルウィンさんと色々なお店に行ったりして楽しんだ そして、夕方になり俺達は城に戻った 俺は、部屋に戻りベッドに寝転がった
「今日は、楽しかったな」
それから数日後、俺とソフィアさんとリリアナさんは王様に呼ばれたので謁見の間に向かった
「リリアナ、ソフィア、ユウキよ。よく来てくれた。実は頼みたい事があるのだ」と、王様が言ってきたので
「何なりとお申し付けください」と、ソフィアさんが言った
「うむ。ユウキよ。お前には魔王討伐の旅に出て欲しい」
「わかりました」
「頼んだぞ。それとソフィアとリリアナは同行してもらいたい」
「かしこまりました」
「はい」
「出発は明日の朝になる。準備をしておいてくれ」
「はい」
それから、俺達は部屋に戻って旅の準備を始めた
「ユウキさん、よろしくお願いします」
「ソフィアさん、こちらこそ」
「リリアナさん、ユウキさんの事しっかり守ってあげてくださいね」
「あぁ、任せてくれ」
「リリアナさん、私がいない間ユウキさんをお願いします」
「あぁ、まかせてくれ」
「ユウキさん、気をつけて行ってきてくださいね」
「はい、行ってきます」
こうして、俺はソフィアさん達と別れて旅に出る事になった
「ユウキ君、これからどうする?」
と、リリアナさんが聞いてきた
「そうですね……まずは冒険者ギルドに行きましょう」
「分かった」
俺達は、冒険者ギルドに向かう事にした 俺達が冒険者ギルドに着くと
「あっ!あなたは!あの時の!」
ん?この声は? 振り向くとそこには、俺に絡んで来た女がいた
「え?……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「ちょっと!そんなに驚かなくてもいいじゃない!」
「いや!驚くでしょ!普通!」
「なんでよ!」
「なんでよって……まあいいや、とりあえず久しぶりだな」
「そうね」
「元気だったか?」
「えぇ、もちろんよ」
「そうか、それは良かった」
「それで?どうしてここに?」
「依頼を受けに来たんだよ」
「そうなのね」
「そういうあんたは?」
「私は、ここで働いているのよ」
「そうなのか」
「ええ」
「ところで、名前はなんて言うんだ?」
「え?名前?私の名前はアリアよ」
「そうか、俺はユウキだ」
「知ってるわ」
「そうか」
「ねぇ、ユウキ。私も一緒に依頼についていってもいい?」
「えぇ~」
「なんで嫌そうな顔をしているのよ!!」
「だって……」
「なによ!!」
「いや、なんでもない」
「とにかく、私がついていくからね」
「はぁー」
「ため息つかないでよ」
「はいはい」
「ユウキ、諦めろ」
「リリアナさんまで」
「私もユウキ君の実力を見てみたいから」
「はぁー分かりました。けど、邪魔だけはしないでくださいよ」
「わかっているよ」
「はい」
「よし!決まりだな。早速行くぞ」
「ええ」
「はい」
それから、俺達は魔物を狩りながら進んでいった
「リリアナさん、そっちに一体行きました」
「了解!ユウキ君は?」
「こっちはもう終わりました」
「さすがだな」
「いえ、それほどでもありませんよ」
「いや、凄いぞ。それにしても、二人とも強いな」
「ありがとうございます」
「ユウキさん、リリアナさん、あれは何ですか?」
「ん?どれだ?」
「ほら、そこにいる黒い物体です」
「あぁ、あれはスライムだ」
「へぇースライムですか」
「ああ、そうだ」
「ユウキさん、その剣で切ってみて下さい」
「わかった」
俺は、短めの剣を抜きスライムに向かって走り出した そして、剣を横に振った すると剣が光だしスライムを切り裂いた
「ユウキさん!!今の技教えてください!!」
「いいよ」
それから、俺達は色々なモンスターと戦い続けた しばらく歩くと森が見えてきた
「ユウキさん、あの森に入っていくんですか?」
「あぁ、あそこが目的地だからな」
「そうですか」
「ユウキ、あそこからゴブリンの反応がある」
「分かりました。リリアナさん、ソフィアさん、戦闘準備をお願いします」
「わかった」
「わかりました」
俺達は、森の中に入った 少し進むと奥から悲鳴が聞こえて来た
「きゃーーーーーーー!!!」
俺達は急いで声のした方に向かった そして、俺達は女の子がゴブリンに襲われているのを見つけた
「ソフィアさん、リリアナさん、俺が魔法であいつを倒します。その間にソフィアさんは、あの子をお願いします」
「はい」
「分かった」
「いきますよ。ファイアーボール!!」
火の玉が飛んで行った そして、ゴブリンに命中した
「グギャァー」
俺は、続けて二発目を放った 今度は、命中し燃え始めた
「リリアナさん、今のうちに」
「分かった」
リリアナさんは、ソフィアさんの所に向かった
「ソフィアさん、その子を連れてここから逃げて」
「わかりました」
ソフィアさんは、気絶している少女を抱きかかえてその場から離れた
「ユウキさん、後はお願いします」
「はい」
それから、俺達はゴブリンを倒した
「大丈夫か?」
「はい、なんとか」
「立てるか?」
「はい、何とか」
「怪我はないのか?」
「はい、擦り傷程度なので問題ないと思います」
「そうか、ならよかった」
「助けていただき、本当にありがとうございました」
「いや、気にしなくていいよ」
「お礼をしたいのですが……今は、何も持っていないので後日必ずさせて頂きます」
「別に、そこまで気を使わなくてもいいんだけど」
「そういう訳にはまいりません」
「はぁー分かったよ」
「では、私はこれで失礼致します」
「あっ!ちょっと待ってくれ」
「何でしょうか?」
「君の名前を教えてくれないか?」
「私の名は、アイラと申します」
「そうか。それじゃーまたな」
「はい。またいずれ」
俺達が街に戻ると日が落ち始めていた
「今日はこのくらいにして宿に戻りましょうか」
「そうだな」
「そうですね」
こうして、俺達は宿屋に戻った 次の日の朝、俺達は王様の使いの人に呼び出されたので城に行く事にした 俺とリリアナさんは、王様の部屋に案内された
「ユウキよ、よく来てくれた」
「いえ、それより用件はなんでしょう?」
「うむ。実は、お前達に魔王討伐に行ってもらいたいのだ」
「え?俺達二人でですか?」
「いや、違う。お前のパーティーメンバーであるソフィアも同行してもらう」
「え?ソフィアさんが?」
「あぁ、そうだ」
「どうしてですか?」
「それは、これから話す」
それから、俺はソフィアさんとリリアナさんと一緒に旅に出る事になった事を聞いた
「ユウキよ。頼んだぞ」
「はい。わかりました」
「それと、この指輪を持って行け」
「これは?」
「これは、ワープリングと言ってな、一度行った事がある場所ならばどこからでも移動できるという便利なアイテムだ」
「そんなすごいもの貰ってもいいんですか?」
「あぁ、構わん。ただし、一つだけ約束してくれ」
「なんですか?」
「絶対に死ぬんじゃないぞ」
「はい。分かりました」
「よし!話は以上だ。下がってよいぞ」
「はい。失礼しました」
俺達は部屋を出て、ソフィアさんとリリアナさんと合流した
「ソフィアさん、リリアナさん。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「よろしく頼む」
「早速ですけど、まずは何処に行きます?」
「とりあえず、冒険者ギルドに行こう」
「わかりました」
俺達は、王都にある冒険者ギルドに向かった
「ここが、王都の冒険者ギルドですか……」
「大きいな」
「ユウキさん、行きますよ」
「あぁ、わかった」
俺達は、中に入っていった すると、一人の女性が話しかけてきた
「あら?あなた達は、昨日の子よね?」
「あぁ、そうだ」
「私の名前は、アリアよ。それで?何かようかしら?」
「依頼を受けに来たんだよ」
「そうなのね」
「そうだ」
「ところで?そちらのお二人は誰なのかしら?見たところ、ただの子供じゃないわよね?まあいいわ。それよりも、どんな依頼を受けるつもりなの?ちなみに、私は護衛の依頼を受けたばかりだから他の依頼を受けられないわよ」
「えっと……その……特に決めていないんです」
「そうだったの。なら、ユウキさんとリリアナさんは私が依頼している間、自由行動でいいんじゃないかしら?」
「わかった。ソフィアさんとリリアナさんもそれでいいですか?」
「はい」
「構わない」
「決まりね。それじゃー私は仕事があるから行くわ。また会いましょう」
「はい」
俺達は、それぞれ別れた
「さてと、どうしようかな」
「ユウキ君は、何をするつもりなんだい?」
「そうですね。とりあえず、装備を整えておきたいので武器屋に向かいます」
「そうか。なら、一緒に行ってもいいかい?」
「もちろんですよ」
俺とリリアナさんは、店に向かった
「いらっしゃい」
「すみません。剣が欲しいのですが」
「はいよ。予算はいくらぐらいだい?」
「金貨10枚までなら出せます」
「そうか。なら、これなんかどうだ?」
「見せてもらえますか?」
「おう」
俺は、鞘に入った剣を受け取った
「抜いてみてもいいですか?」
「ああ、構わないぜ」
俺は、剣を抜いてみた すると、刀身が光出した
「おお!!凄いな」
「だろう」
「この剣、売っていただけませんか?」
「すまないが、売り物ではないんだ」
「そうですか。なら、仕方ないですね」
「悪いな」
「いえ、大丈夫です」
俺は、他に良い物がないか探して見たがどれも同じような性能だったので諦めて買う事にした
「あの、これを下さい」
「まいどあり」
俺は、お金を払って店を後にしようとした時、店の主人に声をかけられた
「おい、兄ちゃん。ちょっと待ってくれ」
「ん?何ですか?(兄ちゃんって俺『女』なんだけどなぁまあいいか)」
「お前さん、もしかして勇者様の仲間なのかい?」
「えぇ、まぁ」
「やっぱりな。その腰に差している剣は、勇者様に献上されたものだろ?」
「はい、そうです」
「やっぱりな。実は、俺の兄貴がその勇者様なんだ」
「へー、そうなんですね」
「驚かないのか?」
「はい。少し予想していたので」
「流石だな。それじゃーまたな」
「はい」
俺達は、今度こそ店を後にした
「ユウキ君、今の人は君の知り合いなのかい?」
「いえ、違いますよ」
「そうか。それにしても、ユウキ君は凄いね」
「何のことですか?」
「だって、ユウキ君は本当は女性だけど男として生活しているだろ?」
「まぁ、確かにそうですけど」
「だから、僕もユウキ君に合わせようと努力したけど、正直無理があったと思うんだよ」
「そうですか?俺は、リリアナさんの事好きですけど」
「ありがとう」
「いえいえ」
「それより、次は何処に行くんだい?」
「そうですね。取り敢えず、ソフィアさんと合流しましょう」
「分かった」
それから、俺達はソフィアさんと合流してから街を散策した そして、夕方になったので宿屋に戻る事にした
次の日の朝、俺達は王様から呼び出されたので城に向かう事になった
「ユウキよ。よく来てくれた」
「はい。それで、用件はなんでしょうか?」
「うむ。実は、魔王討伐の為にお前達には、一度王国から出てもらう」
「分かりました。それで、出発はいつ頃になるのでしょう?」
「準備が出来次第いつでもいいぞ」
「分かりました。それと、ソフィアさんとリリアナさんはどうしますか?」
「そうだな……二人共連れて行ってやれ」
「わかりました。ソフィアさん、リリアナさん。一緒に行きますか?」
「はい。勿論です!」
「私もいいぞ」
「わかりました。それでは、これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
「よろしく頼む」
「早速ですが、明日出発する予定なので今日中に旅の準備をしておいて下さい」
「わかりました」
「わかった」
「それじゃー、俺達はこれで失礼します」
「あぁ、また会おう」
こうして、俺達は旅に出ることになった 俺達は、まず冒険者ギルドに向かった
「すみません。冒険者登録したいのですが」
「かしこまりました。この水晶に手をかざしてください」
「わかりました」
俺は、言われた通りに手をかざすと、カードが出てきた
「これが、貴方のステータスになります」
名前:
ユウキ
種族:
人族
性別:

年齢:15歳
職業:
剣士
レベル1 体力:
100/100
魔力:50/50
攻撃力:25
防御力:20
素早さ:30
賢さ :35
状態:正常
「え!?女!!?」
ギルドの人は驚く
と同時に慌て始めた
「……?(どうして驚く必要が)」
「えっと……すみません。すぐに部屋を用意しますので、そこでお待ちください」
「はい。わかりました」
俺達は、部屋に案内されて待機していると、さっきの受付の人が入ってきた
「先程は、大変申し訳ございませんでした」
「別に気にしてないので大丈夫ですよ」
「そう言っていただけると助かります」
「それよりも、説明してもらってもいいですか?」
「はい。もちろんです」
それから、俺は自分が女だという事を話した
「そうだったんですか。すみません。気がつかなくて」
「いえ、慣れていますから」
「そうですか。ところで、なぜ男のふりをしているんですか?」
「それは……」
俺は、今までの経緯を話した
「そうですか。そんなことがあったんですね」
「はい。そうなんですよ」
ギルドカードを渡してもらって
明日からギルドの依頼を受けることにした。俺達は、宿に戻り夕食を食べてから眠りについた 翌朝、俺達は朝食を食べるために食堂に向かった すると、見覚えのある人達が座っていた
「あれって、もしかして勇者様ですか?」
「そのようですね」
「挨拶してきますね」
「ユウキ君、ちょっと待ってくれないか?」
「ん?どうしましたか?」
「僕が行ってくるよ」
「そうですか。わかりました」
俺は、リリアナさんに任せる事にした しばらくすると、リリアナさんが戻ってきた
「ユウキ君、ちょっと来てくれないかい?」
「どうかしたんですか?」
「実は、勇者様から話しかけられてね。ユウキ君も一緒に来てほしいらしいんだ」
「そうなんですか。わかりました」
俺達は、勇者様達のところへ向かった
「勇者様方おはようございます」
「おっ!来たね。待っていたよ」
「それで、何の用でしょうか?」
「いやー実はね。君達に頼みたいことがあるんだ」
「なんです?」
「実はね。僕達は、今から魔王討伐の為に王国を出るんだけど、護衛を頼めないかな?」
「いいですけど、俺達以外にも沢山いますよね?」
「それが、皆用事があるらしくてね。引き受けてくれるのは君達しかいないんだ」
「そうなんですか。わかりました。引き受けます」
「本当か!!ありがとう!!」
「いえいえ」
「それじゃー、今すぐ出発しようか!」
「わかりました」
それから、俺達は王都を出て街道に出た 道中、特に問題もなく順調に進んで行った そして、ついに魔王城に到着した
「ここが、魔王城のようだな」
「そうみたいですね」
「よしっ、行くぞ!」
「「「「「「「おおー!!!!」」」」」」」
俺達は、勢いよく扉を開けた 中に入ると、魔物が大量に襲ってきた
「邪魔だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
リリアナさんが剣を振ると、大量の魔物が真っ二つになった
「凄いな。流石はリリアナさん」
「ありがとう。ユウキ君」
「ソフィアさんは、怪我とかしてない?」
「私は、全然平気だよ」
ソフィアさんは、笑顔で答える
「そっか。なら良かった」
「私も頑張るよ」
ソフィアさんは、魔法で攻撃を始めた
「ファイアーボール!!!」
ソフィアさんの放った火の玉は、次々に敵を焼き尽くしていく
「リリアナさん。ここは任せて、先に進もう」
「わかったよ」
俺とリリアナさんは、奥へ進んだ
「この階段の上が最上階だと思うから、急ごう」
「そうだな」
俺達は、急いで階段を上った そこには、大きな椅子に座っている人がいた
「お前が、魔王か?」
「そうだ。我の名は、サタン・ルシファー。貴様ら人間共を滅ぼしてやる」
「やってみろ。私達が相手になってやる」
「いいだろう。かかってこい」
俺達は、一斉に攻撃を仕掛けた
「ホーリーソード!」
「ライトニング!」
「ダークネスアロー!」
俺達は、それぞれ攻撃をしたが、全て防がれてしまった
「なかなかの攻撃だが、まだ甘いぞ」
「くっ……ならば、これでどうだ?アルティメットスラッシュ」
「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ぐはぁぁぁぁぁぁ!」
俺の一撃が命中し、魔王にダメージを与えた
「次は私の番だ。喰らえ、インフェルノ」
「ふんっ、こんなもの効かんわ」
炎が直撃するが、全くダメージを受けていなかった
「なんなんだ、あいつの防御力は」
「仕方がない。私が相手をする」
「わかった」
俺は、一旦距離を取った
「さぁ、こっちに来い」
「望むところだ」
「ふむ……少しは楽しめそうだな」
「いくぞ!はああああっ!!」
リリアナさんは、全力で走り出した
「遅いな」
魔王は、リリアナさんに向かって拳を振り下ろしたが、簡単に避けられてしまう
「まだまだ、これからだ」
「ほう、面白い」
リリアナさんは、何度も斬りかかるが全てかわされてしまう
「無駄だと言っているのがわからんのか?」
「どうかな?」
「何?」
次の瞬間、突然魔王の動きが悪くなった
「これは、まさか!?」
「その通り。闇属性の魔力を使ったんだよ」
「くそっ……」
「今度こそ終わりにしてあげる」
リリアナさんは、魔王の背後に回り込み、剣を突き刺した
「グハッ……」
「お見事」
「やったな」
「なんとか倒せたね」
「でも、どうしていきなり動きが良くなってたんだい?」
「それは、魔王が使った闇の力の影響だよ」
「なるほど。だからか」
「うん。それよりも、早く外に出よう」
「そうだね」
俺達は、外に脱出して、すぐに王国に戻った
「勇者様、大丈夫ですか?」
「ああ、心配かけてすまないね」
「いえいえ。それより、魔王討伐おめでとうございます」
「ありがとう。君達の協力があったからだ」
「そんな事ありませんよ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
「それでは、俺は行きますね」
「ああ。また会おう」
こうして、俺達は勇者様の護衛を終えた それから、数ヶ月が経ち、季節は夏になっていた
「暑い……」
俺は、ベッドの上で寝転がっていた
「ユウキ君、起きてる?」
「んー、まぁね」
「……ってユウキ君!?なんてはしたない格好してるの!」
タンクトップと短パンのみ
胸はちょっぴりある。
いわゆる貧乳である
「えーだって、暑くて動くの面倒臭いんだもん」
「そうかもしれないけど、ちゃんと服を着ないとダメだよ
『女の子』なんだから!」
「はーい」
「返事だけはいいんだから」
「とりあえず、着替えるから部屋から出て行って」
「わかったよ。外で待ってるからね」
それから数分後、やっとリリアナさんが出て行ったのを確認して 着ていた服を脱いだ
「ふぅー、やっぱり慣れないなー」
鏡の前で自分の姿を見ると、どうしても違和感がある 俺の見た目は完全に男(声も)なのに
下半身は女の『アレ』とちょっぴり胸がある。
『男』の、自覚と『女』の自覚両方一応ある。
服は男物しか着ない
「よしっ、今日も頑張るか!」
「おはよう。リリアナさん」
「おっ、起きたんだね。もうすぐ朝食の時間だよ」
「わかった。すぐ行くよ」
俺達は、食堂へ向かった
「そういえば、リリアナさんはいつまで王都にいるの?」
「特に予定はないかな」
「そうなの?」
「ユウキ君は?」
「俺も暇だよ」
「じゃあさ、一緒にどこか行かない?」
「別に良いよ」
「ありがとう。楽しみだな」
「ユウキ君、どこに行くか決めたかい?」
「まだ決めていないんだけどさ、どこに行こうか?」
「うーん。そうだ!海に行きたいな」
「確かに。最近ずっと王都内にいたから、たまには違う場所も良いかもね」
「よしっ!決まりだな」
「ユウキ君はいいの?」
「何が?」
「何がって水着……」
「…………あ!!?」
完全に忘れてた。
俺、泳げなかった……
「泳げないんだった」
「いや!?それ以前の問題」
「……??」
「お前女だろうが!!」
「……あ」
「あじゃない!」
「ごめんなさい」
「はぁ……まぁいいか。ユウキ君俺が泳ぎ方教えるからさ」
「本当か!?」
「うん。その代わり、俺の言うことを聞いてもらうからな」
「もちろんだ」
「(ふふふ言うこと聞いてくれるんだ……エッチなことしちゃおう)じゃあまず
この水着(女物ビキニサイズぴったり)着てもらおうかな」
「…………うげぇ」
「(すっごい嫌な顔ユウキ君してる)」
「なんでこんなもの着ないといけないんだよ」
「ほら、恥ずかしいのは最初だけだって」
「わかったよ。着ればいいんでしょ」
「はい。よくできました」
「なんか腹立つ」
俺は、しぶしぶ渡されたものを着た
「ど、どう?」
ユウキ君のビキニ姿
「(鼻血ものです!!!ちっぱい最高!最強だ)」
「おい、リリアナさん。感想を言ってくれ」
「とても似合っています」
「棒読みだな」
「そ、そんな事ないですよ」
「まぁいい。早く泳ぐ練習しようぜ」
「はい。わかりました」
それから、1時間くらいリリアナさんに教えてもらった
「これで、完璧だな」
「ありがとう。リリアナさん」
「いえいえ。それでは、早速海にでも行きましょうか」
「そうだな」
「リリアナさん、準備できたよ」
「私もOKです」
「よし!出発!!」
「ユウキ君ちょっと待った!」
「何?」
「その格好だと、目立つと思うんだ(男が寄ってくる)」
「そうか?(ある意味自覚無し)」
「うん。だから、これに着替えてくれ」
「これは……パーカーと短パンか?」
「そう。これなら目立たないだろ
水着の状態で着てこればいいから」「わかったよ」
それから、着替えて外に出た
「お待たせ」
「うん。大丈夫だよ。それじゃあ行こうか」
俺達は、海の家に向かった
「いらっしゃいませー」
「すみません。2人お願いします」
「かしこましました。それでは、こちらへ」
案内された場所は、更衣室の近くだった
「それでは、ごゆっくり」
「リリアナさん、先に着替えてて」
「わかった」
数分後
「おまたせー」
「おおー。可愛いじゃないか」
「えっ!?」
「ん?どうかした?」
「いや、なんでもないよ。それよりも、泳ごう!」
「ああ」
俺達は、海の中に入った
「気持ちいいー」
「だなー」
それから、30分程遊んだあと休憩していた
「はぁー疲れたー」
「大丈夫か?」
「なんとかね」
「飲み物買ってきたぞ」
「ありがとう」
2人でジュースを飲みながら、話をしていた
「ねぇ、ユウキ君」
「ん?」
「キスしていい?」
「ブフォッッ!」
「汚いなー。いきなり吹き出すなんて」
「だって、急にそんな事言われたから」
「いいじゃん。減るもんじゃないし」
「そういう問題じゃない!」
「えー。いいじゃん」
「ダメなものはダメ!」
「ケチ」
「うるさい!」
「ふぅ……落ち着いた」
「良かったよ」
「そういえば、リリアナさんはいつまでここにいるの?」
「うーん。特に決めていないかな」
「そうなんだ」
「ユウキ君はいつまで王都にいるつもり?」
「特に予定はないよ」
「じゃあさ、もう少しだけ王都にいる?」
「まあね。でも、俺もリリアナさんと同じで特に予定はないよ」
「そうなの?」
「うん。まあ、予定ができたとしてもリリアナさんとの予定を優先したいけどな」
「……嬉しい」
「なんか言った?」
「ううん。何も言ってないよ」
「そっか。あっ!そうだ!今度一緒に出かけようよ」
「デート?」
「まあ、そうなるね」
「やったー!絶対行こうね」
「もちろん」
こうして、リリアナさんと一緒に過ごす日々が続いていく これから先、どんな未来が待っているのかはまだわからない だけど、今はただこの幸せを感じていたいと思った 俺は、いつものようにリリアナさんの護衛を終えて、ギルドに来ていた
「ユウキ君、おはよう」
「リリアナさん!おはようございます」
「今日もよろしくね!」
「任せて下さい!」
「ところでさ、最近依頼多くない?」
「確かに。少し多い気がする」
「何かあったりする?」
「いや?特に何もないはず」
「だよね……」
「とりあえず、受付に行こうか」
「うん」
俺達が、カウンターに向かうとそこには、見たことのある人が立っていた
「あれ?リリアナさんじゃないですか」
「こんにちわ。アリスさん」
「どうして、リリアナさんがこんなところに?」
「俺は、ユウキ君に護衛をしてもらっていますので」
「なっ!なんでユウキがこんな可愛らしい女の子を!?」
「ちょっと待ってください。俺男ですよ」
「はい!?嘘でしょ。こんな可愛い子が男の子なわけがない」
「本当に俺は男ですが」
リリアナさん可愛いから女の人に見えちゃうんだよな。仕方ないか
「ユウキさん今日はどの依頼を受けますか?」
「うーん。まだ決まっていないんですよ」
「そうなんですね。ユウキさんとリリアナさんは、ランクどれくらいなんですか?」
「俺は、Dですよ」
「私はCです」
「えっ!2人とも結構高いんですね」
「まあ、それなりには」
「ちなみに、ユウキさんは武器は何を使っているんですか?」
「俺は、剣を使っていますよ」
「リリアナさんは、杖ですね」
「はい。魔法を使う時は、必ずと言っていいほど使っています」
「やっぱり、リリアナさんの魔力は凄いんだろうなー」
「そんなことないですよ」
「そんな謙遜しなくてもいいと思いますよ」
「そんな事より、早く依頼を決めましょうよ」
「それもそうですね。どうしようか?」
「うーん」
それから、3人で話し合った結果、薬草採取の依頼を受けることにした
「それでは、気をつけて行ってきてください」
「わかりました」
俺達は、街を出て森に向かった
「そういえば、ユウキ君はどうして冒険者になったんだい?」
「俺か?俺の場合は親父が冒険者でさ。それで、憧れたんだ」
「なるほど。じゃあ、ユウキ君のお父さんはすごい人なんだね」
「いや、そんな事ないと思うよ。父さんは、俺が小さい頃に死んじゃったから」
「ごめんなさい。辛いことを思い出させてしまったみたいで」
「大丈夫だよ。もう、5年も前のことだから」
「そう。それなら、よかった」
「それよりも、そろそろ着くよ」
「本当だ。それじゃあ、早速探すとしましょうかね」
それから、1時間程かけて50束程の薬草を集めることができた
「これで、終わりだね」
「そうだな。帰ろうぜ」
「了解!」
俺達は、王都に向かって歩き始めた その途中、魔物が現れた
「グオオォー!!」
「ユウキ君!後ろ!」
「わかっている!」
「(くそっ!数が多い)」
「ユウキ君!私が前に出る!」
「わかった!」
リリアナさんが、前に出ようとしたその時、目の前に突然、雷が落ちてきた
「えっ?」
「これは一体?」
「おい!お前ら無事か!」
声がした方を見ると、そこには見覚えのある顔があった
「カインさん!」
「久しぶりだな」
「どうしてここにいるんですか?」
「たまたま通りかかっただけだ」
「そうだったんですね」
「それより、こいつらは何だ?」
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