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誕生日パーティーの私(楽しんだ)
しおりを挟む庭に出てきたところで、すぐに坊ちゃんを見つけた。あーあー、そんな白い服で庭駆け回ったら汚れちゃうでしょうに。
坊ちゃんはフェンと棒投げをして遊んでいる。
「坊ちゃん。まだパーティーの序盤ですよ?」
「挨拶は一通りやったよ。今日の主役は兄さんだし、フェンが遊びたがってたし」
「エリザベス嬢には」
「あ!エリーは忘れてた!」
エリザベス嬢への扱いよ……でも、これが仲の良い親戚らしく感じる。
「御祖父母方にも」
「お爺ちゃんとお婆ちゃんはパーティーに出る前に挨拶したよ?」
「不覚!私も挨拶したかったです」
「だってレナ、朝からいないんだもん。理由は見たら分かったけど」
「お揃いで申し訳ございません」
「良いよ、なんだか兄妹みたいじゃない?」
「この兄弟に挟まれる私……苦労しそうです」
「え?!こっちが苦労するんじゃないの?!」
何ですと?!私はいたって出来る侍女なのに!
「そう言えば坊ちゃん」
「何?」
「私、黒の森での坊ちゃんの行動、まだ説教してなかったですね?」
「あ、あれは父さんが充分……」
「私閃いたんです。坊ちゃんて痛みには強いので、永遠にくすぐってやれば良いんじゃないかと」
「何そのサイコ発想。怖いから」
「坊ちゃん、私って風魔法得意でしょう?」
「怖い怖い、拷問を丁寧に教えてくるとか、脅迫のプロ?!」
と、ジリジリと坊ちゃんへ近付くと、「ワフッ」とフェンが棒を拾って得意げに戻ってきていた。
「フェンは賢いねー!」
そう言って坊ちゃんが棒を飛ばし……いや、飛ばし過ぎて門まで飛んでいってるけど?!フェンが嬉しいなら良いのか……。
それにしても、フェンは契約を結んで、親と離れて幸せなのだろうか??
これが坊ちゃんの物語ならフェンにも何か役割があるのだろうけど、ただの相棒的な立ち位置なのか……それとも。
「レナ、ここにいたのか」
後ろから気配がすると思っていたけど、声をかけたのはエイル様だった。
「折角の料理食べないの?テオンも、遊ぶのはエリーに挨拶してからだよ。結構気にしてたよ?」
エリー様ったら。やはりお可愛いんだから。
「エイル様も。主役自ら出てきたらダメじゃないですか」
「どうせ大人達が楽しむだけだからね。でも戻らないと。レナ、行こう?テオンはフェンを洗って部屋に連れていくこと」
「はーい」
早速水魔法でフェンを洗うテオン坊ちゃん。うーん手慣れている。まさか度々城を抜け出して遊んでたりしないでしょうね?!
「さ、フェンは任せて、行こうレナ」
「あっはい!」
ってあれ?
エイル様に手を引かれているんだけどどうしたら?!「僕より仲良し~」なんてテオン坊ちゃんが言うけど、待って、衣装も相まってめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど!
私はそのままホールに連れられ、招待客に挨拶回りをさせられる羽目になったんだけれど、これ何の罰ゲーム??
????????
『あの人がどんな人物だったって?そんなことを聞きに私の時間を奪いに来たの?』
随分と気位の高い女だな。
まあ、貴族なんて皆そう。皆クズばかり。
『伯父様が怪我で大変な時に、逃げるように学園に行ったままその後も戻ってこない人なんて知るわけがないでしょう?ちょっと考えたら分かるでしょうに、頭大丈夫?これだから冒険者風情が……気分が悪いわ!帰ってちょうだい!!』
一応ギルドの紹介状もあったのに、とんだ無駄足だったな。
『私だってお父様を亡くして散々苦労したのよ?それなのに、自分だけ被害者ぶって姿を消して……一生許さない……絶対』
……………。
????????
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