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坊ちゃんと私の学園生活⑤
しおりを挟む坊ちゃんとお邪魔したクラーク教授の準備室は兎に角本の山だった。
どれもこれも魔法陣のことだらけなんだろう。
私は今まででこんなに勉強したことがあっただろうか?生きる為の知恵は身につけているつもりだけれど。
気持ち程度隙間を空けてあるソファーへ座ると、クラーク教授は慎重な面持ちで切り出した。
「呼びたてたのは他でもなく」
「「……」」
「テオニール君には私の授業を専攻して欲しいのよ!」
「はい」
「どうせそこの性悪侍女に反対されると思うけど!でも絶対損はさせな……え?」
「受けます、魔法陣工学」
「え?ヤダ本当に??嘘じゃない?」
「はい」
「嬉しい~!!」
「その前に性悪侍女って言葉撤回して頂いても?」
諸手を上げて喜んでるところ悪いんだけれどね?
「あなただって変態教師って言ってたでしょ?!」
「まさかローブの下がビキニな人が教師として来るとは思わなかったもので、つい」
「あれは試作品の防御魔法陣を施した、れっきとした防具だったの!!長旅で何かあったら困るでしょう?!」
「なんでビキニ?!」
「1番肌身離さず着るものだからよ!!」
「確かに」
「納得した?!」
あれで無傷で来たからそれなりの効果があったのかも……
「いや、一枚何か着たら良い話では」
「うっ」
「やはり変態……」
「2人共ストップ!やめて」
「「すみません……」」
坊ちゃんに怒られてしまった。
それにしても、彼女は研究熱心過ぎてぶっ飛んだのね。天才と何とかは紙一重とかいうし。
「ぶっ飛んだ研究家はレナでお腹一杯だよ」
「私はしがない侍女です。それを言えば、坊ちゃんのこっそり(こっそりしてない)魔法特訓だって」
「ちょっと待って。そもそも私はぶっ飛んでないんだけど?!」
あーもうこれは。
「待って下さい。突っ込みがいないんですよ、このグループ。不毛なのでやめましょう」
「突っ込み?」
「まとめ役ですね。話を戻して、何故そんなにも坊ちゃんに拘るのです?」
「じ、実は……一目見た時から……」
途端にモジモジし始めたクラーク教授。
え?まさか一目惚れを?!クラーク教授の年齢ってどう頑張っても20代半ばなんだけれど?
これは秘密裏にやらねば……
「テオニール君の莫大な魔力量が魅力的で……!」
「「あ、そっち」」
「ん?」
「え?」
この脱力した声は……坊ちゃんももしかして告白されると思いました?全く。魔法どころかそこまでおマセさんだとは、今後は打倒ハーレムを掲げて厳しく見張らないと。
「あの当時まだ魔力操作が甘いから、一目で魔力量が多いのが分かっちゃったのよね。こう、圧があるというか。それでね、この子なら上級召喚も出来るんじゃないかって……」
「上級召喚ですか」
「私の課題は上級召喚で上位の生物を召喚することなのよ」
「確かに、魔法陣研究の最終地点とも言えますね」
「手に出来る魔石には限界もあるから、魔力が大きい人が上級召喚の魔法陣を行使したらと思うと、胸が高鳴って高鳴って…これは恋よ!」
「やはり息の根を……」
「レナ!待って。その拳は何?!」
おっと。ついつい力んでしまいましたね。秘密裏にしないといけないのに。
「しかし、召喚が上位であればあるほど、有事の際の戦力が必要では?」
「そこなのよ……冒険者を雇うとかになるかしら?」
「そんな危険な実験に坊ちゃんを貸し出すわけには参りません。坊ちゃんはあくまで生徒として授業を受けるだけ!魔法陣研究には関わってはいけません!」
「まだ手伝ってとも言ってなのに!」
「ほぼ言ってるようなものです!どうしてもされたいなら安全対策を資料にまとめてカーベニオン家に申請されて下さい。絶対通らないですけど」
「だろうね」
「ううっ分かってるわよ……でも興味があるならね?!いつでも良いからね??」
「あはは……はい」
全く。別のベクトルで変態だったのね、油断も隙もないんだから。
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