異世界転移した現役No.1ホストは人生設計を変えたくない。

みなみ ゆうき

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本編

36.対面

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王太子殿下の執務室に行く間、宰相様から話を聞いた俺はあまりの面倒臭さに今すぐ転移魔法で邸に帰りたい衝動に駆られていた。


「……俺、帰っていいッスか?やっぱり時間の無駄だと思うんで」

「私もそれに激しく同意致しますが、ここできっちりシメ……いえ、話をしておかないと事が大きくなってからではもっと無駄な時間を使うことになりかねませんので我慢して下さい」


足が止まりかけた俺の手を取り、絶対に逃がさないぞとばかりにニッコリと微笑む宰相様が怖い。

今明らかにシメるって言いかけてたし。その上さりげに脅してくるし。
やっぱりそれなりの対価はきっちりもらわないとダメな案件だな。


宰相様の調べによると王太子殿下の用事というのは、男娼という異例の前歴を持つ俺では魔王討伐に関する事も、その後のことにしても色々と難しい事が多いので、王太子殿下の指揮下で動いていることにしてはどうかという提案らしい。

要するにそれって男娼あがりの勇者である俺をナメてかかってる連中を黙らせる代わりに、魔王討伐に関する手柄を全部寄越せって言ってるのと同じ事だよな?

別にそんな事してもらう必要もないけど、ここできっちり話を聞いてそれなりの対処をしておかないと、いつまでも厄介な事が付いて回りそうだ……。面倒臭い。


うーん。確か一部の貴族の間で王太子殿下の能力を疑問視する声があるんだっけ?
こりゃ確かに心配にもなるわ。


現在の国王陛下の子供は王太子殿下を筆頭に王子ばかりが五人。

それぞれに有力貴族の後ろだてが付いていて、水面下でごちゃごちゃと面倒な政権争いを繰り広げている上に、巷では理想の王子様といえば未だに先代の国王の時代の王子だったセドリックという認識が根強く、まだ成人したばかりで圧倒的に人気も実力も経験も不足している王太子殿下は正直色々パッとしない人らしい。


だから手っ取り早く一番手柄になって知名度があがりそうなところに目をつけたってことか……。

こんな事を言い出したのは、王太子殿下自身に何らかの焦りがある事を知っている誰かに唆された可能性もある。


目に見えてわかりやすい功績となるのは北の砦への遠征だが、成人したばかりで未熟な上に一応王位継承順位第一位で、絶対守らなきゃならない立場の人間を連れての遠征は、無駄に死者が増えるだけになりそうだから国がオッケーするわけないよな。

俺が勇者として魔王討伐に出向くことにより、今回の北の砦の遠征での危険度が下がり、セドリックの名前がより一層世間に知れ渡る可能性も高まったことも原因の一部かもしれないけど。

普通に考えれば王族出身で優秀なセドリックがこのポジションに就くのは国の采配として当たり前なんだけど、人間って陰でやってる地道な努力より、わかりやすく目に見える華やかさばかりに注目して羨ましがったり妬んだりするもんだからなぁ。

斯く云う俺もアイツの難しい立場ってもんを色々知るまでは、単なるイケ好かない人間だとしか思えなかったからあんまり他人のことどうこう言えない。


「とりあえず話はわかりました。どういう対応をするかは本人から直接話を聞いてからにします。人伝手に聞くのと本人から聞くのじゃ色々齟齬があるかもしれないし」

「コウキさんが大人の対応をしてくださるので助かります」


それって暗に大人の対応しろってことですかね?
言って通じる相手だったらいくらでもそうするんだけどな。
さてどうするか……。

色々考えを巡らせる俺に、さりげなく腕を掴んだままの宰相様が不敵に笑う。


「フフフ……。もう二度とこのようなフザケた考えを起こす人間が現れることのないようにするためにも、勇者という存在がどれだけ特別なものなのか周知徹底する良い機会に致しましょう。ご自分の言動ひとつでこの国どころかこの世界全体が取り返しのつかない状態になる可能性すらあることをちゃんとあの方に自覚していただけるのなら、ここで高い授業料を払うのも吝かではありませんから」


あ、これオプション料金発生案件にしていいんですか?

宰相様からオッケーもらったし。さて、何してもらおっかなー。



◇◆◇◆



王太子殿下の執務室に入ると、室内の応接セットのソファーには既に国王陛下とセドリックが座っていた。

そしてその向かい側に座っているのはおそらくこの部屋の主であり、俺を呼び出した張本人。
件の王太子殿下で間違いないだろう。

国王陛下やセドリックと同じ淡い金色の髪に紫色の瞳。

確か名前はアンドレイ・イライアス・アールグレーン。
成人したばかりの十五歳。

宰相様の息子のオレールや俺のところに代わる代わる筆下ろしにやってきたヤツらと同じ歳の筈なのに、アイツらより格段に幼く見えるのは童顔なのか経験値の差なのか。

ちょっと生意気そうな印象を受けるのは、俺が今のところコイツに良い印象抱いていないからだろう。


なんかホストやってた時に店にいた、やたらとビッグマウスの新人ホストを思い出すなぁ……。


『俺、天性のホスト体質なんで、すぐにナンバーワンになると思います!』

初めて店に来た日にそう言っていたアイツは今どうなってることやら。

アイツを見ていても天性のホスト体質ってのがどういう事を言っているのかさっぱり伝わって来なかったが、ホストが天職だと言われた俺からしてみると、使えない人材でしかなかったもんな。

お客様にちやほやされてお金使ってもらって貢がれて、大口叩いてりゃホストが務まると思ってる人間には何年かかってもナンバーワンは無理だろうと確信してるけど。
っていうかホスト自体やっていけてないんじゃないかな?


「召喚状に従い参上致しました。コウキ・ウサミでございます」


まずは丁寧に腰を折って挨拶すると国王様とセドリックは俺の顔を見て何とも言えない微妙な表情をした。

実はアイザックに頼んでこの二人にも王太子殿下から召喚状が来たことを知らせておいたし、宰相様と違ってこの場に同席するのは自由だが、俺が意見を求めたりするまでは基本このやり取りに口出ししないようお願いしてある。


何を心配してんのか知らないけど、相手が失礼な人間だからって俺まで失礼な真似はしないよ。
一応必要最低限の礼儀くらいは弁えてるし。なんたって大人だからさー。


「お前が勇者のくせにそれを隠して男娼をしていたという異世界人か。父上や叔父上が血相変えて駆けつけただけでなく、宰相まで付き添いに来るとは余程大事にされていると見える」


挨拶とか自己紹介とかわざわざここまで足を運んだことに対する労いの言葉もなしに、いきなりぶちかましてくれた王太子殿下に、俺以外の三人にピリッとした空気が流れる。

俺はというと。

この発言を許されてるオマエほどじゃねぇけどな……。

なんて腹の中で結構失礼な事を思いながらも、とりあえず無難に「畏れ入ります」とだけ返して次のリアクションまで黙っておくことにした。


「今日呼んだのは他でもない。魔王討伐に関することで私から提案があってな。
お前は伝説の勇者だと言われていても戦闘はずぶの素人で、しかも男娼を辞めた今でも大した訓練もせずに邸に引きこもっては男に抱かれていると聞いている。そんな状態ではお前の存在価値などないも同然。それでは魔王や魔物の脅威に怯える国民や他国に対し示しが付かない。
だからこの国の王太子としてお前のような者でも勇者としての責務をちゃんと果たせるよう協力してやろうと思ったのだ」


王太子殿下のお門違いも甚だしい提案を聞いて、部屋の温度が一気に下がった気がした。
誰か無意識に氷の魔法でも発動させてんのかな……。

斯く云う俺もさすがにちょっとムカついたかなー。

席を勧められることなく本題を切り出されるのは予想の範囲内だったし、さっき宰相様からコイツの用件とやらを聞いてたから驚きゃしないけど、ちょっとこれはねぇわ。

さて、どうするか。

隣に立っている宰相様にチラリと視線を送ると、やれとばかりに大きく頷かれた。

一応国王陛下とセドリックにも確認の意味で視線を向けると、硬い表情ながらも小さく頷いてくれたので、どう考えても時間の無駄でしかない茶番に付き合うのはこれで終わりということになった。


「お断り致します」

「何だと!?」


ニッコリ笑ってキッパリと言い切ると、王太子殿下はかなり激昂した様子で立ち上がり、声を荒げながら俺のすぐ側までやってきた。

俺とあんまり変わらない目線の王太子殿下からは怒りの感情が伝わってくる。
そしてどうやら威圧を発動しているらしく、その目力は半端ない。

でも残念なことに俺には全く効いてないんだよな。
威圧って自分より格下の相手にしか効かないからさ。
俺、一応勇者だし。


「王族である私の提案を断るなど許されると思ってるのか!そもそも貴様は自分の立場がわかっていないようだな!!」

「殿下こそ私がそれを許される立場だということをご存知ないようで」


その視線を軽く受け流し、わざと小馬鹿にした口調でキッパリとそう告げると、王太子殿下は驚きを露わにした。


「貴様!私の威圧が効かないのか!?」

「全く」

「何故だ!?」

「殿下より私の能力のほうが優れているからでしょう」

「男娼風情がぬけぬけと!!」

「その男娼風情に頼らないと魔王一匹倒すのにも四苦八苦だというのがこの世界の現実だって事、わかってます?」

「だからどうした!?勇者なんだから魔王を倒して世界を救うのは当たり前のことだろう!!」

「アンドレイッ!!」


ついに黙っていられなくなったらしい国王陛下が咎めるように王太子殿下の名前を呼んだが、もう口から出ちゃった言葉は無かったことには出来ないし、本人も事情をさっぱり理解していないのだから言うだけ無駄だ。


「王太子殿下のお考えはよーくわかりました」


俺は王太子殿下の胸ぐらを掴んで至近距離で視線を合わせると、さっきのお返しのつもりで威圧を発動させた。
途端に王太子殿下の身体が硬く強張る。


「威圧って格下の相手にしか効かないってこと、優れた血統をお持ちの上にそれに見合うだけの賢さを求められている王太子殿下なら、当然ご存知でしたよねぇ? 出過ぎたこと言っちゃってホント申し訳アリマセン」


暗にコイツのコンプレックスであろう王族としての能力不足を匂わす発言プラス全く心のこもっていない謝罪をしてやると、王太子殿下は悔しそうに俺を睨み付けてきた。

ほぼ全開状態の俺の威圧をまともに受けてまだこれだけのことが出来るんだから、王族としての気概だけは及第点といったところだろう。

コイツは王の器には色々足りない所がありそうだが、別の育ち方してたら意外と大成してたかもしれない。

──まあ、そんな事言ったところで、今やらかした事がチャラになるわけじゃないけどな。


俺は王太子殿下の胸ぐらを掴んだままより一層顔を近付けると、アメジストの瞳から視線を逸らすことなく唇を重ねてやった。
そして、何が起こっているのか理解出来ずに呆然としている王太子殿下の唇を無理矢理抉じ開けるように舌を侵入させていく。


言っとくけどこれはあくまでも俺を男娼だと蔑んでいる王太子殿下への嫌がらせで、他意はない。

あ、でも精神的にダメージを与えた上に、勝手に魔力も補給出来るから一石二鳥かも。


ある程度魔力が回復したことを実感できたところでやや乱暴に突き放すと、王太子殿下は身体をフラつかせながらも無様に膝を着くこともなく何とかその場に立ち俺を睨み続けていた。

ふーん。なかなかやるな。

ちょっとだけ感心しつつ親指の腹で唇を拭うと、自分の身に起きたことを漸く理解したらしい王太子殿下の顔が真っ赤に染まる。


「貴様ッ!なんと破廉恥なッ!!不敬罪で処罰してやる!!」


破廉恥って……。久々に聞いたなその言葉。
自動翻訳された結果がこれってことは、こっちの言葉でも最近あんまり使われない単語だったりするのかな?
意外と古風なのかも。

ひとり息巻く王太子殿下をキレイに無視して俺はそんな下らない事を考えつつ、再び威圧を発動させて他の三人とも視線を合わせる。

そして。


「とりあえず今回の対処はそちらにお任せします。でも次に似たような事があったら容赦しません。それ相応のモン差し出す覚悟でいてください。
あ、今回の件のサービス料金。後で請求するんでよろしくお願いします」


俺はそれだけ言い残すと、すぐに転移の魔法を使って邸に戻った。
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