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19.無駄な抵抗はやっぱり無駄 *

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これから男だらけの3P突入!というタイミングで以前も感じたことのある妙な浮遊感に見舞われた俺は、そのまま意識を失った。


程なくゆっくりと意識が浮上し、うっすらと目を開けると、そこは見慣れてる筈なのにどこか懐かしい感じすらする『現実の』俺の部屋だった。


光源氏でいた期間があまりに長く感じられて、一瞬自分が今、光源氏なのか源川 耀ようなのか、そしてこれが夢か現実か判断つきかねた俺は、一回目を閉じ深呼吸してからゆっくりと瞼を開けた。


白い天井に薄紫色のカーテン。パソコンデスクにテレビ。

どこを見てもあの平安チックな世界には存在しないものばかりであることに、漸く夢から覚めたのだと実感する。


やっと戻ってこれたんだ……!

あまりに長すぎる上にリアルな夢に、もう二度とここには戻ってこれないんじゃないかと思ったりもしていただけに、またこの部屋で目覚めることが出来たことが嬉しくて堪らない。

しかし喜び勇んで身体を起こそうとしたものの、夢の中の状態を継続しているかのように火照った身体は少しだけダルく、まるで酒を呑んだ時のような酩酊感も感じられ、すぐに脱力してしまった。

でも。


「よかった……。マジでよかった……」


戻って来れた喜びで意図せず呟きが零れ出たのと同時に、情けなくも涙腺が緩みかける。
俺は慌ててベッドサイドに置いてあるティッシュを取るため手を伸ばした。

その時。


「え……?」


身動ぎしただけなのに身体の奥底から覚えのあるあやしい疼きが湧いてきたことにギョッとする。

意識した途端。その疼きははっきりとした熱となって俺の全身を支配し、頭の中までトロトロに溶かされていくような錯覚に襲われた。


何で……?あれ夢だよな? まさかこれって桐山の時と同じってこと……?

さっきまで見ていた夢の内容と、前回戻ってきた時の状態を思い出し俺は内心超焦る。


そう言えばあの時も、夢の中であった事の感覚をそのままリアルに引き摺ってきたんじゃん。

──ってことは……?


俺は恐る恐る自分の下半身に手を伸ばす。

夢の中ではフル勃起で信じられないほどあっさりイカされていた俺のチンコは幸いまだ半勃ちで、勝手に暴発していた気配もない。

しかし履いてたものが濡れてなかったことにホッとしたのも束の間、すぐにそこに触れてしまった事を後悔する羽目になった。


「ん…ッ……」


指先がほんの少し触れたところから甘い疼きが駆け抜ける。

どう考えても将平にそっくりな頭の中将に盛られた秘薬の効果が、現実にもしっかり影響を及ぼしているのだとしか思えない。

っていうか、コレ。ホントにガチでヤバい。

あっという間にチンコは育つし、後ろの穴はヒクヒクし出すし、何よりその奥がもどかしいほどに激しく疼く。


俺は制服のズボンを下着ごと脱ぎ去ると、膝を立てた体勢で大きく脚を拡げた。

すぐにチンコを扱きながら、シャツを捲り上げ、さっき夢の中で六条にされた感覚が残っていたせいでジンジンしてる乳首を軽く摘まむ。


「んん…ッ……」


慣れた手付きで自分のモノを擦りあげれば、ビックリするほど早くスパークし、あまりの早漏ぶりに自分の事ながらちょっと引いた。

でももっと俺をドン引きさせたのは、一回イッたにもかかわらずおさまる気配を見せないどころか、益々酷くなってきた奥の疼き。


うん、ホントはわかってた。こんなんでおさまる筈ないってこと……。

あえて一番感じるであろうポイントを外したのは、なけなしのプライドっていうか、最後の抵抗っていうか。
自分でそこまでやっちゃったら、もう元の俺には戻れなそうな気がして怖かったからなんだけど。

それは無駄な抵抗ってやつだったってことを、すぐにたっぷりと思い知らされた。


「はぁ……。全然、足りない……」


熱い吐息と共に自然と洩れ出た呟き。
渇望って言葉の意味がスッゲー身に染みる。

余計に疼きが酷くなったことで俺の我慢はあっさり限界を迎え、ついに禁断の領域へと手を伸ばした。


「ぁん…ッ…」


本来なら固く閉じられている筈のその場所は、指先がちょっとあたっただけでも痺れるような快感をもたらし、物欲しそうに綻びかけているのがわかる。

しかし、いくら身体が熱く疼いてもっと奥のほうをどうにかしたい思っても、自然に濡れることのないその場所にすんなりと指を入れることは出来ず、俺は焦れったさのあまり泣きそうになった。

何で入んねぇんだよ……!

もどかしい気持ちでベッドサイドの棚を漁り、以前誰かからもらったっきり未開封のままだったハンドクリームのチューブを取り出すと、急いで蓋をあけて中身を手のひらに出してみた。

うん。使えそう。

それを指で掬って性急に尻穴の内部に塗り込める。
格段に滑りが良くなったおかげですんなりと入った指を数回抜き差ししてから、指を増やしてぐちゃぐちゃにかき混ぜた。


「は…ぁ…ッ…、んんッ…ぁ、あぁ…んッ」


右手で後孔を弄りながら、左手でチンコを扱くと、あまりの気持ちよさに、声と指の動きが止まらない。

ところが俺の指では本当に欲しいところまでは届かず、浅いところを刺激するだけの動きに段々と物足りなさを感じてしまった。

その時。


「耀、どうした!?苦しいのか!?」


血相を変えた将平がノックもせずに俺の部屋の扉を開ける。


「え!?」


そしていきなり目に飛び込んできた俺のあられもない姿を見て、完全に動きを止めた。

俺はというと。
普段だったらいくら気心が知れてる幼馴染の将平相手でも、アナニーしてる姿なんて見られちゃったら、羞恥で軽く死ねるレベルだが、残念な事に今日の俺にはそんなまともな事を感じる余裕すらない状態で。


「ん…ッ……、しょうへい……。自分の指じゃ奥まで届かなくて……、ツラい……。 おねがい……、どうにかして…ぇ…」


俺は少しも指の動きを止めることなく、それどころか将平によく見えるようより一層脚を大きく拡げると、半泣きになりながら訴えかけた。

将平は暫く俺のすることを驚きの表情で見ていたが、やがてその表情をガラリと変え口元に笑みを浮かべると、後ろ手にドアを閉めながらゆっくりと俺に近付いてきた。
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