想いの先にあるものは

みなみ ゆうき

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ベッドに寝かされたと思ったら、覆い被さってきた桐生部長によりすぐに荒々しく唇を奪われた。


先程バスルームで中途半端に煽られ触れられた場所だけでなく、身体の内側から絶えず湧いてくる疼くような熱に、俺はもどかしさを感じ腰をくねらせる。


さっきよりも更に大胆に俺の口腔内を動き回る舌に応えながらも、俺は早く次の段階に進んで欲しくて、桐生部長の首の後ろに腕を回し自ら脚を拡げた。


桐生部長は俺の意図に気付いたらしく、食らい付くようなキスを徐々に緩やかなものに変え、チュッと音を立てて唇を離した後、首筋へと移動させた。


首筋を辿り、鎖骨に口づけ、腋の下の薄い皮膚に唇を這わせてから胸の尖りをペロリと舐める。



「んぁ……ッ」



甘く痺れるような刺激に俺は堪らず身を捩った。



「ここ、どうされたい? 舐めたり吸ったり?それとも指で摘まんだり弾いたりとか?」



桐生部長はそう言うなり、左側の先端を口に含み舌先で転がしながら、右側を指先で摘まみ指の腹で撫でたのだ。



「あぁ…ッ、ん…ッ…、はぁッ…、ふ…ッ…、ん…ッ……」


「どっちが好き?答えて」



両方の乳首を同時に攻められ、バスルームでの刺激で既に熱を持ち始めていた下半身に、より一層熱が溜まっていく。


しかし、顕著な変化を見せている性器への刺激もさることながら、身体の奥で膨らんでいく甘い疼きを早く満たして欲しくて堪らなくなった俺は、いやいやと首を振った。



「それはどっちも好きってこと? それともここだけじゃ嫌だっていう意味?」



今の気持ちをズバリ言い当てられ、俺は肯定の返事をする代わりに、すっかり勃ちあがり自己主張している性器を桐生部長の男らしい身体に擦り付けた。



「そう焦るなよ。ここが気持ちいいってことは俺も充分知ってる。ここ以外で樹の好きな所がどこか教えてもらいたいって言ってるんだけどなぁ」



桐生部長は明らかに面白がってる様子で俺の顔をじっと見つめると、クニクニと乳首を捏ねながら、俺の性器に手を伸ばし、先端を指で軽く撫で始めたのだ。



「ぁん…ッ……」


「他にどこが好き?答えて。樹」



気持ちいいけど絶頂に達するには物足りない加減に、俺は自分の欲望に忠実になり、あられもなく恥ずかしい言葉を口にするべきか少しだけ迷った。



「桐生部長……」



結局。まだ手放しきれてない理性に邪魔され、どうして欲しいか言葉に出来なかった俺は、桐生部長に縋るような視線を送り察して欲しいと訴えてみる。


すると。



「ベッドの中でそんな呼び方すんなよ。仕事じゃないんだから。俺も樹って呼んでるし」



意外な事を指摘され、そういえばさっきから樹と呼ばれていたな、と今更ながらに気が付いた。



「名前で呼ばれるの嫌か?」



ざわざわと心の中にさざ波がたち、落ち着かない気持ちにさせられはしたものの、嫌だとまでは思わない。


正直どう呼ばれるかよりも、今目の前にある状態をどうにかして欲しくてたまらなかった俺は、ゆるゆると首を振ると、俺の乳首を弄っていた桐生部長の手を掴み、そのままその手を切ないほどに刺激を待ちわびる後孔へと導いた。
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