有能課長のあり得ない秘密

みなみ ゆうき

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飲み会からの帰り道。

漸く清雪さんと二人きりになれた俺は、言いたいことや聞きたいことが山ほど有りすぎて挙動不審状態になっていた。

さっき会話に加わった清雪さんは

『コイツは色んな意味で目が離せないんだよ』

っていう一言で片付けていたけれど、あの日のあれが偶然の出来事じゃなく、俺がいるのがわかっててやったことだとしたら一体どういうつもりだったのか物凄く気になる。


「清雪さん……」


沈黙に耐えきれず名前を呼ぶと、清雪さんは突然俺の手を取り人目につきにくい路地へと引っ張っていった。

そして。


「いいか? 一回しか言わないからよく聞けよ」


清雪さんはニコリともしないどころか、険しい表情で俺を睨み付けるとやや強い口調でそう念を押してきた。

今日一日視線を合わせることすらしてもらえなかっただけに、たったこれだけのことでも酷く堪らない気持ちにさせられる。

ああ、やっぱり俺はこの人が好きだ。

俺は今すぐにでも清雪さんを抱き締めてキスしたい衝動を必死にこらえると、視線を合わせたまま黙って頷いた。


「去年本社で見かけて以来キミが気になって仕方なかった。完全に私情で選んだ感は否めないが、実際にプロジェクトメンバーにキミが入ってくれて良かったと思っている。
そして、ミーティング前のアレはいつもやってることだが、あの日はあそこにキミがいるとわかっていてわざとやった。理由はキミを捕まえる絶好のチャンスだと思ったから。以上」

「え?」


意味がわからず聞き返した俺に清雪さんがニヤリと笑う。


「俺、負ける勝負はしない主義なんだ」


ってことは、正しく罠にかかったのは俺ってこと?
でもって、相当チョロいと思われてた?


単純な自分に軽く落ち込みそうになっていると、清雪さんがそっと俺の頬に触れた。


「とっておきの秘密を暴露してやったんだから、ご褒美くらい寄越せよ」


女王様な台詞とは裏腹に、清雪さんの頬や耳が赤く染まっている。

これって照れてるってことだよな?
もしかしてずっと素っ気なかったのもそういう理由?


「清雪さんのお望みのままに」


突然全ての謎が解けた後は、もう清雪さんに対する渇望しか残らなかった。

俺は性急にキスを仕掛けると、全てを奪い尽くす勢いで清雪さんの唇を貪ったのだった。
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