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始の太刀 天命の魔剣
第7話 姉妹の沐浴
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ベルイマンの屋敷の湯殿は、とにかく広いの一言だった。
大人五人が同時に足を延ばしても浸かっても、なお余裕がある浴槽。
磨き上げられた石材が敷き詰められた壮麗な流し場。計算されつくした位置に置かれた観賞用の彫刻。脱衣所も含めれば、総面積はちょっとした民家一軒分にも及ぶ大浴場だ。
一介の生活施設にここまで銭を惜しみなく使うのは、穢れを嫌う刀遣いの一族だからか。伯爵位の貴族は他にも何人かいるが、ここまで豪勢な浴場を所有している家はここをおいて他にはないだろう。
「お嬢様ぁ、湯加減はいかがですかー?」
間延びした幼い声が、湯殿の小さな格子窓の向こうから聞こえてくる。
「ありがとう。いいお湯ですよ」
「よかったですぅ」
肩まで湯船に浸かったローザリッタがやや声を張って応じると、にこやかな声が返ってきた。
窓の向こうで沸かしているのは、この屋敷で最年少の女中である。シルネオの街に拠点を構える商人の娘であるが、花嫁修業を兼ねて去年の冬から奉公に出ていた。
歳はまだ十二を数えたばかり。まだまだ家族が恋しい時分だろうに、親元を離れても一切泣き言を言わずに働く姿は、ローザリッタも感心するところだ。
彼女のような新人女中の仕事は、主に炊事や掃除などの水回りである。湯殿の準備もその一つ。水を汲み、薪を割り、火を焚く。まだまだ冷え込む日がある早春であっても汗だくになって行う重労働だ。
それだけの労力を使って用意されていながら、湯殿にはローザリッタとヴィオラの二人しかいなかった。二人の――と言っても、実質はローザリッタのみだが――ためだけにわざわざ風呂を準備するのは、まさに特権階級ならではだろう。
「いやあ、人に沸かしてもらう風呂ってのは、どうしてこう格別かねぇ」
湯の中で優雅に足を組み替えたヴィオラが満面の笑みを浮かべて言う。
水面から透けて見える彼女の裸身は実に健康的だった。背が高く、手足がすらりと長いヴィオラの体の輪郭は、まるで黒毛の猫を思わせるしなやかさだ。特に、腰から太腿にかけての曲線は、成熟した女性ならではのなまめかしさ。いくら胸が大きかろうと、まだまだ成長途中であるローザリッタには真似できない大人の色気である。
そもそも、ヴィオラの胸はそこまで小さくはない。
上下均等のふっくらとした丸みがある綺麗なお椀型で、先端がやや上を向くほどに張り、艶がある。背丈と肩幅のせいで相対的に小振りに見えるだけであり、悲観するどころか美乳と評して差し支えない。
「あー、朝の疲れが吹っ飛んでいくぜぇ」
心地よさに溶けそうになる体を浴槽の淵に置いた背中と肘で支え、ご満悦な表情で湯を楽しんでいる姿は、まるで自分がこの風呂の所有者と言わんばかりの貫禄だ。
肝心の主人はというと、ふんぞり返るヴィオラの隣でお行儀よくちょこんと湯船に浸かっていた。これでは、どっちが主人か分かったものではない。そもそも、これはローザリッタの禊ではなかったのか。何故、近侍であるヴィオラが主人以上に楽しんでいるのだろう。
「ヴィオラ様もどうですかぁ?」
「めっちゃいい。最高。あとでお菓子をあげような」
「わーい、やったぁ」
きゃっきゃ、と喜ぶ声。
可愛いもんだ、とヴィオラが微笑みを浮かべる。
言動からまったく想像できないが、ヴィオラの役職は令嬢付きの近侍。屋敷に勤める女中の中でも、かなり高位に位置している。働き始めたばかりの新米女中にとっては雲の上の存在であると同時に、憧れの的でもあった。
「お嬢にも、ああいう可愛い時期があったよなぁ。それがまあ、こんなに大きくなって……」
ヴィオラがちらりとローザリッタの胸元を眺めながら言った。
湯船の水面には、浮力で持ち上げられた彼女の乳房の一部が、ぷかりと顔をのぞかせている。まるで大海に浮かぶ二つの島。あるいは季節外れの西瓜。何を食べればこれほどまでに育つのだろう。
「親戚の叔母さんみたいなことを言いますね」
「しばくぞ。誰が叔母さんだ。お姉ちゃんと言いなさい」
「誰がお姉ちゃんですか」
だとしても、あくまで使用人に過ぎない人間が主人に対して横柄な態度を取れば厳罰は免れない。解雇はおろか、下手をすれば不敬罪で首を刎ねられる。
にも拘わらず、ヴィオラがそんな態度を許されているのは、マルクスの下知による部分が大きい。
『屋敷の中で、一人くらいは傅かないやつがいるほうが、一人っ子のローザにとっては勉強になるじゃろう。近侍であるうちは、ある程度の無礼は不問とする』
上下関係、主従関係がはっきりしている貴族の家庭環境では、その中間である対等な関係性――つまり、友人関係を構築し辛いもの。騎士団に属していた時に多くの得難い戦友を手に入れたマルクスとしては、箱入り娘であるローザリッタにも友達というものを養わせたかったのかもしれない。もっとも、二人はいささか年齢が離れているため、友というよりは姉妹のような関係性になってしまってはいるが。
また、ヴィオラが奥義伝承者であることも、特例に大きく影響している。
彼女以外にも女の遣い手もいないわけではないが、だいたいは〈空渡り〉の習得前――対人剣術のみの伝位で終わる。先天的に恵まれた肉体を持たない限りは、女の筋肉では〈空渡り〉の習得は不可能なのだ。
彼女は歴史を振り返ってみても非常に貴重な存在であり、加えて、今朝の追走劇でも分かるように、ローザリッタの暴走に追いつけるほどの腕前を持っている。近侍としてこの上ない逸材。先ほどの理由も含めて、マルクスが特例を許すのも頷けよう。
なので――
「おりゃ!」
ヴィオラはローザリッタを背中から出し決めるように手を回すと、ぷかぷか浮かぶ二つの西瓜玉を下から掬い上げるように、むんずと掴んだ。
「あー、確かに、この間より育っているな」
――こういうことも平気でする。
「なるほど。これなら、あの下着でも締め付けが苦しくなるか?」
ヴィオラは手のひらに収まりきらないそれを寄せたり、あるいは離したり、はたまた重さを確かめるように小刻みに揺らしたりして実態を観察する。指が動くたび、掌の中で桃色に上気した乳房がつきたての餅のように柔軟に形を変え、上下するたびにたぷたぷと波打った。
「……ちょっと、いつまで揉んでいるんです?」
いつまで経っても胸から離れないヴィオラに、ローザリッタは半眼で抗議する。
「やっばぁ……やっぱり無限に揉めるわ、これ……」
無心になって巨乳を揉みしだいているヴィオラに、心底嫌そうな顔をする。
「やめてくださいってば。揉まれるのは別にいいんですけど、揉めば大きくなるっていうじゃないですか。これ以上は本当に要らないんですよ。今だって苦労して剣を振っているんですから」
「お? なんだ? 喧嘩売ってるのか?」
「ちょっ」
いきなり敏感な部分をきゅっと摘ままれ、ローザリッタの肩がびくんと跳ねた。
「それは反則ですよっ」
「はは、悪ぃ悪ぃ」
抗議の視線から逃れるように、ヴィオラは逃げるように手を離した。
「お返しです!」
だが、ローザリッタは逃がさない。
わきわきと手を広げて、ヴィオラの胸に掴みかかった。
女二人の激突に湯船は耐えられなかった。激しく波打つお湯が浴槽の縁から溢れ、せっかく女中がかけてくれた労力とともに排水溝に流れていく。
――無論、ヴィオラもみっちり使用人教育を受けた一人前の女中だ。
自分の振る舞いが特例中の特例であることは重々理解している。多少、素が出ていることは否定しないが、その立場に胡坐をかくほど、彼女の近侍としての矜持は安くはない。あくまでマルクスの指示に従っているだけ。
もっとも、幼少期から一緒に過ごしてきたローザリッタを妹のように思っているのは、偽らざる本心なのだが。
「「はぁ……はぁ……」」
取っ組み合うことしばらく。呼吸を落ち着かせた二人は、改めて湯に浸かり直す。
「お湯は無駄遣いしちゃいけないな」
「はい。沸かしてくれた人に申し訳ないです」
真顔で頷き合い、心の中で外にいる幼い女中に謝罪する。
「しかし、下着をまったくつけないのは感心しないぞ。森でも言ったけど、若いうちにちゃんと整形しておかないとすぐ垂れるんだからな。すぐに仕立て屋を手配するから、それまでは頑張って着けてくれよ」
ヴィオラの申し出に、ローザリッタは首を横に振った。
「仕立て屋さんは今度でいいです。猶予は七日しかありませんから、採寸の時間がもったいない。今は灯篭斬りの攻略に、できるだけ時間を当てたいと思っています」
「灯篭斬りねぇ……石灯篭なんて本当に斬れるのかね?」
うーん、と伸びをしながら、ヴィオラが問いかけた。ローザリッタから聞かされた勝負の内容に半信半疑な様子である。
「石工だって、専用の道具を使って石切をする。刀で力任せにぶっ叩いたって斬れるとは到底思えないがな」
実に模範的な解答だとローザリッタは思った。彼女も、目の前であれを見る以前はそう考えていたからだ。
「……信じがたいことですが、この目で見ました。お父様は本当に石灯篭を斬った。斬れた以上は技術的には可能なものなのでしょう。……問題は、わたしがそれを再現できるかです」
とりあえず、こうじゃないかと当たりはつけたものの、果たしてそれで合っているのか確証はない。一回でできる保証もない。もし、これでできなかった打つ手が――いや、今は考えるのをやめよう。ローザリッタは迷いを振り切るように、湯を掬って顔にかけた。
「うまくいけばいいが、できなきゃ結婚……ときたもんだ。お館様も随分、追い詰めてくるな」
「大方、失敗したら家出するとでも思っているんでしょう」
「朝の大脱走を見れば、そう考えるのも無理ないわな。お願いだから、家出とかしてくれるなよ? 追いかけるのはあたしなんだからな?」
「……それはどうでしょうね」
不穏なことを口走る主人にヴィオラは溜め息を吐き、くるりと体をひねって背中を水面に向ける。湯の雫が背筋の曲線に沿って流れ、湯船の中に還っていった。
「それはそうと。お嬢を結婚させるったって言っても、相手は誰になるんだろうな?」
「…………」
問いかけに、ローザリッタは何も返さなかったが、ヴィオラは言葉を重ねる。
「自分の伴侶のことだぞ。もうちょっと関心を持てよ」
「今は灯篭斬りのことだけ考えたいんですよ」
ローザリッタの声にやや苛立ちが籠っているのは、これを逃せば後がないという重圧からだろうか。
「そう怖い顔すんなって。お嬢にとって結婚は、武者修行に出たって付きまとう問題じゃないか。お嬢はあれだろ、別に結婚したくないとか、伯爵家を継ぎたくないとか、そういうわけじゃないんだろ?」
「……それはまあ、そうですが」
「だったらさ、別に無駄な話なんかじゃねぇよ。そうやって思いつめると心が縛られる。心が縛られれば身が縛られ、身が縛られれば技も縛られる。そんな有様じゃ、灯篭どころか巻藁だって斬れねぇさ。だったら、せめて前向きに明るい話をしようぜ」
「……ヴィオラの言うことも一理ありますね」
剣における心と体の関係は充分理解している。真剣に取り組むことは大事だが、それで足元が見えなくなっては本末転倒だ。渋々、ローザリッタはヴィオラの話に付き合うことにする。
「お婿さんなら……そうですね、師範代が良いです」
「ほほう」
ヴィオラが面白そうに口角を上げる。
「師範代か。そっかぁ。この間まで親戚のお兄ちゃんって慕っていたもんなぁ。そうかそうか。やっぱり年上っていいよな。包容力は大事だ」
「あ、いえ。妥当だなと思っただけです」
さらり、とローザリッタは言った。
「他家から婿を取るとなると、どうしても家の乗っ取りが懸念されますから。師範代はお父様の従弟の息子ですし、血筋もはっきりしています。剣の腕前も免許皆伝。単純な強さはともかく、ベルイマン一門の中ではお父様に次ぐ地位です。伯爵家の権威を悪用しようとする、どこの馬の骨とも知れない男よりは、よっぽど説得力があるでしょう」
「……なんだよ、つまんねーの」
ヴィオラが頬杖を突いた。
「結婚ってのは女の一大事だぞ。やんごとない事情から逃れられないのはわかるけど、そんな打算ばっかりじゃ結婚生活、楽しくないぜ。許される範疇で、女の幸せを求めてもいいと思うけどな」
「……そんなの。わたしには贅沢すぎる――」
「あん?」
思わず漏れかけた言葉を、ローザリッタは引っ込める。
「……独身のくせに、既婚者みたいに語りますねって言ったんです。わたしの心配もいいですが、ヴィオラこそどうなんですか。このまま、わたしのお世話ばっかりしていると、行き遅れちゃいますよ?」
この国に限ったことではないが、当世では女性の結婚年齢は若い。子供の早死にが絶えないこの時代では、母子ともに健康で出産できる期間は長いほうが良いからだ。ローザリッタのように元服を迎えてすぐ嫁ぐ女性も珍しくない。
それに対してヴィオラは……この国の結婚適齢期としては、その、なんというか、ぎりぎりだった。
「うるせ。あたしは仕事が充実している今が楽しいんだよ」
「歳を取って働けなくなったら、誰が面倒見るんですか」
「生涯現役のつもりだからいいんだよ。……まあでも、そうだな。結婚するなら、そりゃやっぱり好きな男がいいな。うん。お嬢に、そういう意中の男はいないのか?」
「打算抜きで、わたしが好ましく思っている殿方ですか……うーん」
ローザリッタは唸り続ける。悩むばかりで答えがなかなか出てこない。口に出すのが恥ずかしいわけではなく、本当に候補がいないのだろう。かといって、このままただ待っていてものぼせてしまう。
「年頃の女がそこまで悩むことかよ。うちにいないんだったら、ほら、イール地方のバーウェル伯のところの次男さんとかどうだ。名前は忘れたけど、絶世の美男子って噂だぜ。社交界じゃすごいモテるんだ……って、なんだよ、その興味なさそうな顔」
「いくら顔がよかろうが、会ったこともない人は候補に入りませんって。それに、お父様以上に強くてかっこいい殿方がそうそういるとも思えませんし」
「いがみ合っているくせに、根っこじゃお父さん大好きっ娘なんだよなぁ……」
言い切るローザリッタに、ヴィオラが呆れたような顔になる。
「……あ。そういえば、一人だけいました。好きな人」
「お、だれだれ?」
ようやく出てきた解答に、ヴィオラがわくわくしながらローザリッタに顔を近づけた。絶対に聞き漏らすまい、という思いが伝わってくる。
「ヴィオラですよ」
そんな近侍に、きっぱりとローザリッタは宣言した。
「会ったことがない絶世の美男子よりも、いつもそばにいてくれるヴィオラと結婚したいです……もちろん、ヴィオラが殿方だったらって仮定の話ですけどね」
そう悪戯っぽく付け加えると、ローザリッタはちろりと舌をした。
頬を染めたヴィオラは顔の半分まで湯船に沈めると、何やら泡を吐き始める。
「がぼ、がぼぼぼぼぼ、がぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ」
「え? なんと言いました?」
「がぼぼぼぼぼ」
主従二人は湯船の中で、在り得もしない話に花を咲かせる。
――大いなる試練に挑む前の、ささやかな休息と言わんばかりに。
大人五人が同時に足を延ばしても浸かっても、なお余裕がある浴槽。
磨き上げられた石材が敷き詰められた壮麗な流し場。計算されつくした位置に置かれた観賞用の彫刻。脱衣所も含めれば、総面積はちょっとした民家一軒分にも及ぶ大浴場だ。
一介の生活施設にここまで銭を惜しみなく使うのは、穢れを嫌う刀遣いの一族だからか。伯爵位の貴族は他にも何人かいるが、ここまで豪勢な浴場を所有している家はここをおいて他にはないだろう。
「お嬢様ぁ、湯加減はいかがですかー?」
間延びした幼い声が、湯殿の小さな格子窓の向こうから聞こえてくる。
「ありがとう。いいお湯ですよ」
「よかったですぅ」
肩まで湯船に浸かったローザリッタがやや声を張って応じると、にこやかな声が返ってきた。
窓の向こうで沸かしているのは、この屋敷で最年少の女中である。シルネオの街に拠点を構える商人の娘であるが、花嫁修業を兼ねて去年の冬から奉公に出ていた。
歳はまだ十二を数えたばかり。まだまだ家族が恋しい時分だろうに、親元を離れても一切泣き言を言わずに働く姿は、ローザリッタも感心するところだ。
彼女のような新人女中の仕事は、主に炊事や掃除などの水回りである。湯殿の準備もその一つ。水を汲み、薪を割り、火を焚く。まだまだ冷え込む日がある早春であっても汗だくになって行う重労働だ。
それだけの労力を使って用意されていながら、湯殿にはローザリッタとヴィオラの二人しかいなかった。二人の――と言っても、実質はローザリッタのみだが――ためだけにわざわざ風呂を準備するのは、まさに特権階級ならではだろう。
「いやあ、人に沸かしてもらう風呂ってのは、どうしてこう格別かねぇ」
湯の中で優雅に足を組み替えたヴィオラが満面の笑みを浮かべて言う。
水面から透けて見える彼女の裸身は実に健康的だった。背が高く、手足がすらりと長いヴィオラの体の輪郭は、まるで黒毛の猫を思わせるしなやかさだ。特に、腰から太腿にかけての曲線は、成熟した女性ならではのなまめかしさ。いくら胸が大きかろうと、まだまだ成長途中であるローザリッタには真似できない大人の色気である。
そもそも、ヴィオラの胸はそこまで小さくはない。
上下均等のふっくらとした丸みがある綺麗なお椀型で、先端がやや上を向くほどに張り、艶がある。背丈と肩幅のせいで相対的に小振りに見えるだけであり、悲観するどころか美乳と評して差し支えない。
「あー、朝の疲れが吹っ飛んでいくぜぇ」
心地よさに溶けそうになる体を浴槽の淵に置いた背中と肘で支え、ご満悦な表情で湯を楽しんでいる姿は、まるで自分がこの風呂の所有者と言わんばかりの貫禄だ。
肝心の主人はというと、ふんぞり返るヴィオラの隣でお行儀よくちょこんと湯船に浸かっていた。これでは、どっちが主人か分かったものではない。そもそも、これはローザリッタの禊ではなかったのか。何故、近侍であるヴィオラが主人以上に楽しんでいるのだろう。
「ヴィオラ様もどうですかぁ?」
「めっちゃいい。最高。あとでお菓子をあげような」
「わーい、やったぁ」
きゃっきゃ、と喜ぶ声。
可愛いもんだ、とヴィオラが微笑みを浮かべる。
言動からまったく想像できないが、ヴィオラの役職は令嬢付きの近侍。屋敷に勤める女中の中でも、かなり高位に位置している。働き始めたばかりの新米女中にとっては雲の上の存在であると同時に、憧れの的でもあった。
「お嬢にも、ああいう可愛い時期があったよなぁ。それがまあ、こんなに大きくなって……」
ヴィオラがちらりとローザリッタの胸元を眺めながら言った。
湯船の水面には、浮力で持ち上げられた彼女の乳房の一部が、ぷかりと顔をのぞかせている。まるで大海に浮かぶ二つの島。あるいは季節外れの西瓜。何を食べればこれほどまでに育つのだろう。
「親戚の叔母さんみたいなことを言いますね」
「しばくぞ。誰が叔母さんだ。お姉ちゃんと言いなさい」
「誰がお姉ちゃんですか」
だとしても、あくまで使用人に過ぎない人間が主人に対して横柄な態度を取れば厳罰は免れない。解雇はおろか、下手をすれば不敬罪で首を刎ねられる。
にも拘わらず、ヴィオラがそんな態度を許されているのは、マルクスの下知による部分が大きい。
『屋敷の中で、一人くらいは傅かないやつがいるほうが、一人っ子のローザにとっては勉強になるじゃろう。近侍であるうちは、ある程度の無礼は不問とする』
上下関係、主従関係がはっきりしている貴族の家庭環境では、その中間である対等な関係性――つまり、友人関係を構築し辛いもの。騎士団に属していた時に多くの得難い戦友を手に入れたマルクスとしては、箱入り娘であるローザリッタにも友達というものを養わせたかったのかもしれない。もっとも、二人はいささか年齢が離れているため、友というよりは姉妹のような関係性になってしまってはいるが。
また、ヴィオラが奥義伝承者であることも、特例に大きく影響している。
彼女以外にも女の遣い手もいないわけではないが、だいたいは〈空渡り〉の習得前――対人剣術のみの伝位で終わる。先天的に恵まれた肉体を持たない限りは、女の筋肉では〈空渡り〉の習得は不可能なのだ。
彼女は歴史を振り返ってみても非常に貴重な存在であり、加えて、今朝の追走劇でも分かるように、ローザリッタの暴走に追いつけるほどの腕前を持っている。近侍としてこの上ない逸材。先ほどの理由も含めて、マルクスが特例を許すのも頷けよう。
なので――
「おりゃ!」
ヴィオラはローザリッタを背中から出し決めるように手を回すと、ぷかぷか浮かぶ二つの西瓜玉を下から掬い上げるように、むんずと掴んだ。
「あー、確かに、この間より育っているな」
――こういうことも平気でする。
「なるほど。これなら、あの下着でも締め付けが苦しくなるか?」
ヴィオラは手のひらに収まりきらないそれを寄せたり、あるいは離したり、はたまた重さを確かめるように小刻みに揺らしたりして実態を観察する。指が動くたび、掌の中で桃色に上気した乳房がつきたての餅のように柔軟に形を変え、上下するたびにたぷたぷと波打った。
「……ちょっと、いつまで揉んでいるんです?」
いつまで経っても胸から離れないヴィオラに、ローザリッタは半眼で抗議する。
「やっばぁ……やっぱり無限に揉めるわ、これ……」
無心になって巨乳を揉みしだいているヴィオラに、心底嫌そうな顔をする。
「やめてくださいってば。揉まれるのは別にいいんですけど、揉めば大きくなるっていうじゃないですか。これ以上は本当に要らないんですよ。今だって苦労して剣を振っているんですから」
「お? なんだ? 喧嘩売ってるのか?」
「ちょっ」
いきなり敏感な部分をきゅっと摘ままれ、ローザリッタの肩がびくんと跳ねた。
「それは反則ですよっ」
「はは、悪ぃ悪ぃ」
抗議の視線から逃れるように、ヴィオラは逃げるように手を離した。
「お返しです!」
だが、ローザリッタは逃がさない。
わきわきと手を広げて、ヴィオラの胸に掴みかかった。
女二人の激突に湯船は耐えられなかった。激しく波打つお湯が浴槽の縁から溢れ、せっかく女中がかけてくれた労力とともに排水溝に流れていく。
――無論、ヴィオラもみっちり使用人教育を受けた一人前の女中だ。
自分の振る舞いが特例中の特例であることは重々理解している。多少、素が出ていることは否定しないが、その立場に胡坐をかくほど、彼女の近侍としての矜持は安くはない。あくまでマルクスの指示に従っているだけ。
もっとも、幼少期から一緒に過ごしてきたローザリッタを妹のように思っているのは、偽らざる本心なのだが。
「「はぁ……はぁ……」」
取っ組み合うことしばらく。呼吸を落ち着かせた二人は、改めて湯に浸かり直す。
「お湯は無駄遣いしちゃいけないな」
「はい。沸かしてくれた人に申し訳ないです」
真顔で頷き合い、心の中で外にいる幼い女中に謝罪する。
「しかし、下着をまったくつけないのは感心しないぞ。森でも言ったけど、若いうちにちゃんと整形しておかないとすぐ垂れるんだからな。すぐに仕立て屋を手配するから、それまでは頑張って着けてくれよ」
ヴィオラの申し出に、ローザリッタは首を横に振った。
「仕立て屋さんは今度でいいです。猶予は七日しかありませんから、採寸の時間がもったいない。今は灯篭斬りの攻略に、できるだけ時間を当てたいと思っています」
「灯篭斬りねぇ……石灯篭なんて本当に斬れるのかね?」
うーん、と伸びをしながら、ヴィオラが問いかけた。ローザリッタから聞かされた勝負の内容に半信半疑な様子である。
「石工だって、専用の道具を使って石切をする。刀で力任せにぶっ叩いたって斬れるとは到底思えないがな」
実に模範的な解答だとローザリッタは思った。彼女も、目の前であれを見る以前はそう考えていたからだ。
「……信じがたいことですが、この目で見ました。お父様は本当に石灯篭を斬った。斬れた以上は技術的には可能なものなのでしょう。……問題は、わたしがそれを再現できるかです」
とりあえず、こうじゃないかと当たりはつけたものの、果たしてそれで合っているのか確証はない。一回でできる保証もない。もし、これでできなかった打つ手が――いや、今は考えるのをやめよう。ローザリッタは迷いを振り切るように、湯を掬って顔にかけた。
「うまくいけばいいが、できなきゃ結婚……ときたもんだ。お館様も随分、追い詰めてくるな」
「大方、失敗したら家出するとでも思っているんでしょう」
「朝の大脱走を見れば、そう考えるのも無理ないわな。お願いだから、家出とかしてくれるなよ? 追いかけるのはあたしなんだからな?」
「……それはどうでしょうね」
不穏なことを口走る主人にヴィオラは溜め息を吐き、くるりと体をひねって背中を水面に向ける。湯の雫が背筋の曲線に沿って流れ、湯船の中に還っていった。
「それはそうと。お嬢を結婚させるったって言っても、相手は誰になるんだろうな?」
「…………」
問いかけに、ローザリッタは何も返さなかったが、ヴィオラは言葉を重ねる。
「自分の伴侶のことだぞ。もうちょっと関心を持てよ」
「今は灯篭斬りのことだけ考えたいんですよ」
ローザリッタの声にやや苛立ちが籠っているのは、これを逃せば後がないという重圧からだろうか。
「そう怖い顔すんなって。お嬢にとって結婚は、武者修行に出たって付きまとう問題じゃないか。お嬢はあれだろ、別に結婚したくないとか、伯爵家を継ぎたくないとか、そういうわけじゃないんだろ?」
「……それはまあ、そうですが」
「だったらさ、別に無駄な話なんかじゃねぇよ。そうやって思いつめると心が縛られる。心が縛られれば身が縛られ、身が縛られれば技も縛られる。そんな有様じゃ、灯篭どころか巻藁だって斬れねぇさ。だったら、せめて前向きに明るい話をしようぜ」
「……ヴィオラの言うことも一理ありますね」
剣における心と体の関係は充分理解している。真剣に取り組むことは大事だが、それで足元が見えなくなっては本末転倒だ。渋々、ローザリッタはヴィオラの話に付き合うことにする。
「お婿さんなら……そうですね、師範代が良いです」
「ほほう」
ヴィオラが面白そうに口角を上げる。
「師範代か。そっかぁ。この間まで親戚のお兄ちゃんって慕っていたもんなぁ。そうかそうか。やっぱり年上っていいよな。包容力は大事だ」
「あ、いえ。妥当だなと思っただけです」
さらり、とローザリッタは言った。
「他家から婿を取るとなると、どうしても家の乗っ取りが懸念されますから。師範代はお父様の従弟の息子ですし、血筋もはっきりしています。剣の腕前も免許皆伝。単純な強さはともかく、ベルイマン一門の中ではお父様に次ぐ地位です。伯爵家の権威を悪用しようとする、どこの馬の骨とも知れない男よりは、よっぽど説得力があるでしょう」
「……なんだよ、つまんねーの」
ヴィオラが頬杖を突いた。
「結婚ってのは女の一大事だぞ。やんごとない事情から逃れられないのはわかるけど、そんな打算ばっかりじゃ結婚生活、楽しくないぜ。許される範疇で、女の幸せを求めてもいいと思うけどな」
「……そんなの。わたしには贅沢すぎる――」
「あん?」
思わず漏れかけた言葉を、ローザリッタは引っ込める。
「……独身のくせに、既婚者みたいに語りますねって言ったんです。わたしの心配もいいですが、ヴィオラこそどうなんですか。このまま、わたしのお世話ばっかりしていると、行き遅れちゃいますよ?」
この国に限ったことではないが、当世では女性の結婚年齢は若い。子供の早死にが絶えないこの時代では、母子ともに健康で出産できる期間は長いほうが良いからだ。ローザリッタのように元服を迎えてすぐ嫁ぐ女性も珍しくない。
それに対してヴィオラは……この国の結婚適齢期としては、その、なんというか、ぎりぎりだった。
「うるせ。あたしは仕事が充実している今が楽しいんだよ」
「歳を取って働けなくなったら、誰が面倒見るんですか」
「生涯現役のつもりだからいいんだよ。……まあでも、そうだな。結婚するなら、そりゃやっぱり好きな男がいいな。うん。お嬢に、そういう意中の男はいないのか?」
「打算抜きで、わたしが好ましく思っている殿方ですか……うーん」
ローザリッタは唸り続ける。悩むばかりで答えがなかなか出てこない。口に出すのが恥ずかしいわけではなく、本当に候補がいないのだろう。かといって、このままただ待っていてものぼせてしまう。
「年頃の女がそこまで悩むことかよ。うちにいないんだったら、ほら、イール地方のバーウェル伯のところの次男さんとかどうだ。名前は忘れたけど、絶世の美男子って噂だぜ。社交界じゃすごいモテるんだ……って、なんだよ、その興味なさそうな顔」
「いくら顔がよかろうが、会ったこともない人は候補に入りませんって。それに、お父様以上に強くてかっこいい殿方がそうそういるとも思えませんし」
「いがみ合っているくせに、根っこじゃお父さん大好きっ娘なんだよなぁ……」
言い切るローザリッタに、ヴィオラが呆れたような顔になる。
「……あ。そういえば、一人だけいました。好きな人」
「お、だれだれ?」
ようやく出てきた解答に、ヴィオラがわくわくしながらローザリッタに顔を近づけた。絶対に聞き漏らすまい、という思いが伝わってくる。
「ヴィオラですよ」
そんな近侍に、きっぱりとローザリッタは宣言した。
「会ったことがない絶世の美男子よりも、いつもそばにいてくれるヴィオラと結婚したいです……もちろん、ヴィオラが殿方だったらって仮定の話ですけどね」
そう悪戯っぽく付け加えると、ローザリッタはちろりと舌をした。
頬を染めたヴィオラは顔の半分まで湯船に沈めると、何やら泡を吐き始める。
「がぼ、がぼぼぼぼぼ、がぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ」
「え? なんと言いました?」
「がぼぼぼぼぼ」
主従二人は湯船の中で、在り得もしない話に花を咲かせる。
――大いなる試練に挑む前の、ささやかな休息と言わんばかりに。
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