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始の太刀 天命の魔剣
第11話 辺境都市の喧騒
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喧騒漂う目抜き通りを、ローザリッタとヴィオラはひっそりと歩いていた。
街路の石畳を歩く二人は道着、あるいは侍女服の上から外套を羽織っている。寒いからではなく、身分を隠すためだ。いわゆるお忍びの格好である。
シルネオの街は身分や職業ごとに区分された都市構造をしている。二人が目指している鍛冶町は、表通りにある町方側の奥にあった。
刀鍛冶や研ぎ師のみならず、金工師、鍔工師に至るまで優秀な人材が揃っている。シルネオの鍛冶屋に直せないものはないが、シルネオの鍛冶屋でしか直せないものは山ほどある、と職人たちは豪語するほどだ。
そこならば破損したローザリッタの刀も問題なく修繕できるだろうし、類似する体験をしたことがある剣士の情報も聞き出せるかもしれない。
「今日も参拝客が多いこって。お館様の政策の賜物だな」
途切れない人の波を眺めながら、ヴィオラが皮肉気に言った。
昼下がりシルネオの街は、マルクスの威光をあやかりに来た〈モリスト詣で〉の旅人たちで祭りのような賑わいを見せている。
その中心にあるのが――
「おお……! これが王国最強の剣士、マルクス殿のお姿か!」
「なんと勇ましい!」
「いつか、俺もこんな像を建ててもらえるような、立派な剣士になってやるぜ!」
――大通りの広場に異様な迫力を伴って鎮座する、見上げるほど巨大なマルクスの石像であった。
「……なんともはや。相変わらず、そっくりですね」
少し離れたところ歩いていたローザリッタが、石に刻まれたマルクスを見て呟く。
もともとはただの冷たい岩石のはずなのに、まるで本物のような真実味、今にも動き出しそうな躍動感がある。実の娘であるローザリッタだからこそ、この石像の完成度がいかに高いかが理解できる。これを彫った職人は神域の天才だったに違いない。
……余談ではあるが。
この像は未来の大剣豪たちからありがたがられる反面、あまりに出来が良すぎるためか、町方のお母さんたちから『言うこと聞かないと領主様が頭かち割りに来るよ』などと、駄々をこねる子供への脅し文句として引き合いに出されることがある。
他にも夜中になると目が光るだの、敵が攻めてきたら勝手に動き出すだの――彼の威光が一人歩きして生まれた噂がいくつもある。
ふと、目から光条を迸らせながら、夜な夜な外敵と戦う石像の父を想像し、吹き出しそうになった。いけない、いけない。喧嘩中なのに。
「こんなものの作製を善しとしたあたり、お館様も意外と自己顕示欲が強いのかもしれないな」
「観光地化政策はお父様の立案でした。街の商業を活発にするにあたって、目玉とするものが欲しかったんでしょう。目に見える観光資源がないですし、うちは基本的に稽古の公開を禁止していますから」
門外不出の家伝ですし、とローザリッタは言う。
エリム古流は門人以外には技を絶対に公開しない。それは、剣や剣技というものが神秘的なものとして捉えられていた時代の名残である。
実践や体得はともかくとして、『技』というものは動作の一つひとつを細かく分解し、解説を受ければ、常人であっても理解することはできる。
だが、それを知らない人々からすれば、剣士の遣う技というものは『なんだかわけがわからないうちに相手を倒してしまうもの』に見える。さながら妖術や魔法のような神秘的なものの如くに。
しかし、先述したように、剣技はあくまで技術。
魔法や妖術と違って、常人でも理解できるものなのだ。それを晒すということは、いずれ自分の地位や優位性を脅かす。その怖さを知っているが故に、実戦派の剣術流派は決して公に手の内を晒すことはしない。
……のだが、近代の剣術流派の中には、稽古風景をあえて公開したり、衆目の前で試合稽古をしたりすることで金銭を得ようとする俗物的な道場もある。屈強な剣士たちがやっとうと打ち合い、勝ったり負けたりする姿は娯楽に飢えた町人たちにとって、見物料を払っても見てみたい刺激的な見世物に映るのだろう。
そういった道場も、技術の漏洩に関しては一応の対策を考えているようで、型の中に崩しと呼ばれる隠蔽を行うことで、理合を見抜けないようにする工夫を行っているらしいが――ローザリッタに言わせてば、いつまで持つことやら、といった感想だ。
「お館様の名声と古流の看板を売り物にしているようで、あたしゃ、どうかなぁと思っているよ」
ヴィオラはいまいち納得がいっていないような口ぶりだ。
実際に稽古を開示しているわけでも、見世物にしているわけでもないのだが、それでも銭を得るために剣を売り物にするという意味では、似たような感じを覚えるのだろう。
「同感ですが、実際に結果を出していますからね。文句は言えません」
伝統だけで食べていけるのなら苦労はしない。時代は変わる。時世も変わる。その時々に合った政策を打ち出し、民の生活を豊かにすることこそが為政者の腕の見せ所だ。
その意味で、絶対にどうしようもないもの以外、使えるものは何でも使うマルクスは、古流の秘伝を守りつつ、新しいことも率先して取り入れる気鋭の領主であり、目の前に広がる人いきれのする雑踏がその手腕を物語っている。
「お」
鍛冶町に続く道に入る直前、ヴィオラが何かに気づいたような声を出す。
「お嬢、見てみろよ」
ヴィオラが指さしたのは少し先に構えている衣料店だ。別の地方から仕入れたであろう、このあたりでは馴染みのない染物が店先に並べられている。
吸い寄せられるように店先へ行くヴィオラ。軒先に並べられたものだけでも、色とりどりの反物が売られている。絹、木綿、麻――素材も高級品から、庶民向けのお手頃な価格のものまで様々だ。
「いい色味だな。そうだ、お嬢。下着を新調しよう」
またか、とローザリッタは嫌そうな顔をする。
「もう、仕立屋さんは今度でいいって言ったじゃないですか。ちゃんとヴィオラに言われた通り、きつくても着けていますから」
ローザリッタはぽんぽん、と外套の上から自分の胸を叩いた。
「違う違う。あたしが縫製してやるって言っているんだよ」
反物の一つを手に取りながら、ヴィオラが言った。
当世では、身に纏う衣装の入手法は自分で繕うか、仕立屋に依頼して繕ってもらうかの二つの手段しかない。既製品もなくはないが、どちらかと言えば、それは中古服に該当する。
仕立屋は依頼主の要望を、体格や生活様式に合わせて作成する。専門家である以上、品質こそを至上としているため、布地や装飾品、高額な素材を用いるため費用は高額だ。
そのため、そんな資金を持ち合わせていない町民のほとんどは手ずから衣装を作って、賄っている。針仕事は町民の間でも普遍的な職業の一つでもあったため、その修練を兼ねて、元服までに自分の花嫁衣裳を作るという風習がある家も珍しくなかった。
無論、下着の類もそうだ。
王国の賢者たちは肌の保護、体温調整、衛生などの観点から下着の着用を領民に推奨していることもあって、町民の間でも縫製の手法は定着している。それどころか、下着専門の縫製の手仕事もあるくらいだ。
ヴィオラは近侍であると同時に女中でもある。炊事、洗濯、掃除。そして裁縫。家事にまつわることはすべて叩き込まれている。仕立屋のような専門的なものは無理にしても、庶民的なものであれば拵えることは造作もない。
「着けないのは論外だが、締め付けすぎも善くない。針金も革も使わない、庶民風のやつならそこまで時間もかからないし」
「こだわりますね」
「あのな。お嬢。女は誰でも婆になるにつれて垂れていくんだよ。それは自然の摂理。どうしようもないことだ。形が整った胸の土台は、肌が若くて張りがある今しか作れない。後から欲しいと思っても手に入らないんだよ。わかるか? お嬢が武者修行は今じゃなきゃって考えているのと同じなんだ」
「同じにしないでくださいます⁉」
思わず荒っぽい声が出た。実に心外である。
「もう、結婚だって絵空事じゃなくなったんだ。当主になれば、嫌でも外の連中と関わらなきゃならん。そうなった時、女の美しさってのは交渉の一つに武器になる。持っているものは磨いておいて損はないってだけだよ」
「だから、そういうのは武者修行のあとでって言っているじゃないですか」
「剣術十年、槍三年って言うだろ。何事も、実になるには相応の時間がかかるんだよ。やるなら、今のうちからやっておかないと。胸はまだまだ成長期だろうしな」
「せめて、縦に伸びてくれれば……」
ローザリッタはどんよりした顔をする。ここしばらく胸部は肥大化する一方だったが、それとは裏腹に身長のほうは伸びる気配が微塵も見けられなかった。骨格的にはここらで打ち止めなのかもしれない。
「正直、わたしはヴィオラが羨ましいです。背が高くて、すらっと手足が長くて。それだけの体格があれば、もっと筋肉だってつけることができたでしょうに」
「何でも剣術基準かよ。お嬢くらいの背丈のほうが可愛いじゃんか」
「可愛いだけで勝てれば苦労しませんよ」
贅沢な悩みだ、とお互いに思う。
そんな軽口を叩き合う二人の姿は、やはり友というよりは仲のいい姉妹だろう。
「……ほら、もう行きますよ!」
さっきから店主と思しき男がこちらを見ていた。このまま時間をかけると、あの手この手で買わされてしまいそうだ。
ローザリッタはヴィオラの腕を引っ張ると、再び雑踏の中を歩き始めた。
街路の石畳を歩く二人は道着、あるいは侍女服の上から外套を羽織っている。寒いからではなく、身分を隠すためだ。いわゆるお忍びの格好である。
シルネオの街は身分や職業ごとに区分された都市構造をしている。二人が目指している鍛冶町は、表通りにある町方側の奥にあった。
刀鍛冶や研ぎ師のみならず、金工師、鍔工師に至るまで優秀な人材が揃っている。シルネオの鍛冶屋に直せないものはないが、シルネオの鍛冶屋でしか直せないものは山ほどある、と職人たちは豪語するほどだ。
そこならば破損したローザリッタの刀も問題なく修繕できるだろうし、類似する体験をしたことがある剣士の情報も聞き出せるかもしれない。
「今日も参拝客が多いこって。お館様の政策の賜物だな」
途切れない人の波を眺めながら、ヴィオラが皮肉気に言った。
昼下がりシルネオの街は、マルクスの威光をあやかりに来た〈モリスト詣で〉の旅人たちで祭りのような賑わいを見せている。
その中心にあるのが――
「おお……! これが王国最強の剣士、マルクス殿のお姿か!」
「なんと勇ましい!」
「いつか、俺もこんな像を建ててもらえるような、立派な剣士になってやるぜ!」
――大通りの広場に異様な迫力を伴って鎮座する、見上げるほど巨大なマルクスの石像であった。
「……なんともはや。相変わらず、そっくりですね」
少し離れたところ歩いていたローザリッタが、石に刻まれたマルクスを見て呟く。
もともとはただの冷たい岩石のはずなのに、まるで本物のような真実味、今にも動き出しそうな躍動感がある。実の娘であるローザリッタだからこそ、この石像の完成度がいかに高いかが理解できる。これを彫った職人は神域の天才だったに違いない。
……余談ではあるが。
この像は未来の大剣豪たちからありがたがられる反面、あまりに出来が良すぎるためか、町方のお母さんたちから『言うこと聞かないと領主様が頭かち割りに来るよ』などと、駄々をこねる子供への脅し文句として引き合いに出されることがある。
他にも夜中になると目が光るだの、敵が攻めてきたら勝手に動き出すだの――彼の威光が一人歩きして生まれた噂がいくつもある。
ふと、目から光条を迸らせながら、夜な夜な外敵と戦う石像の父を想像し、吹き出しそうになった。いけない、いけない。喧嘩中なのに。
「こんなものの作製を善しとしたあたり、お館様も意外と自己顕示欲が強いのかもしれないな」
「観光地化政策はお父様の立案でした。街の商業を活発にするにあたって、目玉とするものが欲しかったんでしょう。目に見える観光資源がないですし、うちは基本的に稽古の公開を禁止していますから」
門外不出の家伝ですし、とローザリッタは言う。
エリム古流は門人以外には技を絶対に公開しない。それは、剣や剣技というものが神秘的なものとして捉えられていた時代の名残である。
実践や体得はともかくとして、『技』というものは動作の一つひとつを細かく分解し、解説を受ければ、常人であっても理解することはできる。
だが、それを知らない人々からすれば、剣士の遣う技というものは『なんだかわけがわからないうちに相手を倒してしまうもの』に見える。さながら妖術や魔法のような神秘的なものの如くに。
しかし、先述したように、剣技はあくまで技術。
魔法や妖術と違って、常人でも理解できるものなのだ。それを晒すということは、いずれ自分の地位や優位性を脅かす。その怖さを知っているが故に、実戦派の剣術流派は決して公に手の内を晒すことはしない。
……のだが、近代の剣術流派の中には、稽古風景をあえて公開したり、衆目の前で試合稽古をしたりすることで金銭を得ようとする俗物的な道場もある。屈強な剣士たちがやっとうと打ち合い、勝ったり負けたりする姿は娯楽に飢えた町人たちにとって、見物料を払っても見てみたい刺激的な見世物に映るのだろう。
そういった道場も、技術の漏洩に関しては一応の対策を考えているようで、型の中に崩しと呼ばれる隠蔽を行うことで、理合を見抜けないようにする工夫を行っているらしいが――ローザリッタに言わせてば、いつまで持つことやら、といった感想だ。
「お館様の名声と古流の看板を売り物にしているようで、あたしゃ、どうかなぁと思っているよ」
ヴィオラはいまいち納得がいっていないような口ぶりだ。
実際に稽古を開示しているわけでも、見世物にしているわけでもないのだが、それでも銭を得るために剣を売り物にするという意味では、似たような感じを覚えるのだろう。
「同感ですが、実際に結果を出していますからね。文句は言えません」
伝統だけで食べていけるのなら苦労はしない。時代は変わる。時世も変わる。その時々に合った政策を打ち出し、民の生活を豊かにすることこそが為政者の腕の見せ所だ。
その意味で、絶対にどうしようもないもの以外、使えるものは何でも使うマルクスは、古流の秘伝を守りつつ、新しいことも率先して取り入れる気鋭の領主であり、目の前に広がる人いきれのする雑踏がその手腕を物語っている。
「お」
鍛冶町に続く道に入る直前、ヴィオラが何かに気づいたような声を出す。
「お嬢、見てみろよ」
ヴィオラが指さしたのは少し先に構えている衣料店だ。別の地方から仕入れたであろう、このあたりでは馴染みのない染物が店先に並べられている。
吸い寄せられるように店先へ行くヴィオラ。軒先に並べられたものだけでも、色とりどりの反物が売られている。絹、木綿、麻――素材も高級品から、庶民向けのお手頃な価格のものまで様々だ。
「いい色味だな。そうだ、お嬢。下着を新調しよう」
またか、とローザリッタは嫌そうな顔をする。
「もう、仕立屋さんは今度でいいって言ったじゃないですか。ちゃんとヴィオラに言われた通り、きつくても着けていますから」
ローザリッタはぽんぽん、と外套の上から自分の胸を叩いた。
「違う違う。あたしが縫製してやるって言っているんだよ」
反物の一つを手に取りながら、ヴィオラが言った。
当世では、身に纏う衣装の入手法は自分で繕うか、仕立屋に依頼して繕ってもらうかの二つの手段しかない。既製品もなくはないが、どちらかと言えば、それは中古服に該当する。
仕立屋は依頼主の要望を、体格や生活様式に合わせて作成する。専門家である以上、品質こそを至上としているため、布地や装飾品、高額な素材を用いるため費用は高額だ。
そのため、そんな資金を持ち合わせていない町民のほとんどは手ずから衣装を作って、賄っている。針仕事は町民の間でも普遍的な職業の一つでもあったため、その修練を兼ねて、元服までに自分の花嫁衣裳を作るという風習がある家も珍しくなかった。
無論、下着の類もそうだ。
王国の賢者たちは肌の保護、体温調整、衛生などの観点から下着の着用を領民に推奨していることもあって、町民の間でも縫製の手法は定着している。それどころか、下着専門の縫製の手仕事もあるくらいだ。
ヴィオラは近侍であると同時に女中でもある。炊事、洗濯、掃除。そして裁縫。家事にまつわることはすべて叩き込まれている。仕立屋のような専門的なものは無理にしても、庶民的なものであれば拵えることは造作もない。
「着けないのは論外だが、締め付けすぎも善くない。針金も革も使わない、庶民風のやつならそこまで時間もかからないし」
「こだわりますね」
「あのな。お嬢。女は誰でも婆になるにつれて垂れていくんだよ。それは自然の摂理。どうしようもないことだ。形が整った胸の土台は、肌が若くて張りがある今しか作れない。後から欲しいと思っても手に入らないんだよ。わかるか? お嬢が武者修行は今じゃなきゃって考えているのと同じなんだ」
「同じにしないでくださいます⁉」
思わず荒っぽい声が出た。実に心外である。
「もう、結婚だって絵空事じゃなくなったんだ。当主になれば、嫌でも外の連中と関わらなきゃならん。そうなった時、女の美しさってのは交渉の一つに武器になる。持っているものは磨いておいて損はないってだけだよ」
「だから、そういうのは武者修行のあとでって言っているじゃないですか」
「剣術十年、槍三年って言うだろ。何事も、実になるには相応の時間がかかるんだよ。やるなら、今のうちからやっておかないと。胸はまだまだ成長期だろうしな」
「せめて、縦に伸びてくれれば……」
ローザリッタはどんよりした顔をする。ここしばらく胸部は肥大化する一方だったが、それとは裏腹に身長のほうは伸びる気配が微塵も見けられなかった。骨格的にはここらで打ち止めなのかもしれない。
「正直、わたしはヴィオラが羨ましいです。背が高くて、すらっと手足が長くて。それだけの体格があれば、もっと筋肉だってつけることができたでしょうに」
「何でも剣術基準かよ。お嬢くらいの背丈のほうが可愛いじゃんか」
「可愛いだけで勝てれば苦労しませんよ」
贅沢な悩みだ、とお互いに思う。
そんな軽口を叩き合う二人の姿は、やはり友というよりは仲のいい姉妹だろう。
「……ほら、もう行きますよ!」
さっきから店主と思しき男がこちらを見ていた。このまま時間をかけると、あの手この手で買わされてしまいそうだ。
ローザリッタはヴィオラの腕を引っ張ると、再び雑踏の中を歩き始めた。
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