9 / 18
授業
しおりを挟む
「アマリヤ、授業は一限だけだし、良かったら俺と一緒に学園探索でもしてみない?」
「え?あ、」
「ね?」
「え、えぇ。そうね探索しましょう!」
半場強引な誘いに乗る。
きっとミゼルが困っている私を助けてくれたのだろうと判断したから。
「なっ!お前、王女殿下に対してなんだその態度は!」
「そうだ!不敬にもほどがあるぞ!」
私が安心して一息ついた時、急に反論する声が上がって驚いた。
このままでは、ミゼルが在らぬ疑いをかけられ、不敬罪として罰されては困ると思い口を開く。
「御三方、ミゼルは私の友人です。だからどうか責めないでやって下さい。」
すると、三人の動きが止まる。
ミゼルの方を見ると驚き、目を見開いていたが、次の瞬間には微笑みを浮かべている。
背後にお花が見えるような感じがするのだが、気のせいだろうか。
そんな事を思っているうちに、授業が始まる時間になり、三人はやや呆然としたまま席へと戻って行った。
「それじゃまた後で。」
「ええ、また。」
ミゼルも手を振りながら席へと戻って行く。
別に私の席の斜め右前なのだから手を振る必要はないのでは、と思ったことはここだけの話だ。
「それでは授業を始める。」
先ほどのやり取りから2分ほど経ち、先生が教室へと入ってきた。
「まずは、己の魔法を理解するという意味も含めて基礎術式を展開してもらう。……そうだな、こんな感じにやってみろ。」
そう言って先生は、手のひらに直径3センチほどの水の玉をだす。
そして、それを自分の体の周りを回すように動かしたり、形を変形させたりなどいろいろとやっている。
「それじゃまずは~………」
先生と目が合ったような気がする。
「アマリヤ。やってみろ。」
合っていたようだ。
「はい。」
トップバッターということに少々緊張しながらも術式を展開させる。
イメージするのは花。
まず、花が地面から咲き誇るように魔法をコントロールする。
そして、教室内に花弁が舞うよう二つめの術式を展開。
よし、上手くいった。
これで終わりという意味を込めて先生を見る。
すると、満足そうに頷いてくれた。
よかった。そう思いながら席に座る。
「それでは次!ミゼル。」
「はい。」
おや、次はミゼルの番になったようだ。
私はどんな魔法を繰り出すのかと期待しながらミゼルを見る。
ミゼルから発されたのは、緩やかな風。
私の魔法と相まって、まるで花畑にでも来たような感じだ。
ふと、ミゼルと目が合う。
今日は、よく人と目が合うなと思っていると微笑まれる。
反射的に微笑み返したのだが、どういった意味だったのだろうか。
目が逸れた今となっては、追求することは出来ない。
他の人達もそれぞれ術式を展開しだした。
一度に多くの魔法が見れるというのは、なんともまあ凄いことだろうか。
あ、あの魔法とても綺麗。次は、私もあんな感じにやってみましょうか。
そう思いを馳せ。ついつい魔法に見蕩れていた私は、こちらを見る敵対心剥き出しの視線に気づくことができなかった。
「え?あ、」
「ね?」
「え、えぇ。そうね探索しましょう!」
半場強引な誘いに乗る。
きっとミゼルが困っている私を助けてくれたのだろうと判断したから。
「なっ!お前、王女殿下に対してなんだその態度は!」
「そうだ!不敬にもほどがあるぞ!」
私が安心して一息ついた時、急に反論する声が上がって驚いた。
このままでは、ミゼルが在らぬ疑いをかけられ、不敬罪として罰されては困ると思い口を開く。
「御三方、ミゼルは私の友人です。だからどうか責めないでやって下さい。」
すると、三人の動きが止まる。
ミゼルの方を見ると驚き、目を見開いていたが、次の瞬間には微笑みを浮かべている。
背後にお花が見えるような感じがするのだが、気のせいだろうか。
そんな事を思っているうちに、授業が始まる時間になり、三人はやや呆然としたまま席へと戻って行った。
「それじゃまた後で。」
「ええ、また。」
ミゼルも手を振りながら席へと戻って行く。
別に私の席の斜め右前なのだから手を振る必要はないのでは、と思ったことはここだけの話だ。
「それでは授業を始める。」
先ほどのやり取りから2分ほど経ち、先生が教室へと入ってきた。
「まずは、己の魔法を理解するという意味も含めて基礎術式を展開してもらう。……そうだな、こんな感じにやってみろ。」
そう言って先生は、手のひらに直径3センチほどの水の玉をだす。
そして、それを自分の体の周りを回すように動かしたり、形を変形させたりなどいろいろとやっている。
「それじゃまずは~………」
先生と目が合ったような気がする。
「アマリヤ。やってみろ。」
合っていたようだ。
「はい。」
トップバッターということに少々緊張しながらも術式を展開させる。
イメージするのは花。
まず、花が地面から咲き誇るように魔法をコントロールする。
そして、教室内に花弁が舞うよう二つめの術式を展開。
よし、上手くいった。
これで終わりという意味を込めて先生を見る。
すると、満足そうに頷いてくれた。
よかった。そう思いながら席に座る。
「それでは次!ミゼル。」
「はい。」
おや、次はミゼルの番になったようだ。
私はどんな魔法を繰り出すのかと期待しながらミゼルを見る。
ミゼルから発されたのは、緩やかな風。
私の魔法と相まって、まるで花畑にでも来たような感じだ。
ふと、ミゼルと目が合う。
今日は、よく人と目が合うなと思っていると微笑まれる。
反射的に微笑み返したのだが、どういった意味だったのだろうか。
目が逸れた今となっては、追求することは出来ない。
他の人達もそれぞれ術式を展開しだした。
一度に多くの魔法が見れるというのは、なんともまあ凄いことだろうか。
あ、あの魔法とても綺麗。次は、私もあんな感じにやってみましょうか。
そう思いを馳せ。ついつい魔法に見蕩れていた私は、こちらを見る敵対心剥き出しの視線に気づくことができなかった。
0
あなたにおすすめの小説
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
魔法使いとして頑張りますわ!
まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。
そこからは家族ごっこの毎日。
私が継ぐはずだった伯爵家。
花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね?
これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。
2025年に改編しました。
いつも通り、ふんわり設定です。
ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m
Copyright©︎2020-まるねこ
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる