前世の記憶持ちの私は、異世界で王女として生きていく?!

禕餓邏祀

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授業

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「アマリヤ、授業は一限だけだし、良かったら俺と一緒に学園探索でもしてみない?」

「え?あ、」

「ね?」

「え、えぇ。そうね探索しましょう!」

半場強引な誘いに乗る。
きっとミゼルが困っている私を助けてくれたのだろうと判断したから。

「なっ!お前、王女殿下に対してなんだその態度は!」

「そうだ!不敬にもほどがあるぞ!」

私が安心して一息ついた時、急に反論する声が上がって驚いた。
このままでは、ミゼルが在らぬ疑いをかけられ、不敬罪として罰されては困ると思い口を開く。

「御三方、ミゼルは私の友人です。だからどうか責めないでやって下さい。」

すると、三人の動きが止まる。
ミゼルの方を見ると驚き、目を見開いていたが、次の瞬間には微笑みを浮かべている。
背後にお花が見えるような感じがするのだが、気のせいだろうか。

そんな事を思っているうちに、授業が始まる時間になり、三人はやや呆然としたまま席へと戻って行った。

「それじゃまた後で。」

「ええ、また。」

ミゼルも手を振りながら席へと戻って行く。
別に私の席の斜め右前なのだから手を振る必要はないのでは、と思ったことはここだけの話だ。

「それでは授業を始める。」

先ほどのやり取りから2分ほど経ち、先生が教室へと入ってきた。

「まずは、己の魔法を理解するという意味も含めて基礎術式を展開してもらう。……そうだな、こんな感じにやってみろ。」

そう言って先生は、手のひらに直径3センチほどの水の玉をだす。
そして、それを自分の体の周りを回すように動かしたり、形を変形させたりなどいろいろとやっている。

「それじゃまずは~………」

先生と目が合ったような気がする。

「アマリヤ。やってみろ。」

合っていたようだ。

「はい。」

トップバッターということに少々緊張しながらも術式を展開させる。
イメージするのは花。
まず、花が地面から咲き誇るように魔法をコントロールする。
そして、教室内に花弁が舞うよう二つめの術式を展開。
よし、上手くいった。

これで終わりという意味を込めて先生を見る。
すると、満足そうに頷いてくれた。
よかった。そう思いながら席に座る。

「それでは次!ミゼル。」

「はい。」

おや、次はミゼルの番になったようだ。
私はどんな魔法を繰り出すのかと期待しながらミゼルを見る。
ミゼルから発されたのは、緩やかな風。
私の魔法と相まって、まるで花畑にでも来たような感じだ。

ふと、ミゼルと目が合う。
今日は、よく人と目が合うなと思っていると微笑まれる。
反射的に微笑み返したのだが、どういった意味だったのだろうか。
目が逸れた今となっては、追求することは出来ない。

他の人達もそれぞれ術式を展開しだした。
一度に多くの魔法が見れるというのは、なんともまあ凄いことだろうか。
あ、あの魔法とても綺麗。次は、私もあんな感じにやってみましょうか。
そう思いを馳せ。ついつい魔法に見蕩れていた私は、こちらを見る敵対心剥き出しの視線に気づくことができなかった。
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