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告白?
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「………これまで。全員今日やった事を復習しておくように。」
そう言って先生が教室を出ていく。
すると、生徒たちも一斉に動き出した。
早いことにもういくつかのグループが出来ているようだ。
和気あいあいと四人組の女子グループが机を囲んで楽しそうに話しているのを見ると、私も前はあんな感じだったのだろうか、とついつい思ってしまう。
はぁ、と溜め息をこぼそうとした瞬間ミゼルが来た。
私は、間一髪のところで溜め息を飲み込み微笑みを浮べる。
「もう行くの?」
「あれ?行かないの?」
「いいえ、行くわ。」
「なら早く行こう!実はいい感じの場所見つけちゃったんだよね。」
「あら、それは楽しみだわ。」
お互いに笑みを浮かべて教室を出ていく。
こんなたわいもない話で幸福な気持ちになれるのはなんといい事なのだろうか。
私がそんな事を考えながら歩いていると、ふいに声をかけられた。
「アマリヤ王女殿下、ミゼル様、少々お時間よろしいでしょうか?」
その声を聞いて振り返る。
すると、そこに居たのは栗色のボブヘアーに緩くパーマをかけた小動物を彷彿とさせるようなご令嬢がいた。
「いいけれど、どうかしたのかしら?」
「えっとですね、ミゼル様にちょっとお話ししたい事がありまして……えっと、だから…その、」
彼女が続けて言いたいのは私に席を外してほしいということだろう。
今の私には、その申し出を断る理由は無い。
「私、学園のカフェにいますね。」
そう言ってこの場を離れる。
これが今一番いい選択だろう。
さて、カフェで何を飲もうか。そんな事を考えながらゆっくりと歩を進めた。
###
「それで、お話しというのは?」
「あ、えっとですね…」
そう言ったきりなかなか次の言葉を発さない令嬢に少し腹が立つ。
折角のアマリヤとの時間がどんどん少なくなってしまう。
「じ、実は私、ミゼル様に…その、あの……ひ、一目惚れをしたんです!だ、だからその、」
なんだ、付き合ってほしいということか。
俺の前ではこんなにも可憐な少女を演じられるのだから、大した演技力だと感心する。
先程までは、アマリヤに対して恨みがましい目を向けていたというのに。
「ごめん。君とは付き合えない。」
「な、なんでですか?!」
なんで、だと?
その言い方にさらに腹が立つ。
「なんでって、君よりも魅力的な人がいるからとしか言えないよ。」
怒りを抑えて諭すように言う。
どうか、これで諦めてくれないだろうか。
「あ、アマリヤ王女殿下ですか?」
俺の気持ちは彼女に届かなかったようだ。
別に、届いてほしいと願ったわけではないけれど。
俺の無言を肯定だと受け取ったのか、さらに言葉を続ける。
「こんなこと言うのは、不敬だと分かっているのですが、……私の方が王女様よりもみ、魅力的だと思うんです!」
は?何を言っているんだこいつ。
不敬にも程があるだろ。
そう思っていても決して顔には出していない自分に称賛する。
しかし、このまま同じような事が続くと流石に抑えるのが難しくなってしまいそうだ。
「そう。……少なからずとも俺は君に魅力は感じない。それじゃ、アマリヤが待ってるからそろろ行くね。」
冷えきった目と口調でそう告げる。
そして、急ぎ足でアマリヤの待つカフェへと向かっていく。
「え?!…………あ、あの!ちょっと待ってくださいっ!」
俺は一切後ろを振り返らない。
むしろ追いかけてくるなとでも言う様に、歩くスピードをさらに速めた。
そう言って先生が教室を出ていく。
すると、生徒たちも一斉に動き出した。
早いことにもういくつかのグループが出来ているようだ。
和気あいあいと四人組の女子グループが机を囲んで楽しそうに話しているのを見ると、私も前はあんな感じだったのだろうか、とついつい思ってしまう。
はぁ、と溜め息をこぼそうとした瞬間ミゼルが来た。
私は、間一髪のところで溜め息を飲み込み微笑みを浮べる。
「もう行くの?」
「あれ?行かないの?」
「いいえ、行くわ。」
「なら早く行こう!実はいい感じの場所見つけちゃったんだよね。」
「あら、それは楽しみだわ。」
お互いに笑みを浮かべて教室を出ていく。
こんなたわいもない話で幸福な気持ちになれるのはなんといい事なのだろうか。
私がそんな事を考えながら歩いていると、ふいに声をかけられた。
「アマリヤ王女殿下、ミゼル様、少々お時間よろしいでしょうか?」
その声を聞いて振り返る。
すると、そこに居たのは栗色のボブヘアーに緩くパーマをかけた小動物を彷彿とさせるようなご令嬢がいた。
「いいけれど、どうかしたのかしら?」
「えっとですね、ミゼル様にちょっとお話ししたい事がありまして……えっと、だから…その、」
彼女が続けて言いたいのは私に席を外してほしいということだろう。
今の私には、その申し出を断る理由は無い。
「私、学園のカフェにいますね。」
そう言ってこの場を離れる。
これが今一番いい選択だろう。
さて、カフェで何を飲もうか。そんな事を考えながらゆっくりと歩を進めた。
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「それで、お話しというのは?」
「あ、えっとですね…」
そう言ったきりなかなか次の言葉を発さない令嬢に少し腹が立つ。
折角のアマリヤとの時間がどんどん少なくなってしまう。
「じ、実は私、ミゼル様に…その、あの……ひ、一目惚れをしたんです!だ、だからその、」
なんだ、付き合ってほしいということか。
俺の前ではこんなにも可憐な少女を演じられるのだから、大した演技力だと感心する。
先程までは、アマリヤに対して恨みがましい目を向けていたというのに。
「ごめん。君とは付き合えない。」
「な、なんでですか?!」
なんで、だと?
その言い方にさらに腹が立つ。
「なんでって、君よりも魅力的な人がいるからとしか言えないよ。」
怒りを抑えて諭すように言う。
どうか、これで諦めてくれないだろうか。
「あ、アマリヤ王女殿下ですか?」
俺の気持ちは彼女に届かなかったようだ。
別に、届いてほしいと願ったわけではないけれど。
俺の無言を肯定だと受け取ったのか、さらに言葉を続ける。
「こんなこと言うのは、不敬だと分かっているのですが、……私の方が王女様よりもみ、魅力的だと思うんです!」
は?何を言っているんだこいつ。
不敬にも程があるだろ。
そう思っていても決して顔には出していない自分に称賛する。
しかし、このまま同じような事が続くと流石に抑えるのが難しくなってしまいそうだ。
「そう。……少なからずとも俺は君に魅力は感じない。それじゃ、アマリヤが待ってるからそろろ行くね。」
冷えきった目と口調でそう告げる。
そして、急ぎ足でアマリヤの待つカフェへと向かっていく。
「え?!…………あ、あの!ちょっと待ってくださいっ!」
俺は一切後ろを振り返らない。
むしろ追いかけてくるなとでも言う様に、歩くスピードをさらに速めた。
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