前世の記憶持ちの私は、異世界で王女として生きていく?!

禕餓邏祀

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アマリヤの願い

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下克上を含んだ決闘が終わり、アマリヤとミゼルは闘技場近くの個室に来ていた。

「では、私の願いを言いますわね。」

「あぁ、どうぞ。」

二人のやり取りは実に淡々としていて、ほんの少し不気味であった。

数秒悩んだアマリヤが口を開く。

「私の願い。……ミゼル・ヨデン、私と別れていただきたい。」

その目は戦地に赴く騎士を思わせるほど強く、そして気高さを感じさせた。
これが王族の威厳か。
ミゼルは、驚きもせず他人事のようにその願いを受け入れていた。

「承りました。」

その一言で下克上が終わる。

「これからは、出来ることなら友人として共に頑張りましょう。」

そうアマリヤが語りかけ、ミゼルが頷く。
こうして、少し歪だった日常は元の形になった。

***

王城の個室でアマリヤは一人嘆いていた。
しかし、それは目に見える嘆きでは無い。
心の嘆きと言えばいいだろうか。
ただ一人、自分の軽率な行動に後悔をする。

あんなことをしなければ、今は楽しい学園生活を送れていたのかもしれないのに。
それに、ゼル兄様が言っていたおもしろいことなんて起こりもしなかった。
なんで、上手くいかないんだろう。
前の…日本でただの学生として生きていたころの方がよかった。

こんな事を思っていても無駄だと分かっているのに何度も何度も同じ考えが頭の中をグルグル回る。


何時間が経っただろうか。
アマリヤは、何かの魔法を発動させ、一人でドレスから動きやすい服装へと変える。
そして、さらに魔法を発動させまた何かを行っている。

最後には、アマリヤ自身が個室から消えた。
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