人狼ハーレム ――奴隷美少女のハニートラップ

青戸礼二

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一章:人狼チュートリアル

2話:登場 OF 牙王

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玄関ホールに置かれた液晶モニタは、
タイトル文字から、フェードアウトして、
アニメキャラの画面に切り替わった。

「ガオー!」

ケモミミのアニメキャラが、アニメ声で叫ぶ。
こんなアニメ番組は一度も見たことがないが、
いかにもアニメチックな絵柄と声のキャラだ。

「『人狼館』へようこそ!
 わがはいは、この人狼館のあるじ、牙王(ガオウ)。」

親切にもキャラのセリフには、
一字一句、字幕が付いている。


(それにしても、寒い……)

この館は空調が利いていて、快適な室温だが、
温度のことではなく、アニメの演出が寒い。

牙王が肉球の手を振り回す、
といったアクションを取るたびに、
「ジャーン」「ビヨヨーン」などといった
大げさな効果音がついている。

まるで幼児向けアニメのような単純化した演出で、
古里太には陳腐に思えて、とても真面目に見る気がしない。

しかし、女子たちはみんな、
真剣なまなざしで見つめている。
笑う者は、ひとりもいない。

そこで不審に思いながらも、
古里太もマネして、アニメを見ることにした。


「『人狼ルール』の解説……の前にー、
 見てもらいたいモノがあるんだおー?」

牙王は、茶目っ気たっぷりに、
ほほえみながら首をかしげる
「ハテナ」のポーズを取った。

こんな時に萌えさせて、どうしようというのか?
古里太には、映像の意図がまだつかめていない。

しかし突然、アニメーションから実写に切り替わった。
テレビのドキュメンタリー番組でよく流れている、
防犯カメラで録画したような粗くて不鮮明な映像だ。


実写映像は、コンクリートで囲まれた部屋と、
そこに立っている人間が映っていた。
頭に袋がかぶせられていて、顔は分からない。

が、体型と服装から、若い女性だろうと推測できた。
ブラウスの胸の膨らみと、
スカートの尻の膨らみから、容易に分かること。


女はただ立っているだけで、
何をしているのか分からなかった。
が突然、足下の床の一部がバタンと開く。

彼女の身体は宙に浮いた。人が宙に浮く?
よく見ると、首にロープが巻き付いている。
――つまりこれは、首つり動画だ!

その瞬間、モニタを見ている少女たちから、
鋭く短い悲鳴があちこちで起こった。
悲壮な表情で画面を見つめている。


ここで、カメラが切り替わり、
首を釣られた女の下半身にクローズアップする。
苦しいのか、足をバタバタさせている。

「アソコがむずむず、なぁ~んだっ?」

そこに、牙王のナレーションがかぶされた。
何を言っているのか、まったく意味が分からない。

女の股の部分から、ジョボジョボと液体が落下する。
首を絞められて、失禁したのだろう。

「「おもらしー!」」

さらに、子供がハモった声がかぶされる。
それまでの殺人ビデオとは場違いの、間抜けな演出だが、
それで笑いだす者はひとりもいなかった。


やがて、バタバタしていた足が静かになる。
絞首刑に処せられた女は、死んだのだろう。

そして、それを見ていた少女たちから、
今度は長く鈍い悲鳴が上がった。

胸糞の悪い映像を見せられて、
皆は絶望の表情に染まっている。


「ん、ぷ、ぷぷっ、うぷぷ、んふっ、ふっ、ふぅ~」

とつぜん、牙王が漏らすように吹き出して、
イタズラをした子供のような無邪気な調子で笑う。

「いや~まさかおもらしするとはね~!
 人生最後の渾身のギャグだったね~?
 身体を吊った、いや張ったギャグだったね~?
 これは良いオモシロビデオが撮れたね~!
 また見たいな~首吊ってくれないかな~?


   君 ら が ! ! 」


セリフの最後に突然、牙王の顔がアップして、
脅かすような低いハスキーな声に変わった。
皆は、それに戦慄を覚えた様子だ。

もちろん、牙王はアニメキャラクターでしかない。
しかし、その背後にあるモノの邪悪な意志を感じて、
恐怖に打ち震えていたのだろう。

悪ふざけなのか、もっと深い意図があるのか分からないが、
こみあげてくる嘔吐のような不快感を、古里太は覚えていた。


「えー、こんなふーに、ワレワレに逆らうと、死にます!」

急にサッパリ、キッパリした口調で、アッサリと言った。

「なのでぇ、良い子のみんなはぁ~、
 ちゃんっとぉ、ゲームルールを聞いてぇ、
 それをしっかり守ろうねぇ~!
 みんなとガオウとのお約束だお~!」

「「はぁーい!」」

またも子供のハモり声。笑ってバンザイする牙王。
少女たちはみな、死んだ魚の目をして、それを聞いていた。



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