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第一章
25 撤退
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ザアアァ……。
舞い上がった飛沫が雨となって海面に降り注ぐ。
「──ぷっ」
セーグネルが口に入った海水を吐き捨てる。
水柱のなかから姿を現したセーグネルは、海水を全身に浴び水浸しであったが、体に外傷はなかった。
(よし──)
魚雷の破壊には成功した。
見ると槍の穂先は爆発の衝撃でひしゃげている。
セーグネルは、槍はもう使いようはないとして、その槍を手した。
ぼちゃ、と飛沫を立てて、放棄された槍は海に沈んでいった。
(早く戻らないと)
セーグネルはすぐにその場を後にし、『アマネ』への帰還を急いだ。
セーグネルが『アマネ』の甲板に戻ると、シーナやノベルたち第二分隊は、敵機と応戦している最中であった。
「准尉!」帰還したセーグネルの姿を見てノベルが声を上げる。
「すまない!」セーグネルはすぐさま、銃座の機銃についているノベルの援護に入る。
背中に掛けた小銃を外し、槓桿を引いて小銃を構える。
「弾幕を切らすな!」
セーグネルは声を張り上げると、『アマネ』上空を飛び交う敵機に射撃を開始した。
ウウゥ……ドオン!
機体から火を吹いた敵の戦闘機がくぐもった唸り上げながらを海へと墜落する。
また新たに一機、敵機を撃墜したシーナが対装甲狙撃銃から顔を離し、銃口を下げた。
「……終わりか」
「え?」
突然射撃を止め、何か呟いたシーナにカウルが顔を上げる。
(……?)
状況が分からず辺りを見渡すカウル。
見ると、先ほどまで『アマネ』上空を飛び交っていた敵機たちが、皆同じ方向に飛びながら『アマネ』に背を向けて離れていく。
そして、『アマネ』艦上の対空砲火の砲声も散発的になり、間もなくして皆止んだ。
「撃ち方、やめ!!」
銃座にいたセーグネルが分隊全体に号令する。
──終わった……?
カウルはここ出始めて、敵が撤退していったことを理解した。
(生きてる…………)
両手で握りしめていた対装甲狙撃銃の弾倉が、手のひらから滑り落ちる。
甲板に片膝をついていたカウルは呆然とした表情でゆっくりと立ち上がった。
大きな怪我はない。いつの間にか打ったのか、体の所々が少し痛いのにカウルは今、気がついた。
先ほどまで辺りを覆っていた、敵機のプロペラ音も、対空砲火の砲声も、機銃の銃撃音も全てなくなり、艦が波を切る音だけが聞こえる。
カウルが辺りをゆっくりと見渡す。
砲火の煙も彼方にかき消えて、真っ青な海と、澄んだ水色の空が広がっていた。
「今のうちに事態を収集する!」
すると、セーグネルが声を張り上げた。
カウルが彼女のほうに顔を向ける。
セーグネルは続ける。
「敵の第二波攻撃もあり得る!速やかに弾薬を補給し、体勢を整えよ!」
──第二波攻撃!?
安心しかけたカウルは愕然とした。
舞い上がった飛沫が雨となって海面に降り注ぐ。
「──ぷっ」
セーグネルが口に入った海水を吐き捨てる。
水柱のなかから姿を現したセーグネルは、海水を全身に浴び水浸しであったが、体に外傷はなかった。
(よし──)
魚雷の破壊には成功した。
見ると槍の穂先は爆発の衝撃でひしゃげている。
セーグネルは、槍はもう使いようはないとして、その槍を手した。
ぼちゃ、と飛沫を立てて、放棄された槍は海に沈んでいった。
(早く戻らないと)
セーグネルはすぐにその場を後にし、『アマネ』への帰還を急いだ。
セーグネルが『アマネ』の甲板に戻ると、シーナやノベルたち第二分隊は、敵機と応戦している最中であった。
「准尉!」帰還したセーグネルの姿を見てノベルが声を上げる。
「すまない!」セーグネルはすぐさま、銃座の機銃についているノベルの援護に入る。
背中に掛けた小銃を外し、槓桿を引いて小銃を構える。
「弾幕を切らすな!」
セーグネルは声を張り上げると、『アマネ』上空を飛び交う敵機に射撃を開始した。
ウウゥ……ドオン!
機体から火を吹いた敵の戦闘機がくぐもった唸り上げながらを海へと墜落する。
また新たに一機、敵機を撃墜したシーナが対装甲狙撃銃から顔を離し、銃口を下げた。
「……終わりか」
「え?」
突然射撃を止め、何か呟いたシーナにカウルが顔を上げる。
(……?)
状況が分からず辺りを見渡すカウル。
見ると、先ほどまで『アマネ』上空を飛び交っていた敵機たちが、皆同じ方向に飛びながら『アマネ』に背を向けて離れていく。
そして、『アマネ』艦上の対空砲火の砲声も散発的になり、間もなくして皆止んだ。
「撃ち方、やめ!!」
銃座にいたセーグネルが分隊全体に号令する。
──終わった……?
カウルはここ出始めて、敵が撤退していったことを理解した。
(生きてる…………)
両手で握りしめていた対装甲狙撃銃の弾倉が、手のひらから滑り落ちる。
甲板に片膝をついていたカウルは呆然とした表情でゆっくりと立ち上がった。
大きな怪我はない。いつの間にか打ったのか、体の所々が少し痛いのにカウルは今、気がついた。
先ほどまで辺りを覆っていた、敵機のプロペラ音も、対空砲火の砲声も、機銃の銃撃音も全てなくなり、艦が波を切る音だけが聞こえる。
カウルが辺りをゆっくりと見渡す。
砲火の煙も彼方にかき消えて、真っ青な海と、澄んだ水色の空が広がっていた。
「今のうちに事態を収集する!」
すると、セーグネルが声を張り上げた。
カウルが彼女のほうに顔を向ける。
セーグネルは続ける。
「敵の第二波攻撃もあり得る!速やかに弾薬を補給し、体勢を整えよ!」
──第二波攻撃!?
安心しかけたカウルは愕然とした。
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