エバーラスティング・ネバーエンド──第三人類史

悠木サキ

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第一章

24 律動

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(──あった!)
 海中を進む長い影──敵の雷撃機から投下された航空魚雷をセーグネルは発見した。
 『鼓動』の空中移動術により空を飛んでいたセーグネルは、そこで一旦滞空し、方向を変え魚雷を追跡する。

 このままだと当たる──セーグネルが海中を進む魚雷から顔を上げると、魚雷の進路上に『アマネ』があった。
 魚雷と『アマネ』までの距離は百メートルを切っている。ここで対処しなければ『アマネ』に命中するかもしれない。
(狙ってる……?)
 空中を飛行しながら魚雷を追跡するセーグネルは思索する。
 この魚雷が投下された瞬間をセーグネルは直接目撃していなかったが、この雷撃は、先ほど魚雷を回避するべく左に転舵した『アマネ』の動きを予測したかのような狙いすましたものだった。しかも──
(この魚雷──『心』が込められてる……)
 セーグネルはこの魚雷の中に、『心』が込められているのを感じ取った。
 セーグネルが違和感を感じたのはこのためだった。
 この魚雷には敵の思念を含んだ『心』の粒子が込められている。そして、その思念による『思念動力』によって魚雷が『アマネ』に向かって誘導されているのだ。

(ここで確実に破壊しないと──)
 セーグネルは魚雷の破壊を決意する。
 しかし、今セーグネルが携行している武器──自動小銃ではいくら射撃しても海中を進む魚雷には、海水が弾丸の威力を殺し、有効打を与えられない。
 それなら──と、セーグネルは、両手に持つ自動小銃の負い紐を体に掛けて小銃を背中に懸吊し、両手を自由にした。
 そしてセーグネルは精神を集中させる。


──鋼鉄てつの律動。


 セーグネルは『鋼鉄の律動』を心に想起した。
 セーグネルの手のひらを中心に、淡い光を放ちながら『心』の粒子が棒状に広がっていく。

──顕現けんげん

 細めていた双眸を見開くセーグネル。 
 すると、その光の棒のなかから、一本の長い鋼の槍が現れた。



 『律動』──それは、あらゆる物質がそれぞれ固有に発しているである。
 感じとったその物質の『律動』を『心』で想い起こすことで、自身の『心』の粒子をその物質へと変化させることができる。
 いわば、の術──それが『律動』の能力である。
 


「はあっ!」
 『律動』によって全長五メートルに及ぶ長大な鋼鉄製の槍を創造したセーグネルは、海中を進む魚雷目掛けて、その槍を突き立てた。
 穂先が二股に別れた、銛に似せて創られたセーグネルの槍が魚雷の弾頭を捉える。
 
──ドオオオン!

 次の瞬間、魚雷が爆発して、巨大な水柱が立ち上がり、魚雷の直上にいたセーグネルを飲み込んだ。
 
 
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