エバーラスティング・ネバーエンド──第三人類史

悠木サキ

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第一章

33 迎撃支援②

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 左舷前部に行くため、二人は艦首方向に向かって甲板を駆けていく。
 前を走るシーナが、『アマネ』の一番主砲と二番主砲の間を抜け、左舷側に回り込んだ。
 シーナの後を追うカウルも二番主砲の砲塔に差し掛かった。
 するとそのとき、
ゴオ……ウウゥ……と重い駆動音を発しながら、一番、二番両砲塔が旋回しはじめた。
「!」
 カウルの頭上で二番主砲の重厚な二本の砲身が左へと志向していく。
(す、すごい……)
家屋よりも巨大な構造物が──しかも鋼鉄の塊のものが──ゆっくりだが滑らかな動きで駆動する様に、カウルは感嘆にも似た驚きを覚える。
 しかし、同時に愕然とした思いも抱いた。
──こんなもの造って、殺し合うなんて。
 この艦そのもの──ここにある全てのものが、これから行われる戦いのために造り出されたものだ。
 高度な技術を用い、資材を投入し、人手と金を費やして──そして何よりも、人の命を懸けて──その結果行われるのが殺し合いだということに、カウルはわけがわからない気持ちだった。
(くそっ……くそっ!)
 カウルは奥歯を噛み締め、甲板を駆ける。
 自分は今まさに、死地に向かっている。
 強制された兵役。戦争なんて誰が望んで向かうだろう。
 しかし、カウルにはその場で足を止めることは許されなかった。


 二番主砲の砲塔を通りすぎ、左舷のほうへ出たカウルは、左舷前部の第四分隊の持ち場へ急ぐ。
 視線の先に、先に到着していたシーナの姿を見つけた。
 シーナはすでに、第四分隊の兵士──分隊長かもしれない誰か──と対面していた。
 カウルが息を切らしてシーナのもとにたどり着くと、すでにシーナはその兵士とのやりとりを済ませたのか、遅れてきたカウルを冷たい眼で睨み、
「来い」とだけ言って、艦の舷側に向けて進みだした。
 カウルはぐっと歯を食い縛り、シーナのあとに従う。
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