【R18】君に触れる、全てのものから

すぐる

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第1部

*正しい告白の仕方を教えてあげる

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「ーーー先輩………して…
……続き、して……
お願い…」

宮原の甘いお願いが沢海の耳を擽り、沢海は2、3度瞬きをして自身の呼吸を落ち着かせると、その後、黙り込んでしまう。
ベットの中での空白の時間が宮原にとって無限に長く、沢海の次の言葉をただ待っている。

昂ったペニスが射精したくて堪らないと、宮原はこれ以上の事を何もする事が出来ず、沢海に全てを委ねている。

自分の手でするよりも、もっと強い快感を得る為に何も考えずに本能だけで沢海に言葉を伝える。
今は自分の羞恥心よりも、身体中に蔓延る熱を引き摺り出したいという、動物的な本能に似た気持ちの方が上回っている。

目を閉じて耳を塞いで、精液を出す事だけに集中してみても、同じ箇所を触って、同じ箇所を撫でて、同じ箇所を擦ってみても、やはり自分の手淫だけでは満足する事が出来ない。

自分で自慰をすると下肢の中心が熱く蠢くだけで射精口の寸前で精液が止まってしまうが、沢海にペニスを握られ、軽く手淫を施されるだけで簡単に吐精をしてしまう。

作り変えられていく宮原の身体に、宮原の心が追い付かずに全てを沢海に依存してしまう。

「ーーー沢海先輩…
お願いーーー」

宮原は身体の向きを反転させると沢海の肩に自分の額を付け、寸分の隙間もない程に身体を寄せて、精一杯に仕掛け、誘う。

耳元を真っ赤に染め上げながら、宮原の手管で沢海を引き付けようとする。

「ーーーお願いーーー」

震えてしまう声を引き絞り、沢海の首に宮原は腕を絡めて、自分の方へ沢海の顔をグイッと引き寄せる。

呼吸する息がお互いの頬に触れ、宮原は一度息を飲み込むと唇が重なる寸前でもう一度、沢海に問い掛けてみる。

「ーーーダ、メ?……ダメ?
沢海、先輩…
ーーーオレ、我慢出来ない…」

沢海は大袈裟な程に大きい溜息を吐き、少し舌を出すと宮原の口唇をペロリと舐め、宮原が口を開けた瞬間に歯列の隙間から熱くなっている舌に触れる。

宮原の欲しいものが漸く得られる、満ち足りた吐息に沢海が苦笑いをする。

また離れていく沢海の舌を追い掛けるように宮原の舌が伸ばされ、口元から涎が垂れる。

「最後まで…はしないよ。
またあんな風に泣かれるのはイヤなんだよ」

沢海を見つめる宮原の目にうっすらと涙が溢れ、ゆらゆらと瞳が揺れる。

欲しいものが得られないという沢海の言葉に突き落とされ、口付けだけしか与えられない事に宮原は態と沢海から顔を逸らす。

沢海はベットに沈む宮原に覆い被さり、宮原の耳元から首筋に舌を這わせ、宮原の肌が粟立たせる。
舌の先端で外耳を辿り、耳朶を歯で噛むと宮原の身体が快感に囚われ、素直に震えている。

それでもまだ自分の欲している行為とは違うのだと分かると、宮原は持て余した身体に耐えられなくなり、自分の両手を下肢に下ろす。

与えられないのだと、満たされないのだと救いようがない複雑な感情が入り混ざる。

臍の下に指が触れた瞬間に宮原は視線を沢海に向けると、沢海はその様子を眺めるようにじっと宮原を見つめている。
その視線に居た堪れずにシーツに顔を押し付け、沢海の視線から逃げる。

宮原は静かにゆっくりと息を吐くと、自分のペニスを握り、先走りの体液を擦り付けるように扱く。

「ーーーは、ぁぁ……」

宮原の感嘆の声が沢海の耳に届き、沢海は目を眇める。

「…いい声…
もっと、もっと聞かせて……
ーーー宮原…」

目の前での宮原の痴態に沢海は漸く身体を動かしていく。

宮原の手の上に自分の手を重ねて、宮原のペニスを根元から先端まで何度も擦り、宮原の声音が艶を含んでくると今度は強弱を付けて扱いていく。

自分の手なのに自分の感覚ではない自慰に、宮原は自分の腰を浮かして、貪欲な身体がもっと欲しいと訴えてくる。

浅ましい事だと分かっていても、その行為を止める事が出来ず、宮原は一切のことは忘れ、射精だけしか考えないようにしている。

ただ、ある一線を越えようとすると自分の中で快感と一対にある、重圧された畏怖と耐え難い苦痛が全身を支配していく。

「ーーー沢海、先輩…
……沢海先輩……
オレ、先輩の事…」
「オレの事?」
「…先輩の事……」
「うん」
「ーーー好きです…」
「うん…」

宮原のひとつの線と点を紡ぐような言葉を聞き逃さないように、沢海は宮原の話す言葉を耳元に集める。

宮原の両頬を沢海は両手で優しく包み、視線が絡めるともう一度、その言葉を聞きたくて宮原にお願いをしてみる。

「…宮原……
オレの事、好き?」

沢海の欲しがる言葉を宮原の口から何度も言ってもらわないと不安に苛まれてしまうのか、沢海は同じ事を繰り返して言葉に出す。

宮原はその答えを言う代わりに沢海の唇に自分の唇をゆっくりと重ねて喰み、そして少しだけ離れる。
数センチの距離で宮原は口の端を上げ、ぎこちない笑顔を見せる。

「…ん?……分からないよ。
ねぇ?ーーーオレの事、好き?」

宮原は先程の口付けでは分からなかったのかと、もう一度口付けをしようと顔を寄せていく。

宮原に甘く蕩けるような方法で『好き』と表現をされ、沢海も思わず照れてしまう。

お互いとお互いの気持ちを確かめ合うような濃厚な口付けは、何度も角度を変えて唇を合わせ、舌を絡ませ、唾液が混ざり合う。

貪るような口付けに呼吸さえも出来なくなってしまい、息を吸う事も吐く事も忘れてしまう。

沢海は宮原の歯列を舌でなぞり、大きく口を開けさせると宮原は掠れた喘ぎ声と涎が輪郭を伝わる。

宮原は再度、自分の口内に入り込んでくる沢海の舌を捉えるとその舌に吸い付き、蜜を啜るように絡ませてくる。
沢海の両眼が驚いて開くが、直ぐに眇めると宮原の拙い行為を煽るように何度も口付けをしていく。

宮原は沢海の舌を唇で探し、口外に引き出すと上下の歯で舌を甘噛みをし、唾液を溢れさせる。

「…宮原…
オレの事、好き?
ーーー好きだよね?」
「ーーー沢海先輩…」

沢海は宮原の顎を上に向け、視線を自分の方向へ向けると何度も宮原に聞く。

言葉にしないと不安になってしまう。

「ーーー好き……
沢海、先輩……
ーーー沢海先輩、好き……
沢海先輩…好き…」

言葉にしても不安になってしまう。

お互いの伝えられる気持ちの全てをもっと伝えたいのに、それ以上のやり方が分からない。

ただ分かるのは今、沢海の表情が満ち足りた笑顔でいるという事、そしてその笑顔は自分の表情も笑顔にしてくれる事。
『好き』という感情に囚われて、心の中の嬉しい気持ちは『幸せ』なのだと感じる。

それと同時に宮原は沢海の事が、沢海の存在が唯一なのだと改めて理解する。
「沢海直哉」という唯一の大切な存在。
たった1人の存在がいてくれるだけで、自分自身の想いが素直になれる。

『沢海先輩の事が好きなんだって、
沢海先輩にもっと触れてもらいたいんだって、
好きだからーーー』

ーーーキスをする事も?
ーーー肌を重ねる事も?
自分の中に沢海を受け入れるーーーセックスも?

ーーーオレは沢海先輩とセックスをしたいの?
ーーーオレは沢海先輩とセックスが出来るの?

無意識にまた自分の指を噛もうとしていた事に気付き、指の関節に幾つも残る傷跡に疑問が芽生えてくる。

自分の身体が指先から冷たくなり、強張りが伝わると自分の感情とは裏腹に身体が硬直してくる。

ーーーオレは沢海先輩とセックスをしたいの?
『怖い…』

ーーーオレは沢海先輩とセックスが出来るの?
「怖いよぅ…』

無理矢理に犯された事を全て受け入れられるの?

それでも、オレは沢海先輩の事をーーー





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