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第1部
いつもとは違う、同じ朝
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沢海は宮原をもう一度静かに抱き締め、宮原がもうこれ以上傷付いてしまわないように自分の腕の中に閉じ込める。
固く握り締めた指を一本ずつ解き、色の抜けた爪を撫でるとお互いの体温を確認するように手の平を合わせる。
沢海はひとつひとつの動作を愛おしそうに見詰めると、宮原は柔らかく含羞み、その漆黒の瞳の中に沢海の姿を写していく。
このまま自分だけを信じて、自分だけを見て、自分だけしかいないのだと、何度も何度も宮原に伝えたい。
強欲ーーーたった1人だけしか欲しくない。
我儘ーーーたった1人以外はいらない。
他の誰にも絶対に譲れない、自分にとって大切な、大事な人。
でも、大切にしたいのに傷付けてしまう。
大事にしたいのに壊してしまう。
たった1人の大切な大事な人なのに、何度も泣かせてしまう。
「ーーー宮原……」
沢海は抱き締める腕に力を入れ、宮原の首筋に自分の顔を埋め、ゆっくりと呼吸をする。
宮原の日焼けをした肌から汗の匂いと沢海を引き寄せ、狂わせる甘い体臭が鼻腔を擽る。
宮原は日々のトレーニングで鍛錬された沢海の背中に腕を回し、凭れる沢海を受け入れ、目を閉じる。
重なる2人の身体をお互いの全身で感じる。
心地良い体温は空気に揺蕩うような安心感を生み、人の温もりを分け与えてくれる。
胸を高鳴らせる鼓動が息を上げていくと、まだ足りないとばかりに更に緊く抱き合い、自由を奪っていく。
『ーーー離さないで………』
宮原は心の中でその言葉を飲み込む。
伝わらない言葉は、浸透するように伝わっていく感覚を持って沢海は宮原の声無き「その言葉」を感じる。
沢海は宮原の黒髪に顔を寄せると癖毛が沢海の頬に触れ、擽ったさに指でくるくると毛先で遊ぶ。
悪戯に髪を触られて、ふいに宮原は視線を上げると沢海がクスッと笑う。
沢海は宮原の黒髪を耳に掛けると顎のラインに沿って手を這わせ、そのまま少し上に引き上げると目を合わせ見詰め合う。
「ーーーもう一回、キス、していい?」
沢海の熱い吐息が素直な欲求をしてくる。
宮原の返事を待たずに沢海は唇を重ねると口を開け、舌で宮原の口唇を擦るように舐めると宮原はゆっくりと歯列を開き、沢海の舌の侵入を許す。
沢海の舌が硬口蓋の横走した粘膜ひだに当てられ、舐められたことのない箇所を舌で這わされる快感に宮原の肩が揺れる。
深く口付けられている為に浅い呼吸が鼻から抜け、宮原は喘ぎ声さえも上げられない。
息苦しさに顔を顰め、口の中を掻き回されている為に涎が顎を伝う。
沢海の舌が宮原の舌を捉え、お互いの唾液を味わうように深く、深く口付けていく。
「ピピピピ…ピピピピ…」
現実に引き戻すかのような電子音に2人の距離が少し離れ、口元に涎の糸が引き、胸元に落ちる。
「ーーーあッ……」
セックスを想像してしまう生々しさに宮原が顎を引くと沢海はそれを追い掛け、宮原の胸、首筋、口角を舐める。
繰り返し何度も襲う悦楽に肌が泡立ち、身体の奥底にある燻んだ火が点る。
沢海は先程から鳴り響くケータイのアラームを消すと時間を確認した。
静かに溜息を吐く沢海の仕草に甘い時間が終わるのだと、宮原も感覚で分かる。
宮原はもう一度沢海にギュッと抱き付くと、沢海の胸元に自分の額を付けて甘えてみる。
「先輩……もうちょっと、このままでいい?」
沢海の鼓動が皮膚を通して早くなるのが分かり、宮原はその心音に耳を澄ます。
ドクン、ドクンと力強い心臓の音に宮原は安心感を得ると沢海の胸元から顔を上げ、幸せそうにニコリと笑う。
沢海はもう一度溜息を吐く。
「…このままでもいいけど…
部活、どうする?
そろそろ起きないと朝練に間に合わない…」
「ーーーそっか…そうだよな…」
「可愛いお願いは叶えてやりたいんだけどさ…
ーーーオレはもう一度、宮原とセックス出来るか試してみたいな…」
沢海は宮原の下肢に手を伸ばすと、その丸みを確かめるように両手で尻を撫で回す。
「…あ!
ーーー止めろよっ!
触り方が痴漢みたいなんだけど!」
「痴漢って、酷いなぁ…」
僅かな快感の波に引き摺られないように慌てる宮原と大袈裟に傷付いた演技をする沢海のアンバランスな表情にお互いの顔を見合わせ、ベットの中で笑い合ってしまう。
こんな他愛ない時間の経過でさえも愛おしく、2人の笑い声が、2人の笑顔がお互いに「幸せ」だと感じる。
固く握り締めた指を一本ずつ解き、色の抜けた爪を撫でるとお互いの体温を確認するように手の平を合わせる。
沢海はひとつひとつの動作を愛おしそうに見詰めると、宮原は柔らかく含羞み、その漆黒の瞳の中に沢海の姿を写していく。
このまま自分だけを信じて、自分だけを見て、自分だけしかいないのだと、何度も何度も宮原に伝えたい。
強欲ーーーたった1人だけしか欲しくない。
我儘ーーーたった1人以外はいらない。
他の誰にも絶対に譲れない、自分にとって大切な、大事な人。
でも、大切にしたいのに傷付けてしまう。
大事にしたいのに壊してしまう。
たった1人の大切な大事な人なのに、何度も泣かせてしまう。
「ーーー宮原……」
沢海は抱き締める腕に力を入れ、宮原の首筋に自分の顔を埋め、ゆっくりと呼吸をする。
宮原の日焼けをした肌から汗の匂いと沢海を引き寄せ、狂わせる甘い体臭が鼻腔を擽る。
宮原は日々のトレーニングで鍛錬された沢海の背中に腕を回し、凭れる沢海を受け入れ、目を閉じる。
重なる2人の身体をお互いの全身で感じる。
心地良い体温は空気に揺蕩うような安心感を生み、人の温もりを分け与えてくれる。
胸を高鳴らせる鼓動が息を上げていくと、まだ足りないとばかりに更に緊く抱き合い、自由を奪っていく。
『ーーー離さないで………』
宮原は心の中でその言葉を飲み込む。
伝わらない言葉は、浸透するように伝わっていく感覚を持って沢海は宮原の声無き「その言葉」を感じる。
沢海は宮原の黒髪に顔を寄せると癖毛が沢海の頬に触れ、擽ったさに指でくるくると毛先で遊ぶ。
悪戯に髪を触られて、ふいに宮原は視線を上げると沢海がクスッと笑う。
沢海は宮原の黒髪を耳に掛けると顎のラインに沿って手を這わせ、そのまま少し上に引き上げると目を合わせ見詰め合う。
「ーーーもう一回、キス、していい?」
沢海の熱い吐息が素直な欲求をしてくる。
宮原の返事を待たずに沢海は唇を重ねると口を開け、舌で宮原の口唇を擦るように舐めると宮原はゆっくりと歯列を開き、沢海の舌の侵入を許す。
沢海の舌が硬口蓋の横走した粘膜ひだに当てられ、舐められたことのない箇所を舌で這わされる快感に宮原の肩が揺れる。
深く口付けられている為に浅い呼吸が鼻から抜け、宮原は喘ぎ声さえも上げられない。
息苦しさに顔を顰め、口の中を掻き回されている為に涎が顎を伝う。
沢海の舌が宮原の舌を捉え、お互いの唾液を味わうように深く、深く口付けていく。
「ピピピピ…ピピピピ…」
現実に引き戻すかのような電子音に2人の距離が少し離れ、口元に涎の糸が引き、胸元に落ちる。
「ーーーあッ……」
セックスを想像してしまう生々しさに宮原が顎を引くと沢海はそれを追い掛け、宮原の胸、首筋、口角を舐める。
繰り返し何度も襲う悦楽に肌が泡立ち、身体の奥底にある燻んだ火が点る。
沢海は先程から鳴り響くケータイのアラームを消すと時間を確認した。
静かに溜息を吐く沢海の仕草に甘い時間が終わるのだと、宮原も感覚で分かる。
宮原はもう一度沢海にギュッと抱き付くと、沢海の胸元に自分の額を付けて甘えてみる。
「先輩……もうちょっと、このままでいい?」
沢海の鼓動が皮膚を通して早くなるのが分かり、宮原はその心音に耳を澄ます。
ドクン、ドクンと力強い心臓の音に宮原は安心感を得ると沢海の胸元から顔を上げ、幸せそうにニコリと笑う。
沢海はもう一度溜息を吐く。
「…このままでもいいけど…
部活、どうする?
そろそろ起きないと朝練に間に合わない…」
「ーーーそっか…そうだよな…」
「可愛いお願いは叶えてやりたいんだけどさ…
ーーーオレはもう一度、宮原とセックス出来るか試してみたいな…」
沢海は宮原の下肢に手を伸ばすと、その丸みを確かめるように両手で尻を撫で回す。
「…あ!
ーーー止めろよっ!
触り方が痴漢みたいなんだけど!」
「痴漢って、酷いなぁ…」
僅かな快感の波に引き摺られないように慌てる宮原と大袈裟に傷付いた演技をする沢海のアンバランスな表情にお互いの顔を見合わせ、ベットの中で笑い合ってしまう。
こんな他愛ない時間の経過でさえも愛おしく、2人の笑い声が、2人の笑顔がお互いに「幸せ」だと感じる。
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