【R18】君に触れる、全てのものから

すぐる

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第1部

絶対的な自信

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トレーニングゲームの結果。

1セット目 3-0
2セット目 2-0
3セット目 2-1

途中、トップチームとサブチームは選手交代でメンバーを入れ替え、辛うじてサブチームはトップチームから1点を返す事が出来た。

その1点は1、2セットでセンターバックに入っていた沢海が3セット目で抜け、ベンチ入りしていたメンバーが入り、試合後半のラストプレイでのファウルをしてしまった事が要因だった。

ペナルティエリアの直ぐ側でゴールマウスから左斜め45度の位置でのフリーキックが与えられる。

キッカーは3試合全てに出場していた宮原が蹴る事になり、セットポジションからすると宮原の得意の角度だという好条件が重なった。
この角度からのフリーキックを決める絶対的な自信が宮原にはあった。

全員が身長180cm以上を超える高い壁が3枚、宮原の前に立ちはだかる。

グラウンダーのボールで、蹴った瞬間にジャンプをすると想定をして壁の下を潜らせる事も考えたが、あえて宮原はボールひとつ分くらいもないようなゴール右隅の僅かなスペースに蹴り込む事を選択する。

相手ゴールキーパーはトップチームでもある3年生の大塚だ。

大塚は自分の位置から中央から右側のコースに壁を3枚立たせると、宮原のゴール前の視界を消し、壁の左右と上のスペースを狭める。

大塚本人は中央から左側のコースにポジションを取り、ゴールポストとの距離を確認すると壁の位置の微調整をする。

主審がピッと笛を吹き、ゲームが再スタートする。

宮原は大きく息を吐き出すとボールから真横に4歩下がり、シュートモーションに入る。

ボールの手前で左足を斜めに踏み込むと腰と股関節を捻り、ボールをスパイクの側面で掬い上げるように押し出す。

大塚からすると選択肢のないコースを狙われたにも関わらず、宮原のフリーキックは流線形の弧を描き、ゴールマウスの右側にある僅かの隙間を突き刺さった。

壁の側面を避けるように曲がり、強く、速いボールは大塚の左指をギリギリに掠め、ゴールポストとクロスバーの隅を抜け、サイドネットに吸い込まれる。

大塚も宮原のフリーキックのコースを読んでいたが、自分の指先を掠めてゴールを許してしまい、ピッチを叩いて悔しがる。

「あーーー!…クソッ!
ボールに触れたのに押し出せなかった!
宮原!狙ったな!」

宮原はボールを蹴り込んだ瞬間にゴールに吸い込まれる軌道が見え、自分のイメージ通りのフリーキックに小さくガッツポーズをする。

宮原はゴールした直後だけ笑顔を作ると直ぐにまた厳しい表情をし、大塚のいるゴールマウスに走っていく。

ゴールマウス内に転がるボールを大塚が拾いにいくより早く、宮原はそのボールを奪い、センターサークルに置き、ゲームのリスタートをアピールする。

1分、1秒の時間がある限りは反撃をしようとする宮原の懸命なプレイにサブチーム全員が『もう1点返すぞ!』『まだ試合は終わっていないぞ!』と指揮が上がる。

宮原はサブチーム全体の一体感に更に気を昂らせた。

だが、試合内容と試合結果は伴わず、3試合トータルで、7-1というスコアにトップチームとサブチームの差を改めて考えさせられ、宮原は深い溜息を吐いた。



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