【R18】君に触れる、全てのものから

すぐる

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第1部

消された記憶と蘇る記憶

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『ーーー何、を?…
何、言ってるんだ?』

目の前にいる男の言葉を理解する事が全く出来ずに、宮原の頭の中は酷く混乱してしまう。
聞き流してしまう程に簡単に非常識な事を口に出され、言葉の意味に戸惑ってしまう。

男は宮原の左腕を押さえつけたまま宮原の顔色を覗き込むと、この状況で呑気に考え事をしている宮原に対して、犯されそうな身体が拒絶を示さず、受け入れているのだと好都合に捉えた。

「…ん?
なんだ…
もっと抵抗するかと思ったんだけど…
ーーーひょっとして、溜まってる?
オレのチンポじゃないとイケなくなった?
直ぐにオレのチンポ、突っ込んで、お前が出すのを手伝ってやろうか?
ーーーヤリたくてしょうがないんだろ?」

雪のように降り積もる言葉の数々に宮原の思考が未だに追い付いていかない。

左腕を逃げられないように掴まれているにも関わらず、今、この目の前の男から自分が一体何をされているのか分からなくなっている。

ただ、ギリギリと締め上げられる左腕が痛みで痺れ始め、宮原の身体が必死に警鐘を鳴らしているのを酷く客観的に感じている。

宮原は本能的な痛みから逃れようと男の手を引っ掻き、食い込む指を外そうと力を入れるが、今更に弱い抵抗をしてみても、壁にピンで縫い留められたように容易に振り解く事が出来ない。

沸々と湧き出てくる恐怖が宮原を支配していく。

『ーーー怖、い……
…怖い…』

漸く現状を把握する意識が向いてきたのか、宮原の身体が強張り始め、全身に不快な汗が吹き出してくる。

男は宮原の体温が急激に上がった事に可笑しそうに囁く。

「ーーーお前、やっぱり、淫乱なの?」

その男の言葉に宮原は目を見開き、男の顔を睨み付けると宮原の明確な意思表示に男は鼻を鳴らす。

宮原の全身に力が入った瞬間を男は逃さず、激しく抵抗をする前にテーピングを巻いている右手も左手と一緒に頭上で一纏めに押さえ付ける。

万歳をするような格好で胸が反れ、男は宮原の両足の間に右足を入れると、完全に宮原の動きを封じ込めた。

「まさか、お前…
やっと分かったっていうのか?
…自分が淫乱だって、よ。
オレはお前を犯した時から分かっていたよ」

男の蔑んだような乾いた笑いが耳の中で反響する。

「ーーーやっ…!
…やだ……やだっ!
離せ!
…離せよっ!!」

『ーーー怖、い……
…怖い…怖いよぅ……』

男は宮原の必死の抵抗を余裕で簡単に押さえ付けると、野球部のユニフォームのポケットから煙草を取り出し、火を点ける。
味わうように煙草を吸い込むと、その煙を宮原の顔に吐き出した。

「…ゴ、ゴホッ……
やっ…止めろっ!
ーーー離せっ!」

煙草の先端が赤く燃えている状態を宮原にじっくりと見せつけると、宮原の目前で動きを停める。
この現状を見開いて見詰めている眼球に向かって、真っ直ぐに煙草の火を迫めると、宮原の身体がビクリと竦み上がる。

「オレの事、怖いくせに。
ーーーイキっているなよ」

紫煙の揺らめきと煙草が焦げ付く火に目が沁み、宮原は目蓋をギュッと閉じる。

「…やだ……やだっ!
やめろよぉ……」

宮原の怯える顔を楽しむと火の付いた煙草を指に挟みながら、仰け反る咽喉のラインを指で辿り、喉仏の辺りで止める。

男は宮原が無駄に抵抗をしないように、宮原の呼吸を狭めさせ、意識を失わせる為に指先の力に力を入れる。
宮原の柔らかい首筋に男の汚れた指が食い込む。

息苦しさに口を開け、酸素を取り入れようと嗚咽が漏れ、逼迫する喉の収縮が苦しさを直接伝えてくる。

足掻いても逃げられない恐怖に左膝が震える。

「……グッ……
ーーーあぁ……くっ…」

頭の中で耳鳴りが聞こえ、視界が歪み、身体が一気に弛緩し、意識を失う覚悟をする。

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