甥っ子と異世界に召喚された俺、元の世界へ戻るために奮闘してたら何故か王子に捕らわれました?

秋野 なずな

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16.王妃の部屋

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「カメリア。聴こえたらなんでもいいから音を風で届けてくれ。風よ声をカメリアへ運んで。」


そう言って風魔法の威力を極限まで抑え、声を運んでもらう。昨日、フィオが精霊を集めていた時に使用していたものだ。

間違えて普通に使えば攻撃魔法になるし、生活魔法の風だと意志を持たすことが出来ないため声を運んでもらえない。ということが使ってみて分かった。

そう、俺はいま魔法が発動出来るくらいに切羽詰まっている。

昨日スリジエを残してすぐに休んだがあまり寝付けず、いつもよりはやく起きてカメリアを探し始めたが全然見つからない。入れる部屋は全て探したので、誰か個人の部屋にいる可能性が高く、行方探しは困難を極めているのだ



「…っ、ふ、ふゆと。はぁはぁっ、お、っひのへや。た、たすけ、て」


部屋で返事を待っていると、頬が風に撫でられた瞬間、カメリアの声がきこえた。


「スリジエ!王妃の部屋だ!」


すぐに王妃の部屋へと向かう。
もうお昼なので蒼葉も起きているし、精霊を探していると言っても俺が見えるとバレることはないので、王妃の部屋だろうと何も考えずに探すことができる。


コンコンコン
コンコンコン


王妃の部屋の前に立ちノックをするが返事がない。いないなら好都合だ。


「失礼します。」


勝手に入り部屋を見渡すがカメリアの姿はない。


「カメリア!どこだ?」

「冬斗さん!ここに鍵のかかっている扉が!」


スリジエが見つけた扉をガチャガチャしてみるもあく気配がない。しかも扉には鍵穴がついていないためどうしていいのか分からない。


「冬斗兄ちゃん。蒼葉が開けてみる~!」


そう言った蒼葉が扉に触れると、カチャっと鍵の空いた音がする。驚きながらも中に入るとカメリアがぐったりと横たわっていた。


「カメリア!?おい大丈夫か!?
  蒼葉カメリアを抱き締めてあげて」

「う、うんっ!カメリア~、もう大丈夫だからね。」


抱き締めた蒼葉からピンクや青の光の粒がまい、カメリアを包んでいく

初めてフィオと会った時も、閉まっていた扉の鍵をあけていたし、今も触れるだけであけてしまった。愛し子の力がどういうものなのかいまいち分からない。


「わっ、カメリア寝ちゃったよ」

「ほんとだ。よかった、呼吸も落ち着いてるな」

「ほんとうによかった…。ここにいて王妃様に見つかっては大変ですから1度部屋に戻りましょう?」


その言葉にハッとして、急いで部屋へと戻った



◇ ◇ ◇



「それで、なんでカメリアは王妃の部屋にいたんだ?」

「言いたくない。」

「どうしてだ」

「…。冬斗はあたしとスリジエのこと好きよね?」

「?当たり前だろ。この世界に来て初めての友達だ。」

「あたしも冬斗と蒼葉が大好きよ。だから言いたくない」

「分かった。言いたくないなら言わなくても構わない。だけどもう急にいなくなるのはやめろよ?」

「うん。助けてくれてありがと。」

部屋に戻りカメリアが起きてから質問するも、答えたくないようで、今にも泣きそうな顔をしているためこれ以上何も聞くことが出来なかった。

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