VRMMOの世界で第2の人生を謳歌します。

ヤキメシ

文字の大きさ
5 / 69

5.練習

しおりを挟む
俺達は、ゴブリンと戦ったあと、直ぐに村に戻った。


さっきの俺の行動を見て、父がもう帰った方がいいと判断したためだ。


少し不満だったが、それも仕方がない。


帰りは特にケガも無かったので、普通に戻ることが出来た。


父は家に戻ると、母に森であったことを伝えた。


母は話を聞き終えた後、真っ直ぐと俺を見つめた。


その直後、パチーンっといい音がなる。


俺の頬を母が叩いたのだ。


「もう二度とやりなさんな」


そのあと抱き締められ、耳元でそう言われた。


ムチとアメを一度に与えられた感じだ。


無理もないか。


無謀なことを仕出かした俺に対しての怒りと、死ななくて良かったという安堵、二つの感情が母には押し寄せたのだろう。


心配をかけてしまったな。


叩かれたのは痛かったが、自業自得ということで納得した。


午後からは畑仕事の予定だったけど、父と母に休んどけと言われたのでそうすることにしたが、ただ休んでいるのも暇だから、俺は弓矢の練習をしていた。


父がゴブリンを弓矢で一発で仕留めたのを見て、今後必ず役に立つと感じたので練習しようと思ったのだ。


俺はこっそりと弓矢を持ち出し、森の近くで木に向かって矢を射つ。


誰にも教わったことがないので、我流になるがとりあえず1発射ってみる。


もちろん外れた。


それからも休憩を挟みながら、日がくれるまでずっと練習していたがあまり上達はしなかった。


10本中3本当たればいい方っていうぐらいだった


せめて9割は当てられるようになりたい。


じゃなければ話しにならない。


今は止まっている木だか、実際の相手は動くのだ。


そして、自分自身も動きながら射たなければならないこともあるだろう。


弓は仲間がいるときや、敵に気付かれていないときに有効だと思うため、使う場面も剣に比べれば少ないかもしれないが、出来て損はない。


これから、暇なときは弓矢の練習をするか。


そして、剣の稽古もしないとな。


俺は今後のことを考えながら家に帰った。


「あんたは、休んどけって言ったでしょうが!」


家に帰るとさっそくお叱りを受けた。


休んどけと言われたのに、弓の練習をしていたからだ。


その結果、夕食のご飯は抜きだと母に言われてしまった。


反省しろとのこと。


でも、まぁ、ご飯は正直あまり美味しくないからめっちゃ食いたいって訳でもないんだよな。


お腹が空いてるから食いたいは食いたいけど……


この村ではパンが主食だが、パンはパサパサで美味しくない。


スープは味薄いし、野菜もジャガイモばっかり。調味料も塩しかないし。


あ、でも今日は猪の肉があるのか!?


それは食べたい!


「お願いします!反省してるから、ご飯を食べさせてください!」


俺は肉欲しさに母さんにお願いした。


最初は首を縦に振らなかったが、奮闘のすえ何とか猪の肉を食べさせて貰えたが、食べた瞬間驚いた。


「おいしい!」


猪の肉は、初めて食べたがとても美味しかった。


脂も多く、なんといってもコリコリした食感が美味しい。


切った肉に少し白っぽい所があり、境界線がはっきりわかる。


その白い部分がコリコリしていて、その食感の虜になってしまった。


前の世界で食べていた豚肉や鶏肉よりこっちの方が断然美味しい。


「ごちそうさま」


こっちの世界に来て、初めて美味しいものを食べたぜ。


これは積極的に狩りに行って肉を取ってこなくては!


しかし、今日これだけの騒ぎを起こしてしまったのだから、しばらくはムリそうだな……


とりあえずは、剣と弓の練習をしとくか。


で、ある程度時間が経ったらもう一度狩りにいこうって父さんに言うか。


そう決め俺は眠った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

処理中です...