29 / 93
禁断の果実
しおりを挟む
祝宴の翌日の朝、カズマはややお酒が残っていたがいつも通り6時に訓練所へ向かった。
『なんであんな事しちまったかな?』
昨日マリとの別れ際に額にキスをしてしまった事にカズマは戸惑っていた。
自分でも意外な行動だった。
戦での勝利に興奮してたからなのか酒に酔っていたからなのか・・・
一瞬マリの事をいとおしく感じた。
『なんかモヤモヤするな・・・
謝っておこう・・・』
色々考えながら訓練所に入るとマリが素振りをしていた。
カズマは頭をかきながらマリに挨拶をした。
カズマ:「おはよう」
マリは素振りを中断して振り返り無表情で挨拶を返す。
マリ:「おはよう」
カズマ:「マリちゃん昨日の事なんだけど・・・」
マリ:「早速仕合を頼む。」
カズマが謝ろうとするのを遮るようにマリは仕合の準備をする。
『あーあ・・・やっぱり怒ってるか・・・』
カズマは今謝っても逆効果だと判断し、木刀を構えてマリに対峙した。
マリは気合いと共にカズマに切りつける。
カズマはいつも通りそれを木刀で受け止める。
『いい動きだ・・・』
マリの動きがいつもより鋭い。
適度に力が抜けて素早い打ち込みを繰り出している。
たちまちカズマは壁に追い込まれた。
カズマは木刀を置いて両手を挙げた。
カズマ:「参った。降参だ。」
無防備なカズマにマリが木刀を突きつけ近寄る。
その表情は苦しそうだ。
カズマ:「どうした?大丈夫か?」
カズマが心配して声をかけるとマリが叫ぶ。
マリ:「カズマ!貴様なぜあんな事をした!」
カズマ:「あーすまなかった。いきなりキスされたら気分悪いよな。謝る・・・ゴメンな。」
マリ:「私の心を乱すな!貴様はいつもそうだ!人の心に土足でズカズカと踏み込んで来る!」
マリの取り乱した様子にカズマは驚く。
マリ:「私にはこの国を守る使命がある!貴様が何者であってもこの国は必ず守る!私には貴様など必要ない!貴様など・・・貴様など・・・」
なだめるようにカズマはマリに話しかける。
カズマ:「わかったマリちゃん。わかったから落ち着こうか。そうだ深呼吸だ!深呼吸しよう。」
マリ:「わかってない!貴様はなんにもわかってない!私の立場。私の気持ち。私の苦しみ!」
カズマ:「え?」
マリ:「オマエが好きだ、カズマ・・・」
そう言うとマリはその場に座り込んだ。
うつむき涙を流している。
カズマはしゃがみこみマリの顔を上げる。
二人は目を閉じ口づけを交わす。
堰を切ったように二人はお互いを求めあった。
『なんであんな事しちまったかな?』
昨日マリとの別れ際に額にキスをしてしまった事にカズマは戸惑っていた。
自分でも意外な行動だった。
戦での勝利に興奮してたからなのか酒に酔っていたからなのか・・・
一瞬マリの事をいとおしく感じた。
『なんかモヤモヤするな・・・
謝っておこう・・・』
色々考えながら訓練所に入るとマリが素振りをしていた。
カズマは頭をかきながらマリに挨拶をした。
カズマ:「おはよう」
マリは素振りを中断して振り返り無表情で挨拶を返す。
マリ:「おはよう」
カズマ:「マリちゃん昨日の事なんだけど・・・」
マリ:「早速仕合を頼む。」
カズマが謝ろうとするのを遮るようにマリは仕合の準備をする。
『あーあ・・・やっぱり怒ってるか・・・』
カズマは今謝っても逆効果だと判断し、木刀を構えてマリに対峙した。
マリは気合いと共にカズマに切りつける。
カズマはいつも通りそれを木刀で受け止める。
『いい動きだ・・・』
マリの動きがいつもより鋭い。
適度に力が抜けて素早い打ち込みを繰り出している。
たちまちカズマは壁に追い込まれた。
カズマは木刀を置いて両手を挙げた。
カズマ:「参った。降参だ。」
無防備なカズマにマリが木刀を突きつけ近寄る。
その表情は苦しそうだ。
カズマ:「どうした?大丈夫か?」
カズマが心配して声をかけるとマリが叫ぶ。
マリ:「カズマ!貴様なぜあんな事をした!」
カズマ:「あーすまなかった。いきなりキスされたら気分悪いよな。謝る・・・ゴメンな。」
マリ:「私の心を乱すな!貴様はいつもそうだ!人の心に土足でズカズカと踏み込んで来る!」
マリの取り乱した様子にカズマは驚く。
マリ:「私にはこの国を守る使命がある!貴様が何者であってもこの国は必ず守る!私には貴様など必要ない!貴様など・・・貴様など・・・」
なだめるようにカズマはマリに話しかける。
カズマ:「わかったマリちゃん。わかったから落ち着こうか。そうだ深呼吸だ!深呼吸しよう。」
マリ:「わかってない!貴様はなんにもわかってない!私の立場。私の気持ち。私の苦しみ!」
カズマ:「え?」
マリ:「オマエが好きだ、カズマ・・・」
そう言うとマリはその場に座り込んだ。
うつむき涙を流している。
カズマはしゃがみこみマリの顔を上げる。
二人は目を閉じ口づけを交わす。
堰を切ったように二人はお互いを求めあった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる