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後の祭り
しおりを挟むカズマとメイは闘技場でHighpressuregunの訓練を視察した。
昨日の宴会の後なので皆酒の匂いをさせていたが、真面目に訓練をこなしていた。
シュウとドグマもいつも通り一般人に訓練を施していた。
昨夜の戦闘での勝利により皆の?士気は上がっていた。
モンスターを殲滅したHighpressuregunの兵達は自信をつけ、さらなるレベルアップを望む者が多かった。
槍や刀を訓練する者達は、直接モンスターを撃退したシュウやドグマとの手合わせを望んだ。
カズマとメイも組手での手合わせをお願いされ、忙しかった。
そこへマナがフラフラとやってきた。
カズマ:「マナ!遅いぞ!」
マナ;「すいません~・・・頭痛い・・・」
カズマは組手の稽古をメイに任せてマナをつかまえる。
カズマ:「マリちゃんを見なかったか?」
マナ:「ええ?マリ様?さあ?」
カズマ:「使えねぇな・・・」
カズマが闘技場を後にしようとするとマナがカズマを呼び止めた。
マナ:「カズマ様、ワイヤレスマイクでマリ様をお呼びしますか?」
カズマ:「いいよ!自分で探す。」
闘技場を出るとカズマはマリの部屋へ向かった。
マリの部屋につくと扉をノックしてマリに呼びかけた。
カズマ:「俺だ。カズマだ。中にいるか?」
少し間をおいて扉の鍵を外す音が聞こえた。
扉が開き中からマリが現れる。
カズマ:「マリちゃ・・・いや、マリ・・・大事な話がある。」
マリ:「そうか・・・私も話がある。」
カズマ:「じゃあ中でいいか?」
マリ:「入れ。」
マリはカズマを部屋に入れ、再び鍵をかける。
マリの部屋には机と椅子、ベッドがあり、カズマが椅子に腰かけるとマリはベッドに座った。
カズマ:「マリ・・・俺はこの世界を救った後自分がいた世界に戻る。アンタらの言葉で言うと旧世界だな。だから・・・」
マリ:「知っている。マナが教えてくれた。『勇者はこの世界に平和をもたらしたのち光と共に去る。』『予言の書』にはそう記されていると。」
カズマ:「そうか・・・知ってたのか・・・」
マリ:「貴様がいずれいなくなると言うことはわかっていた。今朝は取り乱したがもう大丈夫だ。もう感情に流されたりはしない。」
カズマ:「マリ!俺もお前が・・・」
マリ:「それ以上言うなカズマ・・・貴様は勇者・・・貴様には世界を救うという大事な仕事がある。」
カズマは言葉を失った。
マリ:「もう朝の稽古はやめよう。二人きりだとお互い冷静でいられないだろうから・・・闘技場の訓練やチームの訓練、会議には参加する。私の話はそれだけだ。」
マリは立ち上がると部屋の扉の鍵を外し開け放った。
マリ:「チーム訓練の準備をしたい。あと話す事がなければ出て行ってくれ。」
マリはカズマから顔をそむけて言った。
カズマは何も言わず立ち上がり、部屋から出ていく。
『これでいい・・・』
二人は自分自身に同じ事を言い聞かせていた。
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