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それから・・・
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タッタッタッタ・・・・
畑の横の農道を走るマナ。
息を切らして走って行くその先ではマリとメイが農作業をしていた。
マリは頭に頭巾を巻いていて背中には赤ん坊を背負っている。
マナ:「マリ様~メイさ~ん、おはようございま~す!」
遠くから走ってきて叫んでいるマナにマリとメイが気づいた。
メイ:「おっはよ~マナちゃ~ん!」
メイがマナに手を振りながら叫ぶのを見てマリは微笑んでいる。
ハァハァ・・・と息を切らしてマナがマリの所へたどり着いた。
マナ:「おはようショウマ君!」
マナはマリの背負っている赤ん坊に向かって挨拶をした。
ショウマと呼ばれた赤ん坊はマナに向かってアブアブとあいさつを返した。
この赤ん坊はカズマとマリの間に生まれた子供で、マリがショウマと名付けていた。
カズマがいなくなりしばらく落ち込んでいたマリだったが、ショウマを授かった事で生きがいを見つける事ができた。
メイも自分の弟ができた事で一生懸命勉強をしてカタコトの言葉も普通になっていた。
マリと弟を守るという使命感で顔つきも考え方も大人になっていた。
事実身重のマリを手助けし、励ましていたのはメイであり、人間的にも一回り大きくなっていた。
マリ:「おはようマナ。何かあったのか?」
マナ:「スイートウォーター城のヒデ様からワイヤレスマイクで通信がありました。」
マリはカズマの思い出が蘇るような機器は処分していたが、スイートウォーター城やシューティングスター城と外交が素早く行えるワイヤレスマイクは残し、マナに管理を任せていた。
マリ:「ヒデ国王が・・・一体何だろうか?」
マリはマナからワイヤレスマイクを受け取りヒデとの通信をつないだ。
マリ:「ヒデ国王、お久しぶりです。マリです。」
ヒデ:「おお!マリ王女。お久しぶりです。」
マリ:「今日はどのようなご用件でしょうか?」
ヒデ:「実は私共のコンピューターの方に一通のメールが届きまして・・・」
マリ:「メールですか・・・」
ヒデ:「送信元に心当たりがない為調べたのですが現在には存在してないのです。」
マリ:「現在には存在してない?どういう事でしょうか?」
ヒデ:「不思議な事にメールの送信元は現在ではなく過去に存在していた場所なのです。」
過去に存在・・・そのフレーズにマリはハッと気づいた。
マリ:「ヒデ国王もしかしてそれは・・・」
ヒデ:「はい旧世界の・・・カズマ様からのメールでした。」
マリは雷に打たれたような衝撃を受けた。
カズマからのメール・・・
なぜ?どうやって?それより内容は?
色々な思考が巡り混乱するマリ。
ヒデがやや興奮しながら続ける。
ヒデ:「どのようにしてこのメールを送ったのかはわかりませんが流石勇者様です!まるで魔法です!いや~全てを超越して・・・」
とりとめなくカズマを称えるヒデを遮るようにマリが問う。
マリ:「ヒデ国王!メールの内容を教えてください!」
ヒデ:「おお!そうでしたな!内容は『マリに伝えてくれ。サンライト城のコンピュータールームのメールを開け。やり方はマナが知っている』です。」
マリ:「わかりましたヒデ国王!確認します!」
ヒデ:「そうですか。いや~よかったよかった。それにしても・・・」
なおも話し続けるヒデを無視して通信を切るマリ。
ショウマをメイに預けてマナとともにサンライト城へ急いだ。
メイ:「マーマどうしたの?」
マリ:「カズマからメールが届いたらしい!見てくる!マナ!来てくれ!」
マナ:「は、はいいいいい。」
まるで恋する少女のように輝いているマリの表情を見てメイは嬉しかった。
こんなに生き生きとした表情を見るのははじめてだった。
メイ:「マーマ・・・よかったね・・・」
マナと一緒に走って行くマリの姿を見ながらメイは微笑んだ。
ショウマも二人を見てアババーと笑っていた。
マリとマナはサンライト城に着くと再びコンピュータールームを解放し、メールを確認した。
モニターに一通のメールを受信していることが示された。
そのメールを開くと差出人はカズマだった。
思わず口を覆うマリ。
目には涙が溜まっている。
メールの内容を確認してみた。
『マリ、カズマだ。久しぶりだな。俺が旧世界に戻って二年程たった。そちらでは何年たったんだろうな?俺はこっちに戻ってからすぐにタイムマシンの開発を進めた。二年でようやくメールを送れるまでになったよ。サンライト城とスイートウォーター城のメアドは記憶してたからな。このメールに添付しているファイルを開いてくれ。サンライト城のコンピューターをハッキングするプログラムが入っている。それが成功したらそっちにすぐ行く。 -カズマー』
マナ:「添付されているファイルを開きます。」
マナはメールの添付ファイルを開いた。
ファイルのプログラムがサンライト城のコンピューターをハッキングしていく。
しばらくハッキング処理が続いた後、コンピューターが起動し、ある一点に光が集中する。
その光はやがて大きくなり人の形を作っていく。
マナ:「マリ様!カズマ様です!この間現れた時と同じです!」
マナは興奮してマリを揺さぶった。
マリは涙をボロボロと流して光を見ている。
カズマが光の中に現れた。
そして徐々に光が消えていった後にカズマが残った。
カズマは閉じていた目を開き、マリを見つけた。
ニッコリとほほ笑みマリに近付く。
カズマ:「ただいま、マリ。」
カズマがそういうとマリは泣きながらカズマに抱きついた。
カズマはしっかりとマリを抱きしめる。
マリ:「おかえり・・・カズマ・・・」
マリがそう言うとカズマはマリとキスをする。
長く続く口づけの間にメイがショウマを抱きながら現れた。
メイ:「パーパだ・・・約束守ってくれたんだね、おかえり。」
メイがそうつぶやくとショウマが叫んだ、
ショウマ:「マーマ!パーパ!」
メイは驚いてショウマを見た。
メイ:「マーマ!パーパ!ショウマがしゃべった!はじめてしゃべったよ!」
カズマとマリはメイとショウマに近付いて皆で抱き合った。
幸せな家族の風景がそこにはあった。
The End
畑の横の農道を走るマナ。
息を切らして走って行くその先ではマリとメイが農作業をしていた。
マリは頭に頭巾を巻いていて背中には赤ん坊を背負っている。
マナ:「マリ様~メイさ~ん、おはようございま~す!」
遠くから走ってきて叫んでいるマナにマリとメイが気づいた。
メイ:「おっはよ~マナちゃ~ん!」
メイがマナに手を振りながら叫ぶのを見てマリは微笑んでいる。
ハァハァ・・・と息を切らしてマナがマリの所へたどり着いた。
マナ:「おはようショウマ君!」
マナはマリの背負っている赤ん坊に向かって挨拶をした。
ショウマと呼ばれた赤ん坊はマナに向かってアブアブとあいさつを返した。
この赤ん坊はカズマとマリの間に生まれた子供で、マリがショウマと名付けていた。
カズマがいなくなりしばらく落ち込んでいたマリだったが、ショウマを授かった事で生きがいを見つける事ができた。
メイも自分の弟ができた事で一生懸命勉強をしてカタコトの言葉も普通になっていた。
マリと弟を守るという使命感で顔つきも考え方も大人になっていた。
事実身重のマリを手助けし、励ましていたのはメイであり、人間的にも一回り大きくなっていた。
マリ:「おはようマナ。何かあったのか?」
マナ:「スイートウォーター城のヒデ様からワイヤレスマイクで通信がありました。」
マリはカズマの思い出が蘇るような機器は処分していたが、スイートウォーター城やシューティングスター城と外交が素早く行えるワイヤレスマイクは残し、マナに管理を任せていた。
マリ:「ヒデ国王が・・・一体何だろうか?」
マリはマナからワイヤレスマイクを受け取りヒデとの通信をつないだ。
マリ:「ヒデ国王、お久しぶりです。マリです。」
ヒデ:「おお!マリ王女。お久しぶりです。」
マリ:「今日はどのようなご用件でしょうか?」
ヒデ:「実は私共のコンピューターの方に一通のメールが届きまして・・・」
マリ:「メールですか・・・」
ヒデ:「送信元に心当たりがない為調べたのですが現在には存在してないのです。」
マリ:「現在には存在してない?どういう事でしょうか?」
ヒデ:「不思議な事にメールの送信元は現在ではなく過去に存在していた場所なのです。」
過去に存在・・・そのフレーズにマリはハッと気づいた。
マリ:「ヒデ国王もしかしてそれは・・・」
ヒデ:「はい旧世界の・・・カズマ様からのメールでした。」
マリは雷に打たれたような衝撃を受けた。
カズマからのメール・・・
なぜ?どうやって?それより内容は?
色々な思考が巡り混乱するマリ。
ヒデがやや興奮しながら続ける。
ヒデ:「どのようにしてこのメールを送ったのかはわかりませんが流石勇者様です!まるで魔法です!いや~全てを超越して・・・」
とりとめなくカズマを称えるヒデを遮るようにマリが問う。
マリ:「ヒデ国王!メールの内容を教えてください!」
ヒデ:「おお!そうでしたな!内容は『マリに伝えてくれ。サンライト城のコンピュータールームのメールを開け。やり方はマナが知っている』です。」
マリ:「わかりましたヒデ国王!確認します!」
ヒデ:「そうですか。いや~よかったよかった。それにしても・・・」
なおも話し続けるヒデを無視して通信を切るマリ。
ショウマをメイに預けてマナとともにサンライト城へ急いだ。
メイ:「マーマどうしたの?」
マリ:「カズマからメールが届いたらしい!見てくる!マナ!来てくれ!」
マナ:「は、はいいいいい。」
まるで恋する少女のように輝いているマリの表情を見てメイは嬉しかった。
こんなに生き生きとした表情を見るのははじめてだった。
メイ:「マーマ・・・よかったね・・・」
マナと一緒に走って行くマリの姿を見ながらメイは微笑んだ。
ショウマも二人を見てアババーと笑っていた。
マリとマナはサンライト城に着くと再びコンピュータールームを解放し、メールを確認した。
モニターに一通のメールを受信していることが示された。
そのメールを開くと差出人はカズマだった。
思わず口を覆うマリ。
目には涙が溜まっている。
メールの内容を確認してみた。
『マリ、カズマだ。久しぶりだな。俺が旧世界に戻って二年程たった。そちらでは何年たったんだろうな?俺はこっちに戻ってからすぐにタイムマシンの開発を進めた。二年でようやくメールを送れるまでになったよ。サンライト城とスイートウォーター城のメアドは記憶してたからな。このメールに添付しているファイルを開いてくれ。サンライト城のコンピューターをハッキングするプログラムが入っている。それが成功したらそっちにすぐ行く。 -カズマー』
マナ:「添付されているファイルを開きます。」
マナはメールの添付ファイルを開いた。
ファイルのプログラムがサンライト城のコンピューターをハッキングしていく。
しばらくハッキング処理が続いた後、コンピューターが起動し、ある一点に光が集中する。
その光はやがて大きくなり人の形を作っていく。
マナ:「マリ様!カズマ様です!この間現れた時と同じです!」
マナは興奮してマリを揺さぶった。
マリは涙をボロボロと流して光を見ている。
カズマが光の中に現れた。
そして徐々に光が消えていった後にカズマが残った。
カズマは閉じていた目を開き、マリを見つけた。
ニッコリとほほ笑みマリに近付く。
カズマ:「ただいま、マリ。」
カズマがそういうとマリは泣きながらカズマに抱きついた。
カズマはしっかりとマリを抱きしめる。
マリ:「おかえり・・・カズマ・・・」
マリがそう言うとカズマはマリとキスをする。
長く続く口づけの間にメイがショウマを抱きながら現れた。
メイ:「パーパだ・・・約束守ってくれたんだね、おかえり。」
メイがそうつぶやくとショウマが叫んだ、
ショウマ:「マーマ!パーパ!」
メイは驚いてショウマを見た。
メイ:「マーマ!パーパ!ショウマがしゃべった!はじめてしゃべったよ!」
カズマとマリはメイとショウマに近付いて皆で抱き合った。
幸せな家族の風景がそこにはあった。
The End
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