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38.女同士の付き合いにビビるの巻
しおりを挟む「どうやら龍の隣りは中島さんみたいです」
「そっか、やっぱりな」
「何がやっぱりなんですか?」
「いやあ、あんな男の夢を具現化したような女のコが隣に座ったら、女に免疫の無い奴は廃人となること間違い無しだろ?その点、龍はそこそこ女慣れしてるし大丈夫だと思われたんだろ」
なるほどと頷いていたら、清水さんの反対隣りにいつの間にか失望こと吉川さんが立っていて。まるで武士のようなお辞儀をした。
「清水さん、これから宜しくお願いします」
「え、ああ、うん。こちらこそ宜しき、ぐッ」
そう、実は清水さんも教育係に任命されており、龍同様にギリギリまでどちらの担当になるかを知らされていなかったのだ。ということはつまり、夢こと中島さんの教育担当になって廃人化するかもしれない男というのは自分のことだったのである。
口ほどにも無い。なんだかんだ言って失望こと吉川さんが相手でも動揺してドギマギしているクセに。私とも最初はこんな感じだったナ~と懐かしく思っていると、吉川さんはご丁寧に隣りの隣りの席に座っている私にまで挨拶をしてくれた。この吉川さんが本当に曲者で、いつの間にか私たちはとても仲良くなってしまうのだ。
「…吉川さんに提案が有ります!」
「はい、なんでしょうか!」
女は3人以上集まると派閥が出来るらしい。だから私と吉川さんと中島さん、丁度3人なので派閥が…どうやら出来そうにも無い。基本、仕事命の女ばかりなので、そういう人間関係に神経を使うのが面倒なのである。
「お茶当番、一応つくっときますか。五十音順でいいかな?週替わりにして、当番はこちらのパンダのぬいぐるみを机の上に置くことにしましょうよ」
「了解、じゃあ私はラストだわ」
「言い出しっぺの私が一番ですね。じゃあ後で中島さんにも伝えてきますね」
「あっ、でも色々とルールを統一した方が良いと思われるので、今日は中島さんと2人でお茶当番の仕事を見学させて貰っても良いですか?」
「もちろん」
「んじゃ今からカワイコちゃんを誘って来ます」
吉川さんは私よりも3つ年上の30歳らしいが、とっても変な人だ。なぜ化粧をしないのか訊いてみたところ、美しくなり過ぎて周囲の男性陣を惑わせてしまうからなのだそうだ。そして何故か私を同類だと思っているらしく、それはどんな同類なのかと言うと、仕事に人生を捧げてこのまま死ぬまで独身だと考えている女なのだと。だからこんなに残業して、土日出勤もガンガンやっているんでしょう…と、先日言われてしまったのである。
中島さんは『彼氏がいません』と言っていたし、吉川さんも当然彼氏がいない(※失礼)。この状況で私だけ彼氏がいますとは言い難く、しかも訊かれてもいないので公表はしていないが、いつか私の彼氏が圭くんだということがバレた時が怖い気がする。ずっと女1人の職場だったからねー。女子同士の付き合いって、久々過ぎてなんかビビるよねー。
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