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49.意外な展開
しおりを挟むいや、むしろ平凡な人生を送ってきた私にとって、突然ドラマティックな展開をもたらしてくれる人物が登場したというか。こんなに超美形で、しかも生立ちまで普通じゃないって最高かよ。
「なんかずっと地味だった私の人生が、ここにきてようやく派手に彩られてきたって感じかも。変化とワクワクをどうも有難う、圭くん」
「えっ、そこで御礼を言っちゃう?」
「言っちゃう」
「こちらこそ、有難う。大好きだよキヨちゃん」
いや、待て、オッパイ揉むな、そんでキスしまくるなッ。このままなし崩しで二回戦目に突入とか考えてないよね?だって、隣室には圭パパがいるんだよ?このマンション、元々ぶち抜きワンフロアだったのを、お祖父ちゃんの愛人が強引にゲストルームと寝室を作ったせいで壁がすごく薄いの知ってるでしょ?響くよ、絶対に愛の営みを聞かれてしまうってば!
>うん、そうなんだよ。
>圭のやつ、生意気に彼女を連れ込んでて。
…とか言われるに決まって…ん?なんだか声が妙にリアルだな。
>あはは、それがソックリなんだよキミに!!
>あいつマザコンでやんの。
やはりこれは隣室で誰かと会話している圭パパの声がこちらまで聞こえてしまっているようだ。
「えっと、圭くんのお義父さん、電話中かな?」
「たぶんウチの母親とスカイプでもしてんだろ。しかも絶対に自分の声がこっちに丸聞こえだと気付いてないぞ、あの人」
>うん、うん。ほんと心配して損したよ。
>とっても仲良しで幸せそうだった。
>あんな嬉しそうな圭、初めて見たなあ。
>僕らは親になっちゃダメな人間だけど、
>息子に罪は無いもんね。
>あはは、そうだね反面教師を見て育ったから、
>絶対に圭は良い父親になると思う。
多分ヘッドホンをしているようで相手の声は聞こえないが、圭パパの声が終始嬉しそうだということは伝わって来る。
「ねえ圭くん。なんだかんだ言って、愛されているみたいだし、明日からちょっと優しくしてあげてもいいんじゃないかなあ」
「い、今更?」
「そう今更。だって、なんか憎めないんだもん圭パパのこと。きっと圭くんに興味が無いんじゃなくて、接し方が分からなかったんだと思う。そうじゃなきゃ、あんなに圭くんの幸せを願ったりしないよ。ところで圭くんのお母さんはどうして幼い息子を置いて帰国しちゃったの?」
圭くんが答えようとした、その時。正にそのことを隣室でも話し始めていたのだ。
>ごめんね、ミエコ。長い間ひとりにさせて。
>圭が結婚したら、僕らも一緒に暮らそう。
>父との約束はそれで守られたことになるから。
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