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私はアナタを食べちゃいたい
しおりを挟む「ち、千脇、そんなに慌てなくてもまだまだ時間は有るから」
「だって前田が、前田を、前田にィ…」
フレンチレストランを出て、そのままタクシーに乗ってどこか良さげなホテルに泊まろうと言うのを必死で制し、電車に乗ってワンルームの前田宅に帰った次第である。だって、散財し過ぎだよ!婚約指輪に婚約腕時計にディナーの代金まで加えるととんでもない金額になるでしょ?ほら、結婚したらお財布は一緒になるワケだし、今のうちに節約するよう躾けておかないとね!
しかも、無駄に時間をかけて帰ったお陰でムラムラ指数もMAXへと達し、玄関のドアを閉めていきなり前田に抱き着いたところそのまま首にぶら下がった状態でベッドまで運ばれちゃったりして。
いやあ、たぶん今からセックスするんですけどね、両想いとそれ以外とではやっぱ燃え方が違いますわ~。なんつうかこれまでの私をオーディション前の素人娘だとすると、ここにいる私は人気絶頂のアイドル歌手って感じかなあ。えっ?分かり難い?じゃあ…えっと…。
「千脇、お前いま何を考えてる?」
「う…っと、も、もちろん前田のことだよ!もっとチュウして」
雑念だらけの私をお許しください、これから集中しますのでッ。お互いの舌を絡ませながらダイレクトに相手のそこを解し合う。いや、だってかれこれ2カ月近くしてないからね、もう一分一秒でも早く繋がりたいと焦る私に感化されたのか、前田も未だかつてない興奮っぷりだ。
「え、あ、こら千脇。まだ早いって。まだお前そんなに濡れてないぞ」
「大丈夫だよ、心はグッチョングッチョンに濡れてるから!」
腰の上にまたがって男根を強引に自分の中へと埋めると、『うあ…』と前田が軽く身悶えしながら啼いた。
「前言撤回、奥の方はもうグチョグチョだ」
「当たり前!」
「うわ…、久々に味わう千脇の中、やばい…」
「そうでしょう、そうでしょう」
色気の無い返ししか出来なくてゴメン。でも、なんだか妙に照れ臭くて。
「俺、実を言うと千脇が初めての女でさ」
「…はあっ?!ほ、本当に??」
「んッ、あ、ああ、気持ちいい…、千脇、そんなに腰を振らないでくれ」
「そういうのは早く教えてよッ」
「カッコ悪くて言えなかったんだよ、…うあ、こら、一回休むぞ。このままじゃスグいっちゃう」
「りょ、了解」
はあはあ言いながら動きを止めると、仰向けになっていた前田が素早く上半身を起こした。
「俺の初めてを奪ったんだ。責任取ってくれよ」
「そっか、なんだか前田って色々と面倒臭い男だったんだね…」
「…うッ、…そういう男は嫌いか?」
「バーカ、大好きだよ!くそ可愛くて食べちゃいたいっつうの!」
形勢逆転、いきなりひっくり返されて上になった前田にガンガン突かれ始める。
「俺はッ、千脇の中身も外見も全部好きだ」
「あんあんあんあん」
「料理上手なところも楽しそうに仕事してるところも大好きだ」
「あっああああっんっ」
「首筋に有るホクロもムチムチの尻もピンクの乳首も最高にエロイ」
「うああああっあっ」
「千脇、喘ぐ以外に何か言ってくれよ」
「あッあッああああッ」
ご無体な、この状態で何を言えと仰るのか。ハレーションが起きたかの如く視界が真っ白に染まり、そのまま私は気を失ってしまう。
最後に呟いたその言葉は…
「思い出した!あのイボイボ野菜の名前、ロマネスコだよ…ごちそうさま…」
「って、おい?!千脇、千脇ィ?!」
--END--
※最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。本日より、廣瀬さんが大活躍する『ずっとこの恋が続きますように』というお話を連載開始しました(廣瀬さんの登場はもう少し先)。引き続きお読みいただけると嬉しいです。
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廣瀬さん、外堀埋めるの、うっま!はっや!!
と思っております。
こんなところで無駄に能力を発揮するのが、廣瀬さんのいいところですよねー。そして徐々に適応していく千脇ちゃん。
むむむ、前田ってばピンチかもしれませんぞ!!
前田君、ポンコツイケメン。
むしろこのままの方がお互い幸せな気もする‥
ちえさん様、感想ありがとうございます!
前田、もう少しで浮上しますので長い目で見てやってくださいませ。ダメな子ほど可愛いとか言いますし!それにつけても、廣瀬さんの方がキャラ濃すぎて前田の存在感がどんどん薄くなっていく…。が、がんばれ前田ッ。
読んでます。読んでますよ〜。
非常に前田を便所スリッパでぱっこーんしたいんですが。。続きが気になります!
わーい。感想ありがとうございまーす。
前田もですが、このあと廣瀬さんの不器用っぷりも披露されていくのです。ドキドキワクワクしていただけるといいなあ…。むふふ。